こぼれネット

つまるところ、私の"空振り"は、SDGsなんです ―― 世界は救いませんが。

依頼された仕事というのは、基本的に、依頼を発注する側と、依頼を受注する側で、仕事の内容に認識ズレが発生します。

There is a gap in the perception of the requested work between the party that places the request and the party that receives the request.

私、社会人人生のほとんどの期間、研究の「依頼を受ける側(受注者)」でした。

I have been on the "receiving end" of research requests for most of my working life.

(たまに、ソフト外注を行う場合は、依頼側(発注者)になりましたが)

(Occasionally, when outsourcing software, I become the requesting party (client)).

ですので、これまで、私は依頼内容を誤解し続けてきました。

So, up to now, I have continued to misunderstand the request.

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例えば、発注者は『1ページのサマリが欲しかった』だけなのに、私は『20ページの大作を作ってしまった』とかです。

For example, the client only 'wanted a one-page summary,' but I 'made a big 20-page piece.

これ、発注者が、依頼段階で最初から『1ページのサマリが欲しい』と言えば、このよう過誤は発生せずにすんだ悲劇です。

This tragedy could have been avoided if the client had asked for a one-page summary at the request stage.

ところが、発注者が『1ページのサマリ』が、すでに認識済みであったと思い込めば、こういう事項は発生します。

However, these matters will occur if the client assumes that the "one-page summary" has already been recognized.

私の仕事はこういうことの連続です。

My works are a series of these things.

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で、私が取っている戦略は、

So, the strategy I am taking is,

―― 『100%の共通認識』などは、しょせん夢物語だから、『先に作ってしまえ』です。

-- "100% common understanding" is a pipe dream, so "let me make it first."

とは言え、『1ページ』に対して『20ページ』とは、随分な無駄なことをやったことになります。

Nevertheless, "20 pages" instead of "1 page" is much wasted work.

もの凄い損をしたようにも思えますし、実際、無駄な時間を使ってしまいました。

It seems like a tremendous loss and, in fact, a waste of time.

自分の社会人人生を見直してみると、「私の仕事の9割は空振り」のような気がします。

Reviewing my work life, I feel that "90% of my work is empty".

社会人として、私は失格かもしれません。

As a member of society, I may be disqualified.

でも、"モノ"が見えることで(形になることで)、仕事は動き出します。

However, the work begins to move when the "thing" becomes visible (or takes shape).

『お互いが分かっていない"こと"が、分かる』からです。

This is because "we can understand things that we don't understand each other."

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ただ、私がこういう無茶ができるのは、、私が、ドキュメントやソフトウェアに関する業務で、かつ、個人で請け負う業務であるからでもあります。

However, I can do this kind of reckless work because my work is related to documentation and software and because I am a private contractor.

これが、100人以上が関わるような、都市設計、建設、その他のインフラの仕事でしたら、『途中で間違いに気がついた』では済まない話です。

If this were urban design, construction, or other infrastructure work involving more than 100 people, it would not be enough to say, "We realized our mistake midway through the project.

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では、私が空振りして作成した9割は、完全に無駄な仕事だったか、と問われると、これが必ずしも「そうだ」とは言えないのです。

So, if you ask me if 90% of the work I struck out to create was a complete waste of time, I can't necessarily say that this was the case.

他の仕事や、コラムや、別のところで流用することができる(こともあるから)です。

It can (and sometimes does) get diverted to other jobs, columns, or elsewhere.

私が、自分のページで公開しているコラムや技術メモは、この"9割"を再利用している(もちろん、守秘義務のフィルタをかけた上で、ですが)といっても過言ではありません。

It is no exaggeration to say that 90% of the columns and technical notes I publish on my website are reused (after filtering for confidentiality).

つまるところ、私の"空振り"は、SDGsなんです ―― 世界は救いませんが。

After all, my "swing" is the SDGs -- not saving the world.

ちなみに、今日は、朝から覚えているだけで、3つの失敗しています(コードと特許と仕様書で)。

By the way, I made three mistakes today (in code, patents, and specifications); I just remembered them from this morning.

今日も、私は、豪快に"空振り"しています。

Today, too, I am "striking out" with great enthusiasm.

『本当に、意義のない、無駄な人生を生きてきたなぁ』と、つぶやきながら、私は死んでいくつもりです。

 

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