「作成プロセス途中の、小さくて、汚いソースコードを残して下さい」

2024年12月2日

(昨日の続きです)

(Continuation from yesterday)

作成途中の、機能の一部だけを実装した、

I ask the engineers to open a part of the source code that realizes a part of the whole function. In addition, the code might be

■汚くて、

lame, unmade

そして

and

■ステップ数が短い(どんなに長くも100行)

shorter (less than 100 steps, if ever)

コードを、バシバシ公開して頂きたいのです。

I want to read such incomplete codes.

そのようなプログラムは、大抵の場合、アルゴリズムの「根っこ」であったりします。

Those codes are, in many cases, fundamental functions of the algorithm.

そして、その「根っこ」は、私にとっては、完成した完璧なソースコードより、はるかに価値があるのです。

For me, the code is far better than the complete source code.

汚いコードは、データ構造の本質を理解するのに、大変助かりますし、

A lame and unmade code helps understand a basic structure of data and

短いコードは、そのアルゴリズムを理解するのに、大変助かります。

A shorter code is beneficial for understanding the basic algorithm.

特に、実時間処理を施しているコードなどにおいては、その処理を施す前のコードが、私にとっては至宝のコードです。

Especially about a code that implements a real-time processing function, the old code, before implementing the process, is extraordinarily fine for me.

(実時間処理が入ってくると、トレースができないから)

It will not be accessible if the real-time process includes the code traces.

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善意でソースコードを公開して頂いている方の多くは、ソースコードを作ることが大好きで、

Many engineers, who have opened their source code with good-will, love to make codes,

そして、

however,

―― ドキュメント(解説資料)を作るのが大嫌い

they don't like write a document(like instruction manual,practical guide)

です。

もし、その方から、「ソースコード自体が、ドキュメントそのものだろう」と言われると、それはもっともな話で、グウの根も出ません。

If they say, "source code itself is a manual" to me, I don't argue against them.

それが、正論だからです。

Because it is a just argument.

なにより、自分のソースコードを公開している私自身も、ドキュメントは作っていません。

Above all, I also posted my source code on the Internet, but I have not made the manual since.

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だから、「ドキュメントを書いて下さい」とは言いませんので、

So I don't say "Please write "readme.txt" down". but I want to say to them

「作成プロセス途中の、小さくて、汚いソースコードを残して下さい」

"Please leave your lame, unmade, and shortcode under construction."

と申し上げさせて頂いている次第なのです。

With the most excellent courtesy.

2024年12月2日2017,江端さんの忘備録

Posted by ebata