風評被害を作ったのは誰か
今や「日本」から来たもの、というだけで、日本産の食料だけでなく、日本製の機械までもが、放射能汚染されていると世界中で認識されているようです。
世界の大きさから見ると、日本の国土の広さは「点」として認識される程度でしょう。
その「点」の中で発生した原発事故に対して、世界が「日本」から出てくるものを、十把一絡げに「汚染物質」と見なすことは、ある意味無理はないと思えます。
日本の位置を知っている人は、相当の教養人。
日本の首都は、「北京」と思っている米国人はいる。
「福島」なんて場所、絶対に知らないと思う。
我々にしても、中国の毒入り餃子事件等や、その他の汚染食料問題に関してですら、我々は、あの広大な中国大陸を「点」として見て、中国産の食べ物を忌避していましたよね。
結局は、どの国の人間も同じことをしているだけです。
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小田嶋隆は、風評被害を実に上手く表現しています。
それは、「ショートケーキのクリームの上に、一瞬ハエが乗ったケーキ」の様なものであると。
ハエが乗った直後のケーキは、概ね無害ですし、ハエが乗ったことに気がつかなければ、多分、皆、そのケーキを食べていると思います。
しかし、我々は敢えてそのケーキを食べない。
なぜなら、別のケーキを食べれば済むからです。
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理性や論理は「安全」であると知っていても、そこに「不信感」があれば、それは、ケチのついた安全(これを「安全'」と記載する)となります。
そして、我々は、その「安全'」を敢えて選ぶ冒険をしない。
なぜなら、生産者や製造者を除いて、我々には別段、不都合はないからです。
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電力会社や政府は、
○SPEEDIのシミュレーション結果を隠し、
○レベル7を隠し、
○メルトダウンを隠した
『まだ何か隠しているだろう』と考えるのは、人情だろうと思います。
我々は、政府のいう「安全'」、
つまり
「ハエが乗ったかもしれないケーキ」
を食べるには、騙され過ぎたのです。