こぼれネット

「OpenStreetMapのデータから鉄道だけを抽出してGeoJSONで出力する方法」を試してみた件

「OpenStreetMapから鉄道路線データを落とせない」と愚痴っていたら、社内の人から「OSMに鉄道データ入っていますよ」と言われて、愕然とした件

という訳で、今日は、OpenStreetMapX.jl をダウンロードして色々やっていたのですが、よく分からりませんでした。というか、何ができるのか、が今一つ肚に落ちてこないのです。

で、こちらの路線は諦めて、とにかく鉄道データが取れる手段を探しました。

OpenStreetMapのデータから鉄道だけを抽出してGeoJSONで出力する方法

を試すことにしました。
https://download.geofabrik.de/asia/japan/kanto.html
から、osm.pbfファイルを落してきました。

osmium を使う方法がでていたのですが、これが私のWindows10環境では実現できませんでした。(正確に言うと、私の環境には"cl.exe"というコマンドがないので、コンパイルができない。Visual Studio C++(?)を入れるとできるらしいのですが、これ以上、パソコンの環境を汚したくなったのです)。
で、色々試みたのですが(この間5~6時間)、上手くいかず、dockerでないかなにないかなーと探していたら、見付けました。
1つ目のWindowsのコマンドプロンプト(MSYS64では上手く動かない)かったので、
C:\Users\ebata>docker run -t -i stefda/osmium-tool /bin/bash
で、いきなりDockerのコンテナの中に入りました。

/bin , /usr/bin, /usr/local/bin のどこかで当るだろうと探りを入れていたら、

root@e87f198ccc07:/usr/bin# ls o*
objcopy objdump od odbcinst ogdi-config openssl osage osmium
root@e87f198ccc07:/usr/bin# osmium
Usage: osmium COMMAND [ARG...]

/usr/binで当たりました。

で、作業用のディレクトリを探していたら、/tmpがあったので、ここにファイルを持ち込んで作業することにしました

2つ目の、別のWindowsのコマンドプロンプトを上げて、今動かしているコンテナを調べました

C:\Users\ebata>docker ps
CONTAINER ID IMAGE COMMAND CREATED STATUS PORTS NAMES
e87f198ccc07 stefda/osmium-tool "/bin/bash" 12 minutes ago Up 12 minutes wonderful_lumiere

で、ローカルからDockerコンテナの/tmpに直接コピーしました。

C:\Users\ebata>docker cp kanto-latest.osm.pbf wonderful_lumiere:/tmp

一つ目のコマンドプロンプトに戻って、ファイルが可能されているか確認しました。

root@e87f198ccc07:/# cd tmp
root@e87f198ccc07:/tmp# ls
kanto-latest.osm.pbf

ちゃんと入っていました。パスも通っているようですので、

root@e87f198ccc07:/tmp# which osmium
/usr/bin/osmium

そのまま、/tmpの中で作業しました

root@e87f198ccc07:/tmp# osmium tags-filter kanto-latest.osm.pbf w/railway -o kanto-railway-latest.osm.pbf
[======================================================================] 100%
root@e87f198ccc07:/tmp# ls
kanto-latest.osm.pbf kanto-railway-latest.osm.pbf
root@e87f198ccc07:/tmp# osmium export kanto-railway-latest.osm.pbf -o kanto-railway-latest.json
root@e87f198ccc07:/tmp# ls
kanto-latest.osm.pbf kanto-railway-latest.json kanto-railway-latest.osm.pbf

2つ目のコマンドプロンプトを立ち上げて、dockerコンテナから、ローカルに、完成したjsonファイルを送り出します。

C:\Users\ebata\docker-osmium-tool>docker cp wonderful_lumiere:/tmp/kanto-railway-latest.json .

ローカルの方に変換されたファイルが戻ってきました。
C:\Users\ebata>ls
 Dockerfile   README.md   kanto-latest.osm.pbf   kanto-railway-latest.json   work
さて、これを、ドラッグして、QGISに放り込んで出てきた図です。

見事に鉄道だけが抽出されています。

しかし、重要なのはそこではありません。

芳賀・宇都宮LRT が、すでに表示されている ―― これは、今の私にとって、とてつもないインパクトなのです。

さて、今回はLRTを中心とした宇都宮市をカバーする地域の交通機関を切り出します。

【食べログ作れる? 】 OpenStreetMap から Osmiumで飲食店の位置情報を取得してGeoJSONに出力してみたを参照して、

$ osmium extract --bbox 左上の経度,左上の緯度,右下の経度, 右下の緯度 -o 出力したいファイル名.pbf 元のファイル名.osm.pbf

から、

$ osmium extract --bbox 139.76675736787732, 36.659949299138, 140.1596765021647, 36.47004171587971 -o utunomiya-lrt.osm.pbf kanto-latest.osm.pbf

として切り出してみます。

root@80e1a2d0dc02:/tmp# osmium extract --bbox 139.76675736787732, 36.659949299138, 140.1596765021647, 36.47004171587971 -o utunomiya-lrt.osm.pbf kanto-latest.osm.pbf
Error parsing command line: too many positional options have been specified on the command line

あれ、コンマと空白がダメだったかな?

root@80e1a2d0dc02:/tmp# osmium extract --bbox 139.76675736787732,36.659949299138,140.1596765021647,36.47004171587971 -o
utunomiya-lrt.osm.pbf kanto-latest.osm.pbf
Need LEFT < RIGHT and BOTTOM < TOP in --box/-b option.

うむ、 では、36.659949299138 と 36.47004171587971 を入れかえて、再度挑戦

root@80e1a2d0dc02:/tmp# osmium extract --bbox 139.76675736787732,36.47004171587971,140.1596765021647,36.659949299138 -o utunomiya-lrt.osm.pbf kanto-latest.osm.pbf
[======================================================================] 100%

成功したっぽいです。

root@80e1a2d0dc02:/tmp# osmium tags-filter utunomiya-lrt.osm.pbf w/railway -o utunomiya-railway-latest.osm.pbf
[======================================================================] 100%

root@80e1a2d0dc02:/tmp# osmium export utunomiya-railway-latest.osm.pbf -o utunomiya-railway-latest.json

では、ここから、2つ目のコマンドプロンプトから、

C:\Users\ebata\docker-osmium-tool>docker cp serene_shirley:/tmp/utunomiya-railway-latest.json .
C:\Users\ebata\docker-osmium-tool>docker cp serene_shirley:/tmp/utunomiya-lrt.osm.pbf .

としました。

utunomiya-railway-latest.json の表示結果はこちらです。

データ量も、関東全域と比較すると、11%程度になりました。


ところで、osmファイルと、osm.pbfファイルの違いって何だろう?

 

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