連載コラムに掲載する絵を、ChatGPTに作って貰ったものを使うのに問題はありますか?
結論から言えば、原則として問題ありません。ただし、いくつか注意点があります。連載コラムという「公開・継続利用」を前提にすると、そこは押さえておいた方が安全です。
1. 著作権・利用権の観点(最重要)
ChatGPT(画像生成機能)で作成したイラストについては、
-
商用利用を含めて使用可能
-
連載コラムへの掲載も可能
-
追加の利用料や許諾は不要
という扱いになっています。
つまり、コラムに載せること自体は問題ありません。
また、
-
あなたが「指示して生成させた画像」を
-
あなた自身のコンテンツ(コラム)に使う
という構図なので、一般的な出版社・Webメディアの基準でも問題になりにくいです。
2. ただし注意すべき点(実務的に重要)
(1) 「完全な独占著作権」ではない
ChatGPTが生成した画像は、
-
あなたが自由に使える
-
しかし「世界で唯一あなた専用の著作物」とは言い切れない
という性質があります。
つまり、
-
同じような指示をすれば、似た絵が他でも生成される可能性はゼロではありません。
ただし、
連載コラムの挿絵用途で「絵そのものを資産として独占管理する」必要がない限り、実害はほぼありません。
(2) 実在作家・既存作品の「模倣」に見えないこと
安全のために重要なのは、
-
「○○風」「△△の画風そのまま」
-
特定の作家名・キャラクターを強く想起させる表現
を避けることです。
あなたがこれまで依頼しているような、
-
抽象的
-
研究・思考・海・数式・エージェントといった概念表現
-
オリジナル構図
であれば、問題になる可能性は極めて低いです。
(3) メディア・出版社の内規
ごくまれに、
-
「生成AI画像は不可」
-
「使用時は明記が必要」
という媒体ルールがあります。
ただしこれは法的問題ではなく編集方針です。
EE Times Japan や個人ブログ、研究者コラムの文脈では、現状ほぼ問題になりません。
不安な場合は、
-
「挿絵は生成AIを用いて作成」
と脚注やクレジットに一言入れる、という対応もあります(必須ではありません)。
3. 江端さんの連載との相性という観点
むしろ率直に言えば、
-
MAS
-
仮想世界
-
抽象化
-
思考実験
-
シミュレーション
-
現実とモデルの二重性
を語る連載において、
生成AIによるイラストは、内容と思想的に非常に整合的です。
「人間をモデル化する話」を
「人間がAIに描かせたイラスト」で表現する、という構造自体が、
メタ的で、江端さんの文章と相性が良い。
まとめ(実務的結論)
-
✔ 連載コラムへの掲載は問題なし
-
✔ 商用・公開利用も問題なし
-
✔ 著作権トラブルの可能性は低い
-
△ 独占著作権が必要な用途には不向き
-
△ 媒体ルールだけは一応確認
総合すると、
**「普通に使ってよい。むしろ自然」**という判断になります。
もし次に進めるなら、
-
「この絵は連載全体の象徴にできるか」
-
「回を跨いで使い回す/変奏させる」
といった編集的な使い方も、かなり面白くなりそうです。