ルドルフ:
―― 目下の所、君達が作ることを許そうと思っている発電所はどういう種類のものなんだい?
彼らはいつでもどんな発電所にでも反対してきたじゃないか
火力も地熱も、最も綺麗なエネルギーといわれる水力も環境破壊を理由に反対する
だが太陽熱発電には広大な土地が必要だし風力だって景観上の問題はどうしようもないだろう
海洋エネルギーは環境を支配している媒介変数の絡みも把握できていないし必要なデータも簡単には手に入れ難い
もしそれらが経済的に見合うようになってもだよ・・・何の問題もない方法などありはしないんだ
だから、・・・もし君が、それを覚悟の上でAなら我慢するがBは認めないと言うならばそれもいいだろう。だが、何も譲りたくないが分け前だけは欲しいと言うならオレは何も話したくない ――
(三原順著 「夕暮れの旅」)
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よろしい。
彼(ルドルフ)の言っていることは、筋が通っている。私も決めることにしよう。
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といっても、我々が取り得る案は、大きく以下の2つしかないと思います。
第1案:「A(電力が足りないこと)なら我慢するが、B(原発の存続)は認めない」
「我慢」とは、
◯毎年の季節毎の計画停電を認める
◯日本国の経済成長の停滞または下落を認容する
◯従来通り娯楽が享受できないことも諦める
◯経済大国の地位を放棄し国力の低下を容認し、他国から屈辱的な取扱(戦争や侵略等も含めて)を諦める
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第2案:「A(放射能汚染の可能性)なら我慢するが、B(電力が足りないこと)は認めない」
「我慢」とは、
◯危険水準ギリギリまでの放射能汚染下での生活を覚悟する
◯危険な放射能汚染区域からの突然の退去を容認する
◯放射能の危険(衣食住全般)を折り込み済みで今後の人生を生き、更に子供達や子孫にもそれを強いる
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「どっちもいや」は、もう許されません。
あなたは、どちらを選びますか。
私は、決めました。