暗号に関するミステリーというのは面白いです。
It is interesting to have a mystery about cryptography.
でも多くのミステリーは、「暗号」の意味を取り違えていると思います ―― もちろん、著者も読者も分かっていることではありますが。
But I think many mysteries misunderstand the meaning of "code" -- something both authors and readers know, of course.
暗号とは、
A cipher is a message that
(1)全世界に公開される方法でしか運ぶことができないメッセージ
(1) can only be carried in a way that is open to the entire world,
であるにも関わらず、
yet
(2)特定の人物にのみが復号できるメッセージ
(2) can only be decrypted by a specific person.
のことです。
上記(1)の公開メッセージ中に、(2)の復号のヒントが含まれていれば、その暗号はその目的を達成することはできません。
The cipher cannot achieve its purpose if the public message in (1) above contains the decryption hint in (2).
また、その人間の資質(能力)によってのみ解読できるものであるなら、それは特定の人物に向けたメッセージではないので、暗号とは言えません。
Also, if it can only be deciphered by the qualities (abilities) of the person, it is not a cipher because it is not a message to a specific person.
そして、それが誰にも復号できないのであれば、それは「暗号」ですらありません。ただの文字列です。
And if no one can decrypt it, it is not even a "cipher." It is just a string of characters.
つまり、厳密な意味では、小説やドラマや映画で登場する暗号は『暗号ではない』のです。
In other words, in a strict sense, the ciphers that appear in novels, dramas, and movies are not 'ciphers.
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YouTubeで、ドラマ「ミステリと言う勿れ」のダイジェストを見ています。
I am watching a digest of the drama "Not to Mention Mystery" on YouTube.
私は、『一緒にドラマ見ている人に、こういう話をするべきではない』し、ましてや、『RAS暗号の原理などを得意気に語るべきではない』ということだけは分かっています。
All I know is that 'I shouldn't talk about these things to people I'm watching drama with,' much less 'I shouldn't talk about the principles of the RAS cipher in a way that I'm good at.