21世紀に残したくない曲 100選
https://www.kobore.net/not21.txt から転載
(筆者とのくされ縁により、無断転載)
今世紀もあと2週間あまりとなり、日本では色々なテレビ番組が企画されて いるものと思います。
昨年の大晦日あたりには「21世紀に残したい曲 100選」などが放映されてい たと思います。確か第一位は、美空ひばりの「河の流れのように」だったかと。
では、「21世紀に残したくない曲 100選」を選べと言われたら、何を選ぶか、 と言う話題で、嫁さんと色々議論しておりました。
その結果、それぞれの一位は、以下のようになりました。
智一
- 歌手 荒井由美
- 曲名 「卒業写真」
- 選評 『私は月日と共に変っていくけど、あなたは変わらないで』と言う、無責任な言動。「変わらない人間でいて」と言うのは、「人間として成長しないでいて」と同義であることを認識していない幼稚な歌詞の連続。
この程度の歌に共感するアホなティーン達への警鐘も込めて。
その他 上記とほぼ同様の選評で、「22歳の別れ」なども候補に上げられたが、選を逃がした。
祐子
- 歌手 さだまさし
- 曲名 「あなた三昧」
- 選評 一言で「気色悪い」。 あなたと一緒にいて、あなたの側で、終日洗濯や料理を作っているだけでいいと言うような女が本当にいるとは思えないし、本当にいたら、どこかおかしいのだろう。 馬鹿な男の下らない女性観を具現した歌として、是 非とも後世に残したくない一曲である。
(上記文章は、智一が若干補足)
麻生
- 熟睡の為、選考会欠席
こぼれ話メーリングリスト、(おそらく)今世紀最後の企画、
「21世紀に残したくない曲 100選」
あなたも是非とも御参加下さい。
えるです。
ebata21@home.com さんは書きました:
こぼれ話メーリングリスト、(おそらく)今世紀最後の企画、
「21世紀に残したくない曲 100選」
あなたも是非とも御参加下さい。
プチブル趣味は、それを個人の内面的欲求として保持するだけなら、 私はとりたてて批判はしない。 また、プチブル趣味を実現する場合でも、そこに何らかの屈折した想いが認められるならば、私は批判を口にするのを躊躇(ためら)う。
だが、である。 ここに、開けっぴろげに、能天気に、恥という単語が辞書に載ってないかのように、パワー全開で、無知は力なりとばかりに、その禁を破る歌があるのだ。
小坂明子の『あなた』である。
かくもプチブル趣味を恥ずかし気もなく露呈した歌を、私は知らない。 含羞も、挫折の影もなく、ただ他者不在のノッペリとした平面的な願望を垂れ流すこの歌を、私は大変気味の悪いものと考える。
以下、歌詞の内容を正確に覚えてはいないが、批判を展開してみよう。
『♪もしも私が家を建てたなら、小さな家を建てたでしょう~』
金が無いので小さな家を建てました、というなら話はわかる。 だが、この場合は恐らくそうではない。
「私たちは、もっと大きな家を建てる小金はあるんですけれど、 でもショートケーキみたいな小さな家が好みなんです。 私たちは慎(つつ)ましいんですよ、ええ」
とでも言いたげである。 実に厭味という他ない。 そもそも、慎ましいかどうかは他人様が決めることであり、 自分で自分のことを「慎ましい」などと言うのは、その対極にある態度であろう。 世間ではそんな態度を「厚かましい」というのだ。
『♪大きな窓と小さなドアと~』
小さなドアというのは実に象徴的である。ドア、それは即ち外部(=社会)との 接点であり、ドアが小さいということはつまり、
「私たちはあまり社会とコミットしたくないんです。 二人だけの世界でぬくぬくしていたいんです」
という気分の表明であると、精神分析学エルカン派の祖である私としては解釈せざるを得ないのである。 閉塞した世界こそが私たちの楽園です、という訳だ。
その他にも、
「真っ赤な薔薇と白いパンジー」 「部屋には古い暖炉がある」 「レースを編む」 「子犬」(どうせ俺の嫌いなマルチーズやプードルだろうよ)
といった歌詞から想起されるイメージは、悉く陳腐・俗悪の域を出ず、そこに描かれる生活は徹底して伝統的な日本の風習を脱臭しており、 無思慮な西洋崇拝と対米従属を強化する洗脳装置として機能したと言えよう。
結論:『あなた』は唾棄すべき反革命的唱歌であり、21世紀に決して 残してはならない負の金字塔、昭和日本の恥部である。
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今思い出したが、もう一つ、実に気に入らない歌があった。 私がまだ子供の頃の、かなり古い歌だと思うが、
『♪愛、あなたと二人。夢、あなたと二人~』
ってな気色悪いフレーズの後に、
『♪二人のため、世界はあるの~』
という、とんでもない命題をブチあげている馬鹿野郎な歌があった。
ローマ皇帝、チンギスハン、秦始皇帝、ヒトラー...世界を掌握しようとした 彼ら独裁者は、「世界は俺様のもの」と思っていたかも知れない。 だが、彼ら一時代を築いた歴史上の人物は、うぬぼれるだけの権力と財力を確かに持ってはいたのだ。 それにひきかえ、ここで歌われている「二人」が「世界は私たちのもの」と考 える根拠は、
「だって二人は恋人なんだもん(ハート)」。
なんじゃそりゃぁぁぁ!!
# 筆者に無断で本文章の引用・転載を禁ず。 (C) 2000 Erukan