2011,江端さんの忘備録

先日(3月23日)、福島原発の事故の影響で、東京都の浄水場の水道水から、乳児の摂取制限の規制値を超える放射性ヨウ素が検出されました。

このニュースの第一報は嫁さんの実家からの電話で知りました。

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警告があったのは1歳未満の乳幼児であり、それ以外の子供や大人は、警告対象外だったのですが、嫁さんが、その1時間後にスーパーマーケットに行ったところ、すでに、ミネラルウォータは完売。

お茶のペットボトルがかろうじて手に入る程度だったそうです。

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基本的に利己主義で凝り固まった私ですら、『これは、よろしくないぞ』と思った次第です。

ミルクを作る為に、水だけは、乳幼児に残しておかなければ。

乳幼児以外は、原則として害はない(という発表のよう)のだし、我々の水分摂取は、お茶でもジュースでも何とでもなる。

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しかし、これからのことを考えると、1キロあたり300ベクレル以上の水質汚染が行われることは、十分にありえます。

しかし、放射性ヨウ素は半減期8日と短いので、連続して300ベクレル以上が毎日連続して続く可能性は低いと思います。

とすれば、暫くの間は、少し前に購入した水分で過せば良いということです。

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問題は、食事です。

もっとも原材料をそのまま齧っていれば、生命を維持するのに何の問題もないのですが、ガスや電気に問題がないなら、できるだけ日常の生活を維持したいと思うのは人情です。

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水分はある。

しかしそれは「水」ではなく、「お茶」であったり「オレンジジュース」であったり、あるいは「コーラ」であったりする。

では、「水」以外のもので、食事を作ったらどうなるか?

これは興味深い研究テーマです。

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本日は、第一回の実験結果を報告します。

実験テーマ:

「お茶」で「うどん」を作る

実験プロセス:

麺つゆを、水ではなくお茶(今回は、パック麦茶)で作るだけ。なお、出汁には「追いがつおつゆ」を使ってみた。

実験結果:

味は悪くなかった。麺つゆにお茶の渋みが加わって、なかなか深い味わいとなった。念の為、普通の水を使ったうどんとも食べ比べてみたので、決して誇張したり捏造した結果報告ではない。

考察:

今回は麦茶を使用したが、緑茶であれば、更に良い味になったと思われる。

今後は、

○お茶を使ったインスタントラーメン、

○コカコーラを使ったカレーライス、

○オレンジジュースを使ったビーフシチュウ、

も追加して検証をしてみたいと思う。

が、私個人では限界があるので、本研究の共同研究者同志諸君を募りたい。そして、結果をどんどん私に報告して欲しい。

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結論:

日本の大人達。腹を括れ。

我々は汚染された土地と水の中で生きていくのだ。

それには、なにより、先ず子供達を守ることが必要だ。

「お茶」で「うどん」は作れる。

しかも、旨い。

2011,江端さんの忘備録

1.背景

(1)先日(3月23日)、福島原発の事故の影響で、東京都の浄水場の水道水から、乳児の摂取制限の規制値を超える放射性ヨウ素が検出さた。

(2)当該検出された放射性物質は、乳幼児以外には深刻な影響を与えるものではないにも関わらず、東京ではミネラルウォータの買占めが発生した。

(3)かかるミネラルウォータは、乳幼児の授乳用のミルクに不可欠であるので、かかる買占めを行うべきではないが、将来、成人をも対象とし得る水質汚染が発生する可能性は否定できない。

2.研究の目的

(1)本研究の目的は、2011年03月26日に報告した研究報告『「お茶」で「うどん」を作る』の続報である。

(2)今回は、甘味系清涼飲料水の中でも、最もクセがあり強烈な甘味と刺激を有する「コーラ」を用いて、我が国の代表的料理である「カレー」を製作し、その食用性の成否について検討したものである。

3.結論

「コーラ」で製作された「カレー」は、食用に耐えない。

4.実験経緯

(1)カレー製作のプロセスにおいて「水」の代りに、同量の「コーラ」を使用すること以外に、特記する事項は特になし。

(2)カレールーを入れる前の段階までは、甘味の鶏肉の野菜煮込み風味であり、新しい料理への可能性が示唆されたと考える。

(3)但しこの味付は、報告者の人生において体験したことのない最初の味覚であり、これまでのいかなる料理とも比類し得ない、新規なる珍味であった。

(4)カレールーを入れて、さらに砕いた唐辛子を入れて、コーラの甘味に対抗しようとした。味見を続けている内に、米国のコロラドで食した酢豚を覚醒させるに至った。

なお米国においては、豚をジャムに合わせる調理が一般的であり、また一般的ではないが、御飯にイチゴジャムを乗せて食すという若者もいる(見た)。

(5)コーラで食材を煮たてると、水分が相当早く失われるようであり、止むなく、追加してコーラを追加させたが、この段階から、本格的な味の崩壊が始まったと推認される。

(6)完成したカレーは約4人分。小皿に取って何とか一皿を試食したが、とてもライスと合わせて食せるものではなかった。その理由について以下に考察する。

(a)まず、視覚はこの料理を「カレー」と認識するが、味覚は「カレーではない」と拒否する。

(b)脳は、過去のデータベースに基づいて、この料理に最も近い料理を検索するものの、事例を発見できず情報処理機能が破綻する。

(c)脳は、観念から「けっしてマズくはないが、このコーラが煮つかったカレーような物体は何だ?」と問い、各種の消化器に対して、食材を拒否する指令を出す。

(d)これは一種の「嘔吐感」と呼ばれるものと類似の生体反応であったことを、研究者としての報告者は否定してはならないであろう。

5.考察

(1)甘味系飲料(特にコーラの様に甘味が強烈なものは)、例え辛味系食材であったとしても対抗できない。少なくともコーラは、全ての食材の味を破壊すると考えて差し支えないであろう。

(2)しかし、(これは負け惜しみではなく)「お茶」であれば、カレーは問題なく成功したと考える。要するに、料理の最大の障害は「甘味」であると推認される。

(3)我々は非常用飲料水として、(「水」が望ましいことは言うまでもないが)可能な限り、甘味系飲料水を避けるべきである。甘味系でなければ、震災時、被災時にも、応用性の高い使用(料理への転用)などが可能である。

(4)上記について、特に国、地方自治体、NPOの各種団体に対して、強く勧告するものである。

以上

2023,江端さんの忘備録

メンタルヘルスに対する研究や理解は、日々進んでいると思います。

I believe that research and understanding of mental health is advancing every day.

もちろん、まだまだ十分ではないことは分かっています。

Of course, I know that it is still not enough.

メンタル疾患が誰にでも簡単に発生することは、「自分」で理解しています。

I understand that mental illness can quickly occur in anyone.

加えて、私は、メンタル疾患の被害者でもありますが、加害者でもあったという自覚もあります。

In addition, I am aware that I have been both a victim and a perpetrator of mental illness.

私なら、『今でも報復を諦めていない』くらいのことは言うと思う。

現在のメンタルヘルス研究は、『加害者としての自己』という観点がスッポリ抜けているような気がします。

I feel that current mental health research is missing the perspective of 'self as perpetrator.'

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私、最近、

I recently, want someone to try

―― 歴史上の人物(特に日本史)における、特に戦国武将のメンタル疾患についての研究

"Research on mental illness in historical figures (especially Japanese history), especially warlords of the Warring States period"

を、誰かにやってもらいたいと思っています。

一応、Google Scholarで調べてみたのですが、ドンピシャと思われる研究論文は見つけられませんでした。

In the meantime, I checked Google Scholar but could not find any research papers that seemed to be downloadable.

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YouTubeで、大河ドラマのビデオクリップを見ているのですが、戦国武将の日常は、殺戮と裏切りと身内の粛清のオンパレードです。

I have been watching video clips of the Taiga drama on YouTube, and the daily life of the warlords was a parade of carnage, betrayal, and purges of their team.

そんな状態で、「武士道」だの「武人の誉れ」などと、綺麗ごとを言えるメンタルが、全然理解できません。

In such a state, I cannot understand the mentality of having said beautiful words such as "bushido" and "honor of the warrior."

ダブルスタンダードもいいところです。

That was typical double standards.

戦国武将は、多重人格障害をデフォルトで持っているとしか思えないです。

I can only assume that warlords have dissociative identity disorder by default.

私は、日本でもっとも著名な戦国武将について『双極性障害』であったと決めつけていますが、他の戦国武将はどうだったのかなぁ、と興味があります。

I have determined that the most famous warlord in Japan was "bipolar," but I am curious to know what other warlords were like.

―― 何やってんだろうなあ、桶狭間合戦場跡は

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限られた歴史文献だけを使って、戦国武将たちのメンタルを推定する、というのは、相当難しい研究だとは思います。

I think it is quite a problematic study to estimate the mentality of warlords using only limited historical documents.

しかし、その研究は、現在の私たちのメンタル疾患の治療法に寄与する、と思っています。

However, I believe the research contributes to treating our mental illnesses.

2023,江端さんの忘備録

ここ2~3日は、食事を取ることすら、面倒です。

昨日の続きなんですけど、

This is a continuation of yesterday's story,

―― 大麻というのは、疲れ果てて、何もやる気がでないサラリーマンにも効きそうですか?

"Does marijuana seem to work for exhausted business people who are not motivated to do anything?"

と、某大学の運動部の方にインタビューしたいです。

I want to interview a certain university athletic department.

皮肉でも、批判でもなくて、「本気」です。

I am not being sarcastic or critical, but I am "serious."

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使用の予定はないんですけど、『ラストラインに大麻がある』と思うことでこの状態を踏ん張れるならいいな、と思っています。

I don't plan to use it, but I hope that thinking 'there is marijuana on the last line' will help me trudge through this situation.

大丈夫。

It's OK.

サラリーマンが大麻を使用すれば、それだけで、社会人としては終わりです(日本では違法行為です)。

If a salaryman uses marijuana, that is the end of a business person (it is illegal in Japan).

大麻を使う前に、仕事を辞めてしまえばいい ―― と考えられる程度には理性は残っています。

I am still rational enough to think I should quit my job before using marijuana.

『コロラドに戻る』という手もあるかなぁ、とか考えています。

I'm thinking about the possibility of 'going back to Colorado.'

―― 大麻を試したいなら、なぜ、栽培、乾燥、製粉までの全行程を、DIYで実現しようとしないのか?

2023,江端さんの忘備録

最近、これまで見たことがないような減量が続いています。

Recently, we have been experiencing weight loss like we have never seen before.

基本的には、難しい仕事が、同時に3つ落ちてきて、常に疲労を感じ、睡眠が浅く、なにより

Three complex tasks fell upon me simultaneously: I felt constantly tired, my sleep was shallow, and most of all,

―― 食欲がない

"Lack of appetite"

自分がやりたい仕事ではなくて、他人からやらされる、または、自分に意義が見えない仕事は、本当に辛く、メンタルをやられます。

Work that others make you do or work that you do not see the significance in is complex and can cause mental damage.

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ここ2~3日は、食事を取ることすら、面倒です。

Even getting a meal has been a chore for the past couple of days.

しかし、食べないと、さらに体調が悪くなっていくことは、以前自分でも調べました。

However, I have previously investigated that I will become even sicker if I don't eat.

まあ、仕事→ストレスは、時間とともに解決することがあるので、現在は様子見ですが、あまり長く続くようであれば、気力のある内に手を打たないと、と思っています。

Well, work -> stress can resolve itself over time, so I am currently waiting to see how it goes, but if it continues for too long, I will have to do something while I have the energy to do it.

『限界で叫んでも、手遅れ』は、私が娘たちに言い続けたことですからね。

Because 'screaming at the limit, but it's too late' is what I kept telling my daughters.

でもね、「本日中の復旧断念」というアナウンスを、今(23時)に出して、どーする。

2014,江端さんの忘備録

私はかねがねから、家族に対して、

I always tell my family that

「痛みが100%になってからでは遅い。70%の段階で『叫べ』」と言い含めています。

When you feel pain, cry to me at the 70% level. It is going to be late after at 100%.

100%では手遅れになるからです。

It must be too late at 100%.

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こんにちは。小田急電鉄さん。

Hello, Mr Odakyu-Dentetsu.

「脱線事故は23時に復旧予定」というアナウンスに、私は文句を言うつもりはないのですよ。

I don't have any intention to complain about your announce, "the derailment accident will recover by 23:00"

事故のない制御システムはないし、未来は常に分からないものです。

There is no control system without accident, and nobody knows the future.

でもね、「本日中の復旧断念」というアナウンスを、今(23時)に出して、どーする。

Mind you. What do you expect me with releasing your announcement of "abandoned the recovery in today" at 23:00?

例えば、「本日中の復旧は無理かもしれません」と、2時間前の21時に言ってくれたら、私には、打てる手があったかもしれません。

For example, if you had told me, "the recovery today might be impossible," at 21:00, I could have to do something to go home.

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しかし、遅着遅延がデフォルトの小田急電鉄が、この程度のことに気がつかない訳がない。

I thought Mr.Odakyu-dentetsu, whose delay and late arrival were usual, had no reason to notice such tips.

当然、このような戦略には、当然、「裏」があると考えてしかるべきであろう。

I think that Mr.Odakyu-dentetsu used this strategy because of another reason.

しかし、それは何だろう?

I don't know the tip.

それを考えながら、今日は寂しく一人オフィスの椅子の上で仮眠でも取ることにしましょう。

Thinking of this tip, I am going to take a nap on my chair this night.

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にしても、その理由が、

If the reason was based on

『脱線事故が、半日やそこらで復旧すると信じている、間抜けな人間なんぞは、救出しなくて良い』

"We don't have to save foolish people who believe in the recovery against derailment accident.

という考えに基づくものであるなら、私は激怒できないし、してはならない。

I cannot rage. I should not rage.

激怒というよりは、「なるほど、私は間抜けだ」と納得しなければならないでしょう。

Rather than raging, I have to accept my foolishness.

私は、ただの利用者ではなく、制御システムの研究員です。

Because I am a control system engineer rather than an ordinal users

制御システムに通じている人間なのですから、「その事故のインパクトを見抜けなかったのか」、と指摘されたら、グウの音も出ません。

I am familiar with control systems, so when you pointed out, "could you see through the impact of the accident?" I was lost for words.

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『ふーん、5時間で脱線事故を復旧させるのか。最近の鉄道の復旧力って、凄いのだなー』

"Hmm. The railway company can recover from a derailment accident in just five hours. It is great."

と、素直に感心していた「馬鹿」が、ここにいます。

Who was impressed with the "idiot" here?

2023,江端さんの忘備録

私のコラムを読んで頂ける人には自明でしょうが、私はフォーマットを気にせず文章を量産するタイプです。

As should be evident to readers of my columns, I am the type of person who mass-produces sentences without regard to format.

『文章は、原則、未来の自分の為に作成し、運が良ければ他人の役に立てばいい』が、私のポリシーです。

My policy is, "As a rule, I create my writing for my future self, and if I'm lucky, for the benefit of others."

体裁を気にして、記載量を減らすくらいなら、体裁を無視して、残しておけるものは残しておく方がマシ、と考えています。

It is better to ignore formats and keep what I can leave than to reduce the information with care in the formats.

もっとも、これに対して真逆の考え方もありますし、それはそれで意義があります。

There is, however, an opposing view to this, and it is significant.

まあ、これは「ミーイズム(自己中心主義)」と「コスモポリタリズム(世界市民主義)」の違いとも言えるかもしれません。

Well, one might say that this is the difference between "me-ism (self-centeredness)" and "cosmopolitanism (world citizenship).

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私がフォーマットを病的に気にするのは、通信プロトコルのプログラムぐらいですかね。

The only thing I am morbidly concerned about formatting is communication protocol programs.

たった1ビットのプロトコルエラーで、通信ができなくなるからです。

This is because a protocol error of just one bit will result in the loss of communication.

つまり、フォーマットを厳密に守らないと1mmも動かせない世界では、そうせざるを得ないのです。

In other words, in a world where we can't move a millimeter without strict adherence to a format, we must.

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『世界が(緩くて、雑な)私のポリシーのフォーマットに合わせてくれればいいんだけど』と思うことはあるのですが ―― こればかりは、どうしようもないです。

'I wish the world would adapt to my (loose, messy) policy format' -- but I can't help myself with this one.

それでも、"ちんけ"な研究員&エンジニアには、"ちんけ"なりの人類への貢献方法があるんですよ。

2023,江端さんの忘備録

私は、「風評被害」と「健康被害」を説明するパラダイムとして、故小田島隆さんのエッセイを引用することが多いです。

I often cite the late Takashi Odajima's essay as a paradigm to explain "harmful rumors" and "health hazards."

(1)ハエが止まったケーキは、それを目撃した後に即時に食べれば、健康被害は絶無です。

(1) A fly-stopped cake poses no health hazard if eaten immediately after witnessing it.

(2)問題は、その「健康被害の絶無のケーキ」を、どれだけの人が食べられるか、です。

(2) How many people can eat that "cake with absolutely no health risks"?

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中国は日本と同レベルまたはそれ以上の放射性濃度の原発の処理水を海洋放出しています。

China has been discharging into the ocean treated water from nuclear power plants with the same or higher levels of radioactivity than Japan.

ただ、中国の原発の処理水は、「通常の原発運用」によるものです。

However, the treated water from China's nuclear power plants is from "normal nuclear power plant operations."

比して、今回、我が国の処理水は、「原発事故」によるものです。

In comparison, the treated water in our country this time is due to a "nuclear accident."

エンジニアとしての私は、上記の2つに差がないことを「科学的」には理解しているつもりです。

As an engineer, I believe I understand "scientifically" that there is no difference between the above two.

しかし、もしかしたら、上記の2つには、今現在分っていないとんでもない『違い』がある可能性を、100&否定できるものでもありません。

However, the possibility that there may be a tremendous "difference" between the above two that we do not currently know about cannot be 100% denied.

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忘れてはならないのは、我が国は「原発事故による処理水」という「ハエ」を作ってしまったということです。

We must not forget that our country has created a "fly" called "treated water from nuclear accidents."

この「ハエ」を誰が作ったのか、そして、誰がその責を負うべきなのかについては、今日のところは論じません。

I will not discuss today who created this "fly" and who is to blame.

しかし、私たち日本人は、このことを忘れてはならないとは思うのです。

However, I do not think we Japanese should forget this.

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ちなみに、私(江端)は、ハエが止まったケーキを、それを目撃した直後に食べたことがあります。

By the way, I (Ebata) once ate a cake that a fly had stopped on.

全く抵抗ありませんでした。

There was no psychological resistance at all.

風評被害を作ったのは誰か

2011,江端さんの忘備録

今や「日本」から来たもの、というだけで、日本産の食料だけでなく、日本製の機械までもが、放射能汚染されていると世界中で認識されているようです。

世界の大きさから見ると、日本の国土の広さは「点」として認識される程度でしょう。

その「点」の中で発生した原発事故に対して、世界が「日本」から出てくるものを、十把一絡げに「汚染物質」と見なすことは、ある意味無理はないと思えます。

日本の位置を知っている人は、相当の教養人。

日本の首都は、「北京」と思っている米国人はいる。

「福島」なんて場所、絶対に知らないと思う。

我々にしても、中国の毒入り餃子事件等や、その他の汚染食料問題に関してですら、我々は、あの広大な中国大陸を「点」として見て、中国産の食べ物を忌避していましたよね。

結局は、どの国の人間も同じことをしているだけです。

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小田嶋隆は、風評被害を実に上手く表現しています。

それは、「ショートケーキのクリームの上に、一瞬ハエが乗ったケーキ」の様なものであると。

ハエが乗った直後のケーキは、概ね無害ですし、ハエが乗ったことに気がつかなければ、多分、皆、そのケーキを食べていると思います。

しかし、我々は敢えてそのケーキを食べない。

なぜなら、別のケーキを食べれば済むからです。

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理性や論理は「安全」であると知っていても、そこに「不信感」があれば、それは、ケチのついた安全(これを「安全'」と記載する)となります。

そして、我々は、その「安全'」を敢えて選ぶ冒険をしない。

なぜなら、生産者や製造者を除いて、我々には別段、不都合はないからです。

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電力会社や政府は、

○SPEEDIのシミュレーション結果を隠し、

○レベル7を隠し、

○メルトダウンを隠した

『まだ何か隠しているだろう』と考えるのは、人情だろうと思います。

我々は、政府のいう「安全'」、

つまり

「ハエが乗ったかもしれないケーキ」

を食べるには、騙され過ぎたのです。

2023,江端さんの忘備録

私は、他人へのアドバイスをしない人間ですが、特に「恋愛」に関しては、絶対しません。

I am a person who never advises others, especially when it comes to "love affairs."

なぜなら、「恋愛」が「ロジック」の対義語だからです。

This is because "love affairs" is synonymous with "logic."

あんな非線形でやっかいなもの、相談されても答えようがありません。

Even if I were consulted, there is no way to answer such a non-linear and tricky question.

まあ、多くは語りませんが、以前、人の恋愛相談に巻き込まれて酷い目にあった、という過去もあるからですが。

Well, I won't say much, but I have a history of getting involved in people's love affairs and having a terrible time in the past.

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もし『彼/彼女と心中したい』と相談されれば、苦しみが少ないと推定される自殺方法を教えてあげるつもりです。

If they ask me for advice on how to kill themself, I will tell them about a suicide method that is presumed to cause less suffering.

または、「心中相手だけを死なせる」という事件を何度も繰り返した、くそったれな日本の文豪の話でもしてやろうと思います。

Or, I could tell you about a damned Japanese writer who repeatedly "let only his heart partner die."

まあ、家族でもない赤の他人が何しようが、私は構いません。

I don't care what strangers who are not family members do.

「その男性をずっと見守って、ホームから落ちていく様(さま)を、じっくりと観察する」