嫁さん:「今日は、新宿に『たぬきこうじ』を見に行ってくる」

午後に、嫁さんが「駅まで送ってもらえる?」と聞いてきました。午後に会議も入っていなかったので、嫁さんを自動車に乗せて駅に向かいました。

In the afternoon, my wife asked, "Can you ride me to the station?" Since I had no meetings in the afternoon, I took my wife to the station in my car.

江端:「で、今日はどちらへ?」

Ebata: "So, where are you going today?"

嫁さん:「今日は、新宿に『たぬきこうじ』を見に行ってくる」

Wife: "Today, I'm going to Shinjuku to see 'Tanuki Koji.'"

―― ん?

-- What?

私の頭の中のデータベースの中には、「たぬきこうじ」なる芸人が入っていません。

The database in my head does not include a comedian named "Tanuki Koji."

新人芸人かもしれませんが、私は嫁さんが「芸人推し」をしているという話を一度も聞いたことがありません。

It may be a new comedian, but I have never heard of my wife "guessing" a comedian.

そもそも、嫁さんが"ルミネtheよしもと"に行く、ということ自体が、かなりの異例といえます。

First, it is unusual for a wife to go to "Lumine the Yoshimoto."

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江端:「えっと、『たぬきこうじ』とは、どういう人なの?」

Ebata: "Well, what kind of person is 'Tanuki Koji'?"

嫁さん:「違う。『玉置浩二』」

Wife: "No. Koji Tamaki."

玉置浩二さんのコンサートだったようです。それなら、納得できます。

It seems it was a concert by Koji Tamaki. That makes sense, then.

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私は、現在進行形で、体の随所の老化が著しいです。

I am in the midst of an ongoing process of significant aging in all parts of my body.

特に視力と聴力は、日常レベルで問題が発生しています。

Vision and hearing, in particular, are experiencing problems daily.

大学での受講では、結構な苦労を強いられています ―― 声の小さい発表とか、文字の小さい発表資料とか、加えて、それが英語だったりすれば、もう大変です。

I've had a lot of trouble taking courses at the university -- presentations with low voices and small print, plus if it's in English, it's a lot of work.

そのうち、私は、うっとうしいと思われるのが怖くて、聞き返すことができなくなると思います。

Eventually, I will be too afraid to ask back for fear of sounding annoying.

こうして、「たぬきこうじ」なる新しい芸人が、私の中(だけ)に誕生することになる訳です。

Thus, a new comedian named "Tanuki Koji" was born only in my mind.

親の介護フェーズが終わった(死亡した)時から、自分が、被介護対象者になっていく ―― を実感しています。

2024,江端さんの忘備録

Posted by ebata