私たちでは対処しきれないこともあるとは思いますが、少なくとも以下のような私が引き起こした愚かな事故くらいであれば、「基本的な知識」と「日常的な常識」で回避できます。

昨日、マンホールで作業中の人が4人死亡するという、痛ましい事故が発生しました。
Yesterday, a tragic accident occurred in which four workers died while working inside a maintenance hole.

事故理由は現在調査中のようですが、マンホールに滞留していた硫化水素(150ppm)が原因として疑われているようです。
The cause of the accident is still under investigation, but it appears that hydrogen sulfide (150ppm) accumulated in the maintenance hole is suspected to be the cause.

硫化水素の濃度と人体への影響を調べてみたのですが、「150ppm嗅覚の麻痺(臭いが感じられなくなる)→10分程度で失神→1時間で死亡」と記載されていました。正直、今、背筋が凍っています。
I looked into the concentration of hydrogen sulfide and its effects on the human body.  "At 150 ppm, olfactory paralysis occurs (you can no longer smell it) → unconsciousness in about 10 minutes was what I found written. Honestly, I feel a chill down my spine.

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私、この手の有毒ガスによる事故については、これまで何度か悲しい目にも、危ない目にも遭遇しました。
I have personally encountered several sorrowful and dangerous incidents involving accidents caused by toxic gases like this.

こういう、危険な気体は、実は私たちの身の回りにたくさんあります。
Disasters caused by hazardous gases like these are a part of everyday life.

私たちでは対処しきれないこともあるとは思いますが、少なくとも以下のような私が引き起こした愚かな事故くらいであれば、「基本的な知識」と「日常的な常識」で回避できます。
There may be situations beyond our control, but at the very least, foolish accidents like the one I caused can be avoided with basic knowledge and everyday common sense.

江端さんのひとりごと 「危ない漂白剤」

どうか、お命安全で、お過ごしください。
Please, stay safe and protect your life.

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P.S.

ちなみに、上記のコラムに記載していた「次亜塩素酸ナトリウム」は物質であり気体ではありませんし、その他にも、各種の誤記や誤解が大量にあると思っていました。以前から、この記載の誤っている点を全部チェックしたいと思っていたので、今回ChatGPTに教えて貰いました。

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このエッセイには、科学的・化学的な誤解や不正確な記述が複数あります。以下に、科学的・化学的に誤っている記述を明示し、それぞれに対して何が誤っているか/正しい知識を併記します。


❌ 科学的・化学的に誤っている記載一覧


①「漂白剤を煮立てれば、すごく速くコップの漂白できるのでは」

  • 誤りの内容:漂白液(主成分:次亜塩素酸ナトリウム)を加熱すれば漂白が早くなるという前提。

  • 正確な知識
    加熱により漂白効果が一時的に高まる場合はありますが、次亜塩素酸ナトリウムは熱に不安定で、加熱により急速に分解し、逆に効果が失われます。

  • 副作用:同時に酸素や塩素ガスが少量ながら発生する危険性があり、漂白目的での加熱は推奨されません


②「2分もないうちに、あのプール独特の塩素の匂いが部屋中に立ちこめてきた」

  • 誤りの内容:「塩素の匂い」と表現しているが、プール臭の主因はCl₂ではない。

  • 正確な知識
    プールや漂白剤の匂いの主成分はクロラミン類(モノクロラミン NH₂Clなど)であり、塩素ガス(Cl₂)とは別物です。Cl₂が漂白液から単独で発生するには強酸との反応が必要です。

  • 補足:煮立てただけでは塩素ガスは大量には出ませんが、**塩素臭に似たもの(次亜塩素酸などの刺激臭)**が出ることはあります。


③「しまった!次亜塩素酸ナトリウム!!…煮沸なんかしたら、この部屋は実に理想的なガス室と化してしまいます」

  • 誤りの内容:煮沸によって、ナチスが使用したような致死的ガス(例:シアン化水素など)と同等の毒性が発生するという認識。

  • 正確な知識
    次亜塩素酸ナトリウムを煮沸しても、ナチスの用いた「チクロンB(シアン化水素 HCN)」とは全く別物です。
    加熱により酸素や少量の塩素、クロラミンなどが発生する可能性はあるが、密室でなければ即死レベルには達しにくい

  • 懸念:危険性を過小評価するのは危険だが、過剰に「ガス室」と同一視するのも科学的には誤り


④「水道水にも使われている有毒ガス」

  • 誤りの内容:次亜塩素酸ナトリウム=有毒ガスという表現。

  • 正確な知識
    水道水に使われているのはごく微量の次亜塩素酸ナトリウムであり、そのまま飲んでも人体にほとんど影響はない濃度に調整されています。

  • 補足:原液や高濃度溶液は危険だが、水道水レベルで「有毒ガス」と言うのはミスリーディングです。


⑤「コップごと煮る」=金属の腐食・反応のリスクに未言及

  • 誤りの内容:金属製コップで加熱した漂白液による二次反応の可能性に無自覚。

  • 正確な知識
    金属(特にアルミ・鉄・銅など)と次亜塩素酸ナトリウムが反応すると、クロラミンや酸素、酸化物などの副生成物が発生することがあり、発泡や腐食、刺激臭などの危険を伴う

  • 補足:ステンレスなら比較的安定だが、鉄製コップでの加熱はリスクが高い


✅ 科学的に正しいポイント(補足)

  • 頭痛・息苦しさなどの症状は、加熱によるガス(塩素やクロラミンなど)への曝露で説明可能です。

  • 室内の換気が不十分な状態で、化学物質を加熱する行為は実際に非常に危険です。


🔚 結論:このエッセイでの科学的な誤認一覧まとめ

誤認ポイント 内容 正しい知識・修正方向
① 加熱で漂白力UP 一時的に効果上がるが分解進行で逆効果も 加熱は避けるべき
② プール臭=塩素 クロラミン類が主原因 塩素ガスではない
③ 「ガス室」化する ナチス使用の毒ガスと混同 毒性はあるが別物
④ 水道水に有毒ガス 超微量で無害、濃度誤解 適切な濃度管理下では安全
⑤ 金属との反応未考慮 鉄と次亜塩素酸の反応に無自覚 腐食や有毒ガス発生のリスクあり

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以上

2025,江端さんの忘備録

Posted by ebata