2023,江端さんの忘備録

映画とか演劇は、その内容が気に入らなくても、途中での離席がしにくい、という点があります。

One thing about movies and plays is that leaving the theater in the middle of a performance is difficult, even if you don't like the content.

以前、小劇場の演劇に言ったのですが 『テーマは稚拙、演技は怒鳴っているだけ、社会的問題に対するヒネリのない安直な批判』 という芝居を、延々と2時間半見せつけられて、疲れ果てたことがあります。

I once attended a small theater and was exhausted after being subjected to two and a half hours of a play with "poor themes, yelling acting, and cheap criticisms of social issues without twists or turns.

―― つまらない演劇は、結構な地獄

"Boring theater is pretty hellish."

私は、こういう芝居の途中に離席することを、躊躇しません。

I would not hesitate to leave my seat during a play like this.

役者や演出家のプライドを傷つけるかもしれませんが、しょうもない芝居で、私の貴重な金と時間を奪ったことと、同程度の妥当性を感じます。

It may hurt the pride of the actors and the director, but I think it is generally equal to the fact that the shoddy play took up my precious money and time.

しかし、小劇場で、私一人でも芝居の途中に離席すると、その芝居に集中している人の気分を害すると思います。

However, if I alone leave the stage in the middle of a play in a small theater, it would offend those concentrating on it.

他の観客に迷惑をかけるのは、私の本位ではありません。

It is not my intention to inconvenience other spectators.

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そこにいくと、Amazon Prime とか、NetFlixは、いい。実にいい。

Amazon Prime and NetFlix are good. They are perfect.

途中で投げ出すことがきる自由は素晴しいです。

The freedom to give up in the middle of a project is lovely.

そういう意味では、HDDビデオレコーダーの予約録画もいいです。

In that sense, scheduled recording with HDD video recorders is also good.

最近の私は、NHKの大河ドラマをスキップしながら、数分間で見てしまいます。

These days, I skip through NHK's epic dramas in minutes.

今シーズンの大河ドラマは、ちょっと創作ストーリーが斬新すぎて、見ていて苦痛を感じるからです。

The reason is that this season's big drama is a bit too original in its creative storyline, and it is painful to watch for me.

(例えば、金ヶ崎の退き口の『小豆袋』の、次女のフルマラソンシーンは、全てスキップしました)

(For example, I skipped all the full marathon scenes of the maid in the "azukubukuro" at the Kanegasaki retreat.)

とは言え、私は、あの『嫌なら見るな』という醜悪なパラダイムには、ハマりたくありません。

However, I don't want to fall into that ugly 'if you don't like it, don't watch it' paradigm.

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最近、これを解決する新しいメソッドを思いつきました。

Recently, I came up with a new method to solve this.

『嫌な部分は全部スキップ』です。

It's 'skip all the parts I don't like.

これ、なかなか行けます。斬新すぎる創作部分は、全て早送りでスキップすれば良いのです。

This is quite good. You can fast-forward and skip all the overly innovative creative parts.

この『嫌な部分は全部スキップ』メソッドは、『この私だけは、創作者や創作物に対して、非難する側に立ってたまるものか』という、私の信念に対する、ギリギリの妥協点になっているかと思います。

This "skip all the parts I don't like" method is a last-minute compromise with my belief that "I will not stand on the side of condemnation of creators and their creations."

―― 油断していると、簡単に「原理主義者」になってしまうぞ

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という訳で、最近の私は、映画や演劇に対してさえ、劇場鑑賞を躊躇するようになってきています。

This is why I have recently become hesitant to go to the theater, even for movies and plays.

劇場演劇も、「早送り」できると、いいのですが。

It would be nice if theater plays could be "fast-forwarded" as well.

2023,江端さんの技術メモ

映像テストの実験用に使っているのですが、Mozcの日本語-直接入力がサクサクできず、ちょっとした検索もできず、困っておりました。

手当たり次第、探した結果、(私の場合は)このキーに割り当たっていたようでした。

ちゃんと設定すべきところ、それすら面倒くさくて ―― 私は、これで十分です。

ましてや、SKKを入れる気力は、絶無です。

2023,江端さんの忘備録

私は、クラフトビールが好きでした。

I liked craft beer.

米国滞在中の2年間は、ほぼ毎日、地元のクラフトビールを飲んでいましたし、ブリュワリーにも通っていました。

During my two years in the U.S., I drank local craft beer almost daily and went to breweries.

先日、「マツコの知らない世界 クラフトビールの世界」という番組を見ていたのですが、日本でもマイクロブリュワリーが増えて、現在国内のブルワリーは現在約700か所あるようです。

The other day I watched a program called "Matsuko no Shiranai Sekai: The World of Craft Beer," it seems microbreweries are increasing in Japan, and there are now about 700 breweries in Japan.

以前の酒税法では、マイクロブリュワリーは成立しなかった筈です。製造が認可に必要となる製造量が大きすぎたからです。

Under the previous liquor tax law, microbreweries would not have been allowed. The reason is that the volume of production required for approval was too large.

先程、ちょっと確認してみたのですが、酒税法が改正されていました。今は、1年間で、お風呂300杯分程度のビールで認可されるようです。

I just checked quickly and found that the liquor tax law has been revised. It seems that now, in one year, about 300 baths of beer are approved.

私は、自分で作っていたくらいです(もちろん、今でも違法行為(酒税法違反)です)。

I even used to make my own (which is still illegal (in violation of the liquor tax law)).

まあ、それはさておき。

Well, let's put that aside.

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ふと、考えたのです。

Suddenly, I thought about it.

―― なぜ、クラフトノンアルコールビールが製造販売されないのか

"Why craft non-alcoholic beers are not produced and sold."

と。

『そんなマーケットがあるか?』と思われる方もいるかもしれませんが、もの凄い巨大市場があります。

You may be thinking, "What kind of market is that?" but there is a huge market.

16億人のマーケット ―― イスラム教徒向けです。

1.6 billion markets -- for Muslims.

イスラム教徒向けノンアルコールのクラフトビールの市場は、沃野な大地です。

The market for Muslim non-alcoholic craft beer is fertile ground.

ここに参入しない手はない、と思うのですが、いかがでしょうか。

I think there is no way not to enter the market here.

国内だけでも、妊婦、生活習慣病、不眠症などを理由に、ビールを楽しめないユーザは、結構多いと思うのです。

In Japan alone, many users cannot enjoy beer for reasons such as pregnant women, lifestyle-related diseases, insomnia, etc.

なにより、『酒税の支払いの必要のない営業』ができますぜ、ダンナ。

Above all, you can do business without having to pay liquor tax.

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『ノンアルコール飲料はハラルか?』という問題もあるようですし、ちょっと調べたら、もう、そういう市場もできつつあるようです ―― "ポルトガル"がぶっちりぎでシェアを占めているようです。

I've been doing a little research, and it seems that such a market is already in the making -- "Portugal" seems to have a huge share of the market.

しかし、まだ巻き返せると思いますし、日本国内にも市場はあります。

However, I think we can still roll it back, and there is a market for it even in Japan.

何より、私の為に、ノンアルコールのクラフトビールを、どうかよろしくお願い致します。

Above all, please, for me, non-alcoholic craft beer.

思わず、「アッラーアクバル!」と叫びそうになりました。

2023,江端さんの忘備録

『江端さんの最大の協力は、江端さんが"何もしないこと"だよ』

学会の主催するツアーイベントで、酒蔵を訪問した時、小さなプラスチックのコップに、試飲用の日本酒とウィスキーが用意されていました。

When I visited a sake brewery during a tour event sponsored by the Society, small plastic cups were provided with sake and whiskey for tasting.

―― せっかく準備していただいたものを、スルーするのも悪いな

"I feel bad for disrespecting what you've prepared for us."

と思いました。

I thought that.

しかし、私は、かつて「アルコール依存症予備軍(or正規軍)」でした。

However, I used to be a "reserve (or regular) alcoholic."

「上を向いてアルコール」には、その『否認のロジック』が山のように掲載されています。

これをきっかけに、アルコールを摂取しなければならない体に戻ってしまうのではないか、と心配にもなりました。

I was also worried that this would lead me back to a body that needed to consume alcohol.

しかし、

However,

―― それならそれで、コラムのネタになるな

"Then that would be a good column topic."

と、開き直って、数ミリリットルの日本酒とウイスキーを口にしました。

I became defiant and sipped a few milliliters of sake and whiskey.

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あっと言う間に、アルコールが全身に回り、フラフラになってしまいました。

In no time, the alcohol was all over me, and I was dizzy.

良い気分どころか、むしろ体が重く感じるようになり、『アルコールへの復帰』という気分からは、かなり遠いものでした。

Instead of feeling good, I began to feel rather heavy and far from a 'return to alcohol' mood.

どうやら、アルコールを楽しむ為には、ある程度、アルコールに体が順応していなければならないようです。

To enjoy alcohol, the body must be acclimated to it to some degree.

私の場合、断酒の期間が長すぎて、アルコールへの耐性を失ってしまっているようです。

In my case, I think I have been sober too long and have lost my tolerance for alcohol.

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酒を楽しめない人生は、本当につまらないし、辛い。

『酒を楽しめない人生は、人生の半分を損している』のは事実だと思いますが ―― 大丈夫です。

I think it's true that "if you don't enjoy drinking, you're missing out on half your life" -- that's okay.

人生の半分程度の損失は、日々の雑務で、簡単に担保されます。

Daily chores can easily compensate for losing about half of your life.

2023,江端さんの技術メモ

今度のターゲットはVN-H68(カメラ)です。

で、取り敢えず、RTSPを取得できるかの確認作業に入りました。

VN-H68の初期設定IPアドレスは、192.168.0.2/24 になっており、私の自宅ネットワークのIPアドレスと見事にバッティングしていましたので、カメラのMACアドレスを使って、ルータに固定DHCPアドレスとして設定しなおして、ルータを再起動させました(ルータの再起動は、いつでもドキドキします)。

問題は、RTSPで転送したデータをどうやって表示するかですが、いつも通りVLCを使おうと思ったのですが、以下が失敗例です。

rtsp://192.168.0.2

rtsp://192.168.0.2:554

rtsp://192.168.0.2:544/XXXXX(適当なファイル名)

で、結局、製品の箱に入っていたCDファイルの中の
E:\VN-H68_VN-U78\VN-H68_VN-U78_ネットワークカメラAPIガイドV1.02.pdf

の中にあった以下の記載から、

VLCに以下の設定をしてみました。

rtsp://192.168.0.2/ONVIF/Streaming/channels/0

を設定しました。

なんか、レンズの配置を間違えたのか、逆さに写っているようですが、先ずは成功です。

次は、VLCを使わずに、Gstreamerを使って、直接RTSPを受信しました。
(結構すったもんだしましたが)結果として、以下のコマンドでラズパイで表示させることができました。

$ gst-launch-1.0 rtspsrc location=rtsp://192.168.0.2/ONVIF/Streaming/channels/0 ! rtph264depay ! h264parse ! avdec_h264 ! queue ! autovideosink

  1. gst-launch-1.0: GStreamerのコマンドラインユーティリティの実行ファイル名です。1.0はGStreamerのバージョン番号で、バージョン1.0を使用していることを示します。
  2. rtspsrc location=rtsp://192.168.0.2/ONVIF/Streaming/channels/0: RTSPソースを指定しています。locationパラメータには、ストリーミング元のURL(この場合はRTSPストリームのURL)を指定します。rtsp://192.168.0.2/ONVIF/Streaming/channels/0は、カメラなどのデバイスが提供するRTSPストリームのアドレスを表します。
  3. ! rtph264depay: RTP(Real-time Transport Protocol)パケットからH.264ビデオデータを取り出すデパケット化(デマルチプレクサ)エレメントです。
  4. ! h264parse: H.264ビデオストリームを解析して必要なメタデータを抽出するエレメントです。
  5. ! avdec_h264: H.264形式のビデオをデコードするためのエレメントです。avdec_h264は、GStreamer内部で使用されるデコーダの一つです。
  6. ! queue: デコードされたビデオデータを一時的にキューイング(バッファリング)するエレメントです。これにより、デコードと表示の間でのタイミングのずれを最小限に抑えることができます。
  7. ! autovideosink: 自動的に適切なビデオ出力を選択し、デコードされたビデオを表示するエレメントです。環境によっては、X Window System上で動作するxvimagesinkなどのビデオ出力プラグインが選択されることがあります。

ちなみに

cam@cam-desktop:~$ gst-launch-1.0 rtspsrc location=rtsp://192.168.0.2/ONVIF/Streaming/channels/0 ! rtph264depay ! "video/x-h264, framerate=1/1" ! h264parse ! avdec_h264 !  autovideosink
cam@cam-desktop:~$ gst-launch-1.0 rtspsrc location=rtsp://192.168.0.2/ONVIF/Streaming/channels/0 ! rtph264depay ! "video/x-h264, width=1920, height=1080, framerate=1/1" ! h264parse ! avdec_h264 !  autovideosink
gst-launch-1.0 rtspsrc location=rtsp://192.168.0.2/ONVIF/Streaming/channels/0 ! rtph264depay ! "video/x-h264, width=640, height=480, framerate=30/1" ! h264parse ! avdec_h264 !  autovideosink
これらは、表示側の問題であって、送信元のカメラのレートコントロールはできないみたい。
送信元カメラの送信制御は、

VN-H68(カメラ)の設定方法

のほうでやる必要がある。

 $ gst-launch-1.0 rtspsrc location=rtsp://192.168.0.2/ONVIF/Streaming/channels/0 ! rtph264depay ! h264parse ! avdec_h264 ! videoconvert ! x264enc tune=zerolatency key-int-max=30 ! mpegtsmux ! srtserversink uri="srt://:12345" latency=500

  • gst-launch-1.0: GStreamerのコマンドラインユーティリティの実行ファイル名です。
  • rtspsrc location=rtsp://192.168.0.2/ONVIF/Streaming/channels/0: RTSPソースを指定しています。locationパラメータには、ストリーミング元のURL(この場合はRTSPストリームのURL)を指定します。rtsp://192.168.0.2/ONVIF/Streaming/channels/0は、カメラなどのデバイスが提供するRTSPストリームのアドレスを表します。
  • ! rtph264depay: RTP(Real-time Transport Protocol)パケットからH.264ビデオデータを取り出すデパケット化(デマルチプレクサ)エレメントです。
  • ! h264parse: H.264ビデオストリームを解析して必要なメタデータを抽出するエレメントです。
  • ! avdec_h264: H.264形式のビデオをデコードするためのエレメントです。avdec_h264は、GStreamer内部で使用されるデコーダの一つです。
  • ! videoconvert: ビデオのピクセルフォーマットを変換するためのエレメントです。必要な場合にビデオストリームのフォーマットを変換します。
  • ! x264enc tune=zerolatency key-int-max=30: H.264形式のビデオをエンコードするエレメントです。x264encは、x264エンコーダを使用してビデオをエンコードします。tune=zerolatencyは、低遅延を設定してストリーミングに適したエンコード設定を指定しています。key-int-max=30は、キーフレームの最大間隔を設定して、頻繁にキーフレームを生成し、エラーの影響を最小限に抑えます。
  • ! mpegtsmux: エンコードされたビデオをMPEG-TSコンテナにパケット化するエレメントです。
  • ! srtserversink uri="srt://:12345" latency=500: SRTストリームを送信するためのエレメントです。uri="srt://:12345"でポート番号が12345のSRTストリームを待ち受ける設定になっています。latency=500は、500ミリ秒のバッファリングを指定しています。つまり、送信時にストリームに500ミリ秒の遅延がかかります。

2023,江端さんの忘備録

『私の息子が異世界転生したっぽい』を読んで、衝撃を受けました ―― 嗚咽を堪えなければならないほどに。

When I read "My Son Seems to Have Been Reincarnated in Another World," I was so shocked that I had to hold back my sobs.

私たちは、誰しも、

We all are,

- 自分の愛する人が、現世以外のどこかに転生すると思わなければ、耐えられないほどに弱く、

- weak enough to have to believe that their loved ones will be reincarnated somewhere other than this life,

- 『苦しんでいる人に手を差し延べる』という自己満足で、自分自身を救済しようとする卑怯者である

- cowards who try to save ourselves with the self-satisfaction of "extending a helping hand to the afflicted."

ことが、残酷なまでに描かれています。

These are brutally depicted.

そして何より、

And above all,

- 子供を失った親の『慟哭』

- "Lamentations" of a parent who has lost a child

が、胸を抉ります。

That makes me break my heart.

私は、このコンテンツを、エンタメとしての異世界ファンタジーに対するアンチテーゼ ――

I grasped this content as the antithesis of otherworldly fantasy as entertainment. That means,

『現世に残された人間を取り残し放置し続けていることに対する非難』として把握しました。

"A condemnation of the continued leaving behind and neglect of those left behind in this world."

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たとえ、カルトに入信しようとも、それらは、私たちを救うことはできない。

Even if we join a cult, they cannot save us.

自分を救えるのは、結局のところ、自分だけである。

Only I can save myself, after all.

そして、そのような苦しみの中にある人たちに対して、私たちができることは、『誰も助けられない自分の無力に、憎悪し、歯軋り続けることだけ』である。

And to those suffering, all we can do is 'continue to hate and gnash our teeth at our inability to help anyone.

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という訳で、私の場合、

So, in my case,

『自分がラクになりたくて、私を助けようとする人』 ―― まあ、そんな奇特な人はいないと思いますが ――

People who try to help me because they want to make themselves feel better" -- well, I don't think there's anyone that special,

そのような方のご登場は、慎んで御遠慮申し上げます。

I respectfully ask that such persons refrain from coming to me.

―― なんだ、これなら、「幸せな来世の為に、現世で功徳を尽くせ」と主張している宗教(カルトを含む)の方が、まだマシじゃねーか

 

2023,江端さんの忘備録

一般的に、学会発表の会場では、"Coffee Break at Foyer"の時間に、ロビーで飲み物やスナックが提供されます。

The conference venue will typically offer beverages and snacks in the lobby during the "Coffee Break at Foyer."

これらを、講演会場に持ち込んで良いかは、ケースバイケースですが、『禁止』と明示されていない場合は、常識的な範囲で許されています。

Whether or not these drinks and foods are allowed to be brought into the lecture hall is on a case-by-case basis, but if they are not explicitly marked as "prohibited," they are permitted within the bounds of common sense.

とは言え、それらは、他の人の講演の合間に、喉を潤すとか、一口スナックを放り込む程度にするのがマナーです。

Nevertheless, it is good manners to keep them to a thirst-quenching or bite-snack tossed between other people's lectures.

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今回の学会会場では、革命的な事件が起こっていました。

There was a revolutionary incident at this year's conference site.

提供される飲料水の中に、"ビール"が入っていたのです。

The drinking water offered included "beer."

もちろん、普通のビールは、全てのセッションが終了した後で、講演者や聴講者の歓談の際に飲まれるものだと思いますので、その日の講演が全部終了するまでは、手にすべきではありません。

Of course, the usual beer is supposed to be consumed after all the sessions are over and during the friendliness of the speakers and audience members, so it should not be available until all the lectures for the day have been completed.

問題は、今回の学会では、ここに『ノンアルコールビール』が加わっていた、ということです。

The problem is that "non-alcoholic beer" was added to this list at the conference.

これは、私を大いに悩ませました。

This annoyed me greatly.

―― なぜ、ノンアルコールビールを駅の自販機で取り扱ってくれないの?

ノンアルコールビールの外観は、普通のビールの外観と同じです(私は、ずっと『変えてくれ』と言い続けていますが)。

The appearance of non-alcoholic beer is the same as that of regular beer (although I keep saying 'change it').

ですので、ノンアルコールビールと言えども、それを発表会場に持ち込むのは、望ましくないように思いました。

Therefore, bringing it into the presentation venue seemed undesirable, even if it was a non-alcoholic beer.

しかし、同時に、

But at the same time, I might argue that

―― ノンアルコールビールとは"炭酸飲料の麦茶"に過ぎない

"non-alcoholic beer is nothing more than 'carbonated barley tea'"

と、強弁することもできます ―― できるんです。

Well, we can do it.

(いや、絶対に、"炭酸飲料の麦茶"などではなく、限りなくビールに近い味覚です)

(Definitely not a "carbonated barley tea," but as close to beer as possible.)

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私の取った手段は、

The measures I took this time were

『ノンアルコールビールを、プラスチック容器に注ぎ、カンは手荷物の中に放り込む』

"Pour the non-alcoholic beer into a plastic container and toss the can into your carry-on."

でした。

これなら、取り扱いとしては「コーラ」や「スプライト」などの炭酸飲料と同じ扱いになるはずです ―― なるんです。

This should be handled the same as carbonated beverages such as "Coke" and "Sprite" -- This will be.

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私は、甘みがある炭酸飲料が苦手ですし、といって、ただの炭酸水は美味しくない、と思っています。

I am not a fan of sweetened carbonated beverages, and that being said, I do not enjoy just plain sparkling water.

比して、ノンアルコールビールは、ほんとうに美味しい飲み物です。

In comparison, non-alcoholic beer is a truly delicious drink.

今回の学会の主催者の方には、"Coffee Break at Foyer"にノンアルコールビールを加えたという英断に対して、心から賞賛申し上げます。

I commend the organizers of this conference for their wisdom in adding non-alcoholic beer to the "Coffee Break at Foyer."

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ただ、

However,

『Banquet(晩餐会)に、ノンアルコールビールが一本も見あたらなかったことは、少々悲しかったです』 ――

"I was a little sad that there was not a single non-alcoholic beer at the banquet."

と、最終日に提出したアンケートシートに書き忘れたので、ここに追記しておきます。

I forgot to write it on the survey sheet I submitted on the last day, so I am adding it here.

2023,江端さんの忘備録

著名な芸能人の方が自殺された、というニュースを見ました。

I saw on the news that a prominent celebrity had committed suicide.

どうやら原因の一つには、SNSによる誹謗中傷があったようです(が、現時点では、確信できるニュースソースはないようです)。

One of the causes was slander via social networking sites (but no news source seems to be certain at this time).

芸能人を含めて『表現者』と言われる人々にとって、SNSは不可欠なツールなのかもしれません。

Social networking may be indispensable for those considered "expressionists," including entertainers.

仕方なくSNSを使っている表現者の方もいるかもしれません(というか、所属事務所から業務命令されたら、逆らえないでしょう)。

Some expressionists may have no choice but to use social networking sites (or perhaps they would not be able to disobey if their office gave them a work order).

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―― 「SNSでの誹謗中傷はやめよう」とは言う人はいても、「SNSを使うのをやめよう」と言う人はいない

このような内容のコラムを書ける私は、いわゆる「小物」なのでしょう。

I guess I am what you call a "little guy" who can write a column with this kind of content.

それでも、

However,

―― しょぼい表現者であったおかげで、私は、SNSなんぞに命をかける必要がない

"Thanks to being a small-time expressionist, I don't have to put my life on the line for social networking sites."

という、幸運を実感しています。

So, I feel fortunate.

2023,江端さんの忘備録

今回参加している国際学会では、自分に「1発表-1質問」という無茶な課題を課しました。

At the international conference, I set myself the absurd task of "1 presentation - 1 question."

ですので、今回の学会全体を通じて、ざっくり30~40の質問をしたことになります。

So, I have asked roughly 30-40 questions throughout this conference.

なぜ、このような無茶な課題を課したかというと ―― 今、自分の研究が行き詰まっているからです。

The reason why I have assigned myself such a crazy task is -- I am at a standstill in my research.

ですので、

Therefore,

―― 盗めるものがあれば、なんだって盗む

"If there's anything I can steal, I'll steal it."

という、ドス黒く意地汚い思惑で、質問を繰り返していました。

My questions were repeatedly asked with the dusky and nasty intention of it.

私には、会場を盛り上げる意図はなく、ましてや、カンファレンスのチェアを助けよう、などという殊勝な気持ちは1mmもありませんでした。

I did not intend to enliven the venue, much less the auspicious desire to help the conference chairs.

『見苦しい英語であろうが、そんなこと構っていられるか』と振り切れるくらい、正直、今の私は追い込まれているのです。

I'm in a corner right now, so much so that I can't afford to be bothered with 'unsightly my English.

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今回の学会では、「江端さんは、次のセッションもご出席されますよね?」とチェアの方から、確認されることが多かったように思います。

At this year's conference, the chair repeatedly confirmed, "Ebata-san, you will attend the next session, right?"

チェアの方からは、私は『質問製造機』として期待されていたのだと思います。

I think the chair expected me to be a 'question maker."

お役に立てていたかどうかは、分かりませんが。

I am not sure if I was helpful or not.

それはさておき。

Aside from that.

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今回、私、ウェルカムパーティ兼アワードプレゼンテーション(表彰式)で、食事を食べた後、速攻で離席して、宿泊先のホテルに戻りました。

This time, I left the Welcome Party and Awards Presentation as soon as I ate my meal and returned to the hotel where I was staying.

次の日に予定されていた、私の講演の資料の修正と、発表練習をしたかったからです。

Because I wanted to revise my presentation material and practice my presentation, which was scheduled for the next day.

ところが、翌日の朝、レセプションデスクの所に張り出されていたボードで、私の論文の受賞を知り ―― 真っ青になりました。

However, the next morning, I saw a board posted at the reception desk and knew that my paper had won an award -- so I turned pale.

『アワードプレゼンテーション(表彰式)で、私の名前が呼ばれた時、私はその場にいなかった』からです。

That means I was not there at the awards presentation ceremony when my name was called.

本当に申し訳なくて、運営を担当されている方に平謝りして、その表彰状を頂いてきました。

I was sorry and apologized flatly to the person in charge of the operation and received that certificate of commendation.

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嫁さんとの会話です。

This was a conversation with my wife.

江端:「事前に、メールで授賞の連絡してくれれば、このような失態を晒さなくて済んだんだけどなぁ」

Ebata: "If they had informed me of the award in advance by e-mail, I wouldn't have had to make this blunder."

嫁さん:「いや、それ以前に、人として、表彰式を途中離席するな」

Wife: "No, before that, as a human being, don't leave the awards ceremony halfway through."

と、嫁さんに嗜められました。

My wife chid me.

『英語に愛されないエンジニアの、国際学会プレゼンテーションのリアル』