強化学習におけるReinforceを5行程度で説明して下さい(江端メモ)

強化学習におけるReinforceを5行程度で説明して下さい

Reinforceは、方策勾配法の最も基本的なアルゴリズムである。
エージェントは環境との相互作用からエピソード全体の報酬を得て、その合計報酬を基準に行動確率を更新する。
具体的には「得られた報酬が大きい行動の確率を高め、報酬が小さい行動の確率を下げる」方向にパラメータを勾配上昇させる。
この方法は単純だが、分散が大きく学習が安定しにくい問題がある。
その後のアルゴリズム(Actor-Criticなど)は、この分散を抑える工夫を加えて発展している。

状態S_0 → 行動A_0 → 報酬R_0 → 状態S_1 → 行動A_1 → 報酬R_1 → .... を繰り返す  というデータがあったとする。

エピソードとは、上記の一連のデータのかたまりのこと

ふむふむ。

なるほど、収益は、その後の行動に影響するが、遠い未来は、rで減衰させる、ということだな。

深層学習の関数とは何ですか。簡単に説明して下さい。簡単な例題があればお願いします

深層学習における「関数」とは、入力を受け取り、出力を返す仕組みを数式で表したものを指す。
ニューラルネットワーク全体は「複雑な関数」であり、各層で「単純な関数(線形変換+非線形変換)」を重ねていくことで成り立っている。
例えば1つの層では、入力ベクトル

xx

に対して重み

WW

とバイアス

bb

を使い、

 

f(x)=σ(Wx+b)f(x) = \sigma(Wx + b)

 

という関数を定義する。ここで

σ\sigma

は活性化関数(例:ReLUやシグモイド)である。


簡単な例題

入力

x=2x = 2

、重み

w=3w = 3

、バイアス

b=1b = 1

、活性化関数をReLU(負の値を0にする関数)とすると、

 

f(x)=ReLU(wx+b)=ReLU(3×2+1)=ReLU(7)=7f(x) = \text{ReLU}(wx + b) = \text{ReLU}(3 \times 2 + 1) = \text{ReLU}(7) = 7

 

となる。
このように、深層学習は「多数の関数を組み合わせて、大きな入力(画像や音声など)から目的の出力(分類ラベルなど)を計算する仕組み」と考えられる。


もっと具体的な関数の種類(例えばシグモイド関数やソフトマックス関数)についても例を見たいですか?

シグモイド関数やソフトマックス関数の例を見たいです

了解しました。代表的な「シグモイド関数」と「ソフトマックス関数」を、簡単な数値例で説明します。


1. シグモイド関数 (Sigmoid)

式:

 

σ(x)=11+ex\sigma(x) = \frac{1}{1 + e^{-x}}

 

入力を 0〜1の範囲に圧縮する関数。確率っぽい値を出すためによく使われる。


  • x=0x = 0

     

    のとき:

 

σ(0)=11+e0=12=0.5\sigma(0) = \frac{1}{1+e^0} = \frac{1}{2} = 0.5

 


  • x=2x = 2

     

    のとき:

 

σ(2)11+e20.88\sigma(2) \approx \frac{1}{1+e^{-2}} \approx 0.88

 


  • x=2x = -2

     

    のとき:

 

σ(2)0.12\sigma(-2) \approx 0.12

 


2. ソフトマックス関数 (Softmax)

式(複数入力

z1,z2,...,znz_1, z_2, ..., z_n

に対して):

 

Softmax(zi)=ezij=1nezj\text{Softmax}(z_i) = \frac{e^{z_i}}{\sum_{j=1}^{n} e^{z_j}}

 

複数の値を 確率分布(合計1になる) に変換する関数。分類問題の出力層でよく使われる。

入力が

[2,1,0][2, 1, 0]

の場合:


  • e2=7.39,e1=2.72,e0=1e^2 = 7.39, \; e^1 = 2.72, \; e^0 = 1

     

  • 合計 =
    7.39+2.72+1=11.117.39 + 2.72 + 1 = 11.11

     

  • Softmaxの出力は:

 

[7.39/11.11,2.72/11.11,1/11.11][0.67,0.24,0.09][\, 7.39/11.11, \; 2.72/11.11, \; 1/11.11 \,] \approx [0.67, \; 0.24, \; 0.09]

 

つまり、入力

[2,1,0][2,1,0]

を確率分布に変換すると「クラス1が67%の確率で正しい」といった形になる。

Reinforceは、離散時刻tのデータがあるものに用いられる、という理解で良いですか?

はい、その理解でおおむね正しいです。

補足説明

Reinforceは方策勾配法 (policy gradient) の一種で、離散的な「時刻

tt

」ごとにエージェントが行動を選び、環境から報酬を受け取る状況を前提にしています。つまり、

  • 状態
    sts_t

     

    を観測

  • 方策
    π(atst)\pi(a_t|s_t)

     

    に従って行動

    ata_t

     

    を選択

  • 報酬
    rtr_t

     

    を得て次の状態に遷移
    という「離散時刻ステップ」で進行する枠組みに適用されます。

例えば「迷路探索」や「強化学習の標準タスク(CartPoleなど)」は、すべて1ステップずつ行動→報酬→次状態、という離散的な流れであり、Reinforceはそのデータを使って方策の更新を行います。


逆に「連続時間」での学習や制御にも拡張は可能ですが、その場合は一度離散化して扱うのが一般的です。

 

図に出てくる記号は、強化学習でよく使われる基本的な要素を表しています。


π(パイ)

方策(policy)のこと。
状態

sts_t

を見て、どの行動

ata_t

をとるかを決める確率分布。
Reinforceでは、この

π(as)\pi(a|s)

のパラメータを勾配法で更新する。


V(バリュー)

価値関数(state value function)。
ある状態

ss

からスタートしたときに、将来得られる報酬の期待値。
式で書くと:

 

Vπ(s)=E[t=0γtrts0=s,π]V^\pi(s) = \mathbb{E}\Big[ \sum_{t=0}^\infty \gamma^t r_t \,\big|\, s_0=s, \pi \Big]

 


Q(キュー)

行動価値関数(action value function)。
状態

ss

で行動

aa

を選んだ場合に、将来得られる報酬の期待値。
式で書くと:

 

Qπ(s,a)=E[t=0γtrts0=s,a0=a,π]Q^\pi(s,a) = \mathbb{E}\Big[ \sum_{t=0}^\infty \gamma^t r_t \,\big|\, s_0=s, a_0=a, \pi \Big]

 


p(ピー)

環境の遷移確率。
「状態

ss

で行動

aa

を取ったら、次に状態

ss'

に遷移する確率」を表す。
式で書くと:

 

p(ss,a)p(s'|s,a)

 


r(アール)

報酬(reward)。
行動を取った直後に得られるスカラー値。
学習の目的は、これをできるだけ大きく積み上げるように方策

π\pi

を改善すること。


要するに、


  • π\pi

     

    :エージェントが「どう動くか」を決める確率分布


  • V,QV, Q

     

    :その動きが「どれだけ得か」を数値化するもの


  • p,rp, r

     

    :環境側のルール(遷移と報酬)
    という役割分担になっています。


VとQの違いを教えて下さい。

良い質問です。VとQはどちらも「将来の報酬の期待値」を表しますが、見る単位が違うのがポイントです。


V(価値関数, Value Function)

  • 状態の価値」を表す
  • 状態
    ss

     

    にいるとき、方策

    π\pi

     

    に従って行動した場合に得られる将来報酬の期待値

  • 数式:

 

Vπ(s)=E[t=0γtrts0=s,π]V^\pi(s) = \mathbb{E}\Big[\sum_{t=0}^{\infty}\gamma^t r_t \,\big|\, s_0 = s, \pi \Big]

 

  • 例:迷路で「スタート地点にいるとき、この後うまく進んでゴールできそうか?」を評価

Q(行動価値関数, Action Value Function)

  • 状態+行動の価値」を表す
  • 状態
    ss

     

    で特定の行動

    aa

     

    を選んだとき、方策

    π\pi

     

    に従って進んだ場合に得られる将来報酬の期待値

  • 数式:

 

Qπ(s,a)=E[t=0γtrts0=s,a0=a,π]Q^\pi(s,a) = \mathbb{E}\Big[\sum_{t=0}^{\infty}\gamma^t r_t \,\big|\, s_0 = s, a_0 = a, \pi \Big]

 

  • 例:迷路で「スタート地点から右に進んだ場合に、最終的にゴールできそうか?」を評価

違いを直感で言うと

  • Vは「この場所そのものがどれくらい良いか」
  • Qは「この場所でこの行動を取ったらどれくらい良いか」

もしご希望なら、この違いを「簡単な迷路の図」を使って具体的に数値例で示すこともできますが、やってみますか?

お願いします。

 

この図は、3×3の簡単な迷路での 状態価値 V(s) の例です。

  • ゴール(G)に近づくほど
    V(s)V(s)

     

    の値が高くなっています。

  • スタート(S=左上)の
    V(s)=0.2V(s)=0.2

     

    は、「ここから方策通り進めば、まあまあ報酬が得られるだろう」という期待値。


一方で、行動価値 Q(s,a) は「状態+行動」の評価です。
例えばスタート地点 S での Q 値は次のように設定しました:

  • 右に進む →
    Q(s,a)=0.4Q(s,a)=0.4

     

    (少しゴールに近づく)

  • 下に進む →
    Q(s,a)=0.4Q(s,a)=0.4

     

    (同じくゴールに近づく)

  • 左に進む →
    Q(s,a)=0.0Q(s,a)=0.0

     

    (壁で意味なし)

  • 上に進む →
    Q(s,a)=0.0Q(s,a)=0.0

     

    (壁で意味なし)


まとめると:

  • V(s) = その場所にいる「価値」
  • Q(s,a) = その場所で「特定の行動をとった場合の価値」

という違いになります。


ご希望なら、この例を「数式の形(VとQの関係式)」に落とし込んで整理することもできますが、続けますか?

続けて下さい

では、先ほどの迷路例を使って、数式でVとQの関係を整理します。


1. Q関数の定義

行動価値関数

Qπ(s,a)Q^\pi(s,a)

は、状態

ss

で行動

aa

を選んだときの将来報酬の期待値です。

 

Qπ(s,a)=E[r(s,a)+γVπ(s)s,a]Q^\pi(s,a) = \mathbb{E}\Big[ r(s,a) + \gamma V^\pi(s') \,\big|\, s, a \Big]

 


  • r(s,a)r(s,a)

     

    :行動した直後の報酬


  • γ\gamma

     

    :割引率


  • ss'

     

    :次の状態


2. V関数とQ関数の関係

状態価値関数

Vπ(s)V^\pi(s)

は、その状態にいるとき、方策

π\pi

に従って行動したときの期待値です。

 

Vπ(s)=Eaπ(s)[Qπ(s,a)]V^\pi(s) = \mathbb{E}_{a \sim \pi(\cdot|s)} \big[ Q^\pi(s,a) \big]

 

つまり、

  • VはQの期待値
  • 方策に従って「どの行動をどのくらいの確率で取るか」を平均したものがV

3. 迷路のスタート地点の例

スタート地点 S における Q 値を思い出します:


  • Q(S,)=0.4Q(S,右) = 0.4

     


  • Q(S,)=0.4Q(S,下) = 0.4

     


  • Q(S,)=0.0Q(S,左) = 0.0

     


  • Q(S,)=0.0Q(S,上) = 0.0

     

もし「右と下を半々の確率で選ぶ」方策なら:

 

V(S)=0.5×Q(S,)+0.5×Q(S,)=0.5×0.4+0.5×0.4=0.4V(S) = 0.5 \times Q(S,右) + 0.5 \times Q(S,下) = 0.5 \times 0.4 + 0.5 \times 0.4 = 0.4

 

このように、VはQの加重平均として計算できます。


まとめ

  • Qは「行動レベルの価値」
  • Vは「行動を選ぶ方策を平均した状態レベルの価値」
  • 数式で両者は明確に結びついており、VはQの期待値になっている

ここまでで「VとQの違い」と「数式でのつながり」を説明しました。

REINFORCEとは、方策購買定理もどきをデータの平均値をつかって行えるもの、と、とりあえず理解。

 

「Actor-CriticでVとQがどう使われるか」に踏み込んで下さい。

承知しました。ここからは Actor-Critic 法 における V と Q の役割を整理して説明します。


1. Actor-Critic とは何か

  • Actor(方策担当):方策
    π(as)\pi(a|s)

     

    を学習する。つまり「どう動くか」を決める役。

  • Critic(批評担当):状態や行動の「価値」を推定する。Actor の行動が良いか悪いかを評価する役。

Reinforce単独では「得られた報酬だけ」を使って更新するため分散が大きいが、Criticを導入することで安定性が向上する。


2. Critic が使うもの:VかQか

Criticは大きく分けて2種類あります。

(A) State-value critic(V関数を使う)

  • Critic は
    V(s)V(s)

     

    を推定する。

  • Actor の更新には「アドバンテージ(advantage)」を使う:

 

A(s,a)=Q(s,a)V(s)A(s,a) = Q(s,a) - V(s)

 

これにより「平均より良い行動かどうか」を基準に学習できる。

(B) Action-value critic(Q関数を使う)

  • Critic が直接
    Q(s,a)Q(s,a)

     

    を学習する。

  • Actor は「Q値の高い行動をより選びやすくなるように」方策を更新する。

3. 更新の仕組み(簡略化)

Actor のパラメータ

θ\theta

を更新するとき、Reinforceでは:

 

θθ+αθlogπθ(as)Gt\theta \leftarrow \theta + \alpha \nabla_\theta \log \pi_\theta(a|s) \cdot G_t

 

(ここで

GtG_t

は将来報酬の合計)

Actor-Critic では Critic の推定を組み込んで:

 

θθ+αθlogπθ(as)(r+γV(s)V(s))\theta \leftarrow \theta + \alpha \nabla_\theta \log \pi_\theta(a|s) \cdot \big(r + \gamma V(s') - V(s)\big)

 

この

(r+γV(s)V(s))(r + \gamma V(s') - V(s))

TD誤差(Temporal Difference Error) で、実際の報酬と価値予測のずれを表す。


4. 直感的イメージ

  • Actor:「じゃあ右に進んでみよう」
  • Critic:「その結果の報酬とVを比べると予測よりちょっと良かったから、右を選ぶ確率を上げた方がいいね」

これを繰り返すことで、

  • Critic は環境を正しく評価できるようになり、
  • Actor は評価を参考により良い行動を選べるようになる。

5. まとめ

  • Actor-Critic は Reinforceの改良版
  • Critic が V または Q を学習し、Actor の更新に「評価基準」として使う
  • この仕組みにより、Reinforceの「分散が大きくて不安定」という弱点を補う

上記の図を使った例でActor-Criticを説明できませんか?

良い視点です。では、先ほどの 3×3迷路(スタートS・ゴールG) の図を使って、Actor-Critic がどう働くかを例で説明します。


1. 迷路の状況

  • スタート地点:S(左上)
  • ゴール:G(右下、報酬=+1)
  • Actor(方策):上下左右に動く確率を持っている
  • Critic(価値関数):各マスの「価値
    V(s)V(s)

     

    」を予測している


2. スタート時点での行動選択

スタートS(状態)にいるとき、Actorは確率的に行動を選ぶ:

  • 右に行く確率 0.25
  • 下に行く確率 0.25
  • 左/上に行く確率 0.25ずつ

このとき、Criticは「Sの価値は0.2」と予測しているとします(前回の図より)。


3. 実際に行動 → 報酬観測

例えば「右へ移動」した場合、

  • 即時報酬
    r=0r = 0

     

    ゴールではないので0

  • 次の状態S
    (0,1)(0,1)

     

    、Criticの予測値は

    V(0,1)=0.4V(0,1)=0.4

     


4. Criticによる評価(TD誤差)

Criticは「予測と実際の差」を計算します:

 

δ=r+γV(s)V(s)\delta = r + \gamma V(s') - V(s)

 

ここで

γ=0.9\gamma=0.9

とすると、

 

δ=0+0.9×0.40.2=0.16\delta = 0 + 0.9 \times 0.4 - 0.2 = 0.16

 

→ 予測より「ちょっと良かった」と判断。


5. 更新の流れ

  • Criticの更新
    「Sの価値予測を上方修正した方がよい」と学習する。
  • Actorの更新
    「右に行く行動は予測より良かったので、その確率を上げるように」学習する。

6. 繰り返しの結果

この流れを何度も繰り返すことで:

  • Criticは「各マスの価値」を正しく近似できるようになる
  • Actorは「ゴールに近づく行動の確率」を徐々に高める
  • 最終的に「スタートから右か下に進み、効率的にゴールする方策」が得られる

まとめ

  • 図の
    V(s)V(s)

     

    は Critic が推定する「状態価値」

  • Q や TD誤差は「行動が平均より良かったか」を判断する材料
  • Actor はこの評価をもとに「良い行動を強化、悪い行動を抑制」する

もしご希望なら、この迷路をシミュレーションして、実際にActorの行動確率がどう変化するか をコードでお見せできますが、見てみますか?

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Posted by ebata