さくらインターネット上のWordPressをエクスポートしたものを、Amazon Lightsailにインストールする方法

2025年1月29日

 

さくらインターネット上のWordpressをエクスポートしたものを、Amazon Lightsailにインストールする方法

 

2025/01/27
江端智一

さくらインターネット上のWordPressをエクスポートし、Amazon Lightsailにインストールする手順を説明します。


1. さくらインターネットのWordPressデータをエクスポート

(1) WordPressの管理画面からデータエクスポート

  1. WordPress管理画面にログイン(例:https://example.com/wp-admin
  2. [ツール] →[エクスポート] を開く
  3. 「すべてのコンテンツ」を選択 → [エクスポートファイルをダウンロード]
    • これで .xml ファイルが取得できる(投稿・固定ページ・コメント・設定など)

(2) データベースのエクスポート

  1. さくらのphpMyAdminにログイン
  2. WordPressで使用している データベースを選択
  3. [エクスポート] →「クイック」形式 → 「SQL」 でエクスポート
    • wordpress.sql というファイルがダウンロードされる

(3) wp-contentフォルダのバックアップ

  1. FTP(FileZillaなど)を使用して、さくらサーバーに接続
  2. /wp-content/ フォルダ(テーマ・プラグイン・アップロードファイルが含まれる)をダウンロード
    • wp-content.zip などに圧縮しておくと便利

2. Amazon LightsailでWordPressをセットアップ

(1) Lightsail インスタンスの作成

  1. Amazon Lightsail にログイン
  2. 「インスタンスの作成」
    • プラットフォーム: Linux/Unix
    • ブループリント: WordPress
    • プラン: 必要なスペックを選択(例: 5ドルプラン)
    • 「作成」をクリック
  3. インスタンスのIPアドレスを確認し、http://<LightsailのIP>/ にアクセスできることを確認

(2) SSHでLightsailに接続

  1. Lightsailの管理画面 懼 インスタンスを選択 懼 「SSH接続」
  2. コマンドラインで以下を実行し、MySQLのパスワードを取得
    cat $HOME/bitnami_application_password

     

    • これがWordPressの管理画面の初期パスワードになる
  3. WordPress管理画面にログイン
    • http://<LightsailのIP>/wp-admin
    • ユーザー: user
    • パスワード: 上記で取得したもの

3. 旧データをLightsailにインポート

(1) WordPress XMLのインポート

  1. LightsailのWordPress管理画面にログイン
  2. [ツール] → [インポート] → 「WordPressインポーター」
  3. エクスポートした .xml ファイルをアップロード
    • 投稿・固定ページ・カテゴリ・タグなどが移行される

(2) wp-contentのアップロード

  1. LightsailのSSHに接続
  2. wp-content.zip/opt/bitnami/wordpress/ にSFTPでアップロード
  3. 以下のコマンドで展開
    sudo unzip wp-content.zip -d /opt/bitnami/wordpress/ sudo chown -R bitnami:daemon /opt/bitnami/wordpress/wp-content sudo chmod -R 775 /opt/bitnami/wordpress/wp-content

     

(3) データベースのインポート

  1. wordpress.sql をSFTPでLightsailにアップロード
  2. MySQLに接続し、データベースをインポート
    mysql -u root -p bitnami_wordpress < wordpress.sql

     

    bitnami_wordpress はLightsailのデフォルトDB)

  3. WordPressのテーブル名が異なる場合、wp-config.phptable_prefix を変更

(4) ドメインの変更(URL修正)

  1. MySQLにログイン
    mysql -u root -p

     

  2. WordPressのURLを修正
    USE bitnami_wordpress; UPDATE wp_options SET option_value = 'http://<LightsailのIP>' WHERE option_name = 'siteurl'; UPDATE wp_options SET option_value = 'http://<LightsailのIP>' WHERE option_name = 'home';

     

  3. パーマリンクの再設定
    • WordPress管理画面 → [設定] → [パーマリンク設定] で「変更を保存」をクリック

4. SSL設定(HTTPS化)

(1) Let's Encrypt証明書の設定

  1. SSHでLightsailにログインし、Let's Encryptを設定
    sudo /opt/bitnami/bncert-tool

     

  2. 指示に従い、example.com などのドメインを入力し、SSL証明書を設定
  3. 設定が完了すると、自動的にHTTPSにリダイレクトされる

5. 動作確認

  1. http://<LightsailのIP> にアクセスし、正しく表示されるか確認
  2. WordPress管理画面(/wp-admin)にログイン
  3. 投稿・画像・テーマ・プラグインが正常に動作しているかチェック

以上で、さくらインターネットからAmazon LightsailへのWordPress移行が完了します。

さくらインターネット上のWordPressをエクスポートしたものを、そのままAmazon Lightsailにインポートするだけではダメですか

 

さくらインターネットのWordPressをそのままAmazon Lightsailにインポートするだけでは、いくつかの問題が発生する可能性があります。以下の点を考慮する必要があります。


1. サーバー環境の違い

  • さくらインターネットとLightsailのWordPress環境は異なる。
  • LightsailのWordPressは Bitnami環境 で動作しており、デフォルトのディレクトリ構成や設定が異なる。
  • .htaccess がデフォルトで無効 になっているため、さくらの設定をそのまま適用できない可能性がある。

2. データベースの問題

  • さくらのMySQLのデータをそのままインポートすると、テーブルの接頭辞 (wp_) やデータベース名 (bitnami_wordpress) の違いで動作しないことがある。
  • 特に、siteurlhome の値を修正しないと、LightsailのドメインやIPアドレスでアクセスできない。
  • wp-config.phpデータベース接続情報DB_NAME, DB_USER, DB_PASSWORD, DB_HOST)をLightsail用に書き換える必要がある。

3. パーミッション(権限)の違い

  • Lightsailでは bitnami ユーザーが daemon グループと組み合わせて動作するため、ファイルの所有権を適切に設定しないとWordPressが動かなくなる。
  • wp-content をアップロードした後に以下を実行しないと、画像やテーマが正しく読み込まれない。
    sudo chown -R bitnami:daemon /opt/bitnami/wordpress/wp-content sudo chmod -R 775 /opt/bitnami/wordpress/wp-content

     


4. SSL証明書の違い

  • さくらでSSL(Let's Encryptや独自証明書)を使っていた場合、Lightsailで新たに取得し直す必要がある。
  • Lightsailでは bncert-tool を使ってSSLを設定し、http 懼 https のリダイレクトも自動で行う。

5. URLの変更が必要

  • さくらの siteurl(例: https://sakura.ne.jp/your-site)がLightsailの http://<LightsailのIP>/ に変わるため、データベースの wp_options を変更する必要がある。
    UPDATE wp_options SET option_value = 'http://<LightsailのIP>' WHERE option_name = 'siteurl'; UPDATE wp_options SET option_value = 'http://<LightsailのIP>' WHERE option_name = 'home';

     


6. プラグインの互換性

  • さくらの環境依存のプラグイン(キャッシュ系、バックアップ系、サーバー最適化系)がLightsail上で動かないことがある。
  • 特に、wp-config.phpDISALLOW_FILE_MODS などの設定がある場合、管理画面からプラグインをインストールできなくなる。

結論

「そのままインポートする」だけでは動かない可能性が高い。

ただし、以下の対応をすれば比較的スムーズに移行できる。

  1. データベースの修正siteurlhome の変更)
  2. wp-config.php の修正(データベース情報の更新)
  3. パーミッションの適正化
  4. SSLの再設定
  5. プラグインの動作確認
  6. htaccess 設定の見直し

上記を対応すれば、さくらのWordPressをLightsailへスムーズに移行できる。

 

 

2025年1月29日未分類

Posted by ebata