『この春の大学のゼミ集まりで、"When is your 'final defence'?"と言われて、思わず"What?"と対応してしまいました』についてChatGPTに尋ねてみた件
最終審査は"final defense"と言われているようです。審査が"defense"と言われるのに違和感があります。
はい、ごもっともな違和感です。しかし、アカデミックな英語圏では「審査(とくに博士論文の口頭審査)」を “defense(防衛)” と呼ぶのはごく一般的な慣習です。以下にその背景を説明します。
■ なぜ “defense” と呼ぶのか?
“defense” とは、**「自分の研究を審査員の質問や批判から論理的に守ること」**を意味しています。つまり、
博士号取得者にふさわしいかどうかを確認するための、知的な戦いの場
というイメージです。
■ 歴史的な背景(ラテン語起源)
この表現は、ヨーロッパ中世の大学でのラテン語に由来します。
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“disputatio”(討論)
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“defensio”(防衛)
博士候補者は、審査委員や他の学者たちの前で論文を公開し、質疑応答に応じて**自らの理論・データ・結論の正しさを「守る」**ことが求められました。この伝統がそのまま英語圏に引き継がれています。
■ defense = 「口頭試問」のニュアンス
“defense” は単なる「発表」ではなく、以下のような一連の行為を含みます:
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自分の研究成果をプレゼンする(説明)
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質問に答える(理解の深さを示す)
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批判や反論に対応する(論理性・独創性を示す)
したがって、「審査」と訳すと少し機械的に見えますが、“defense” は、自己の知的立場を積極的に守り抜く行為と理解するのが妥当です。
■ 例文:
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She is preparing for her PhD defense next month.
(彼女は来月の博士論文審査の準備をしている) -
The defense committee asked tough questions.
(審査委員会は鋭い質問を投げかけた)
■ 違和感のまとめ:
「防衛(defense)」=「知の自己証明」
日本語の「審査」よりも、「論戦」「応答責任」「最終テスト」というニュアンスが強く、博士号授与の最終関門としての意味合いが込められています。
必要であれば「口頭試問(oral examination)」という言い方もありますが、特にアメリカの大学では “(final) defense” が正式かつ日常的に使われています。