こぼれネット

「昔はなぁ、"卵"などというのは、好きな時に、好きなだけ食べられたもんじゃ。卵が入っていない食べ物など、存在しないといっても言いくらいでなぁ」

船戸与一さんの、「砂のクロニクル」の中に、高齢のイスラム戦士の会話が出てきます。

In "Chronicle on the Sand" by Yoichi Funado, there is a conversation between an elderly Muslim warrior.

本が手元にないので正確に覚えていないのですが、

Though I don't have the book with me, so I don't remember exactly,

『今日は、卵を入れてみた』

'Today, I put an egg in it.'

『そのようなもてなしは不要じゃ』

'No need for such hospitality.'

『ワシが食べたいんじゃよ』

'I want to eat.'

という場面が登場します。

The above scenes like this one appear.

ある地域では『卵が贅沢品』ということを知って、ちょっとショックを受けたのを覚えています。

I remember being shocked to learn that eggs are a luxury item in some (combat) areas.

近年の卵の値段の高騰は、このシーンを思い出させます。

The recent spike in egg prices reminds us of this scene.

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「昔はなぁ、"卵"などというのは、好きな時に、好きなだけ食べられたもんじゃ。卵が入っていない食べ物など、存在しないといっても言いくらいでなぁ」

In the old days, we could eat eggs whenever and as much as we wanted. We could say that no food did not contain eggs.

「お義父さん!やめて下さい!、子供にそんなデタラメを教えるのは!!!」

Father! Please don't do it! You can't teach that kind of bullshit to a child!

なんて時代にならねばよいが。

I hope such a time never comes.

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江端さんのひとりごと'93 『消えたスキーツアー』

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