2023,江端さんの忘備録

この本を見つけた時に思いました。

When I found this book, I thought,

―― これは、私のために書かれた本である

"this is a book written for me"

と。

『「キューバ危機」を「マルチエージェントシミュレータ」で検証する』

"Examining the 'Cuban Crisis' with a 'Multi-Agent Simulator'"

この本に相応わしい読者が、この世に「私」以外にいようか。

Who else in the world would be a suitable reader for this book but me?

映画「Fukushima 50」を見た結果が、「13デイズ」と同じようなこになったら、どうしよう ――

ただ心配だったのが、「マルチエージェントシミュレータ」に関する技術的内容でした。

The only concern was the technical content regarding the "multi-agent simulator.

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例えば ――

For, example,

■『AI』とか『人工知能』とかを表題に含む書籍の多くが、AI技術に関して恐しいほどのデタラメを記載していること

- Many books with "AI" or "Artificial Intelligence" in the title contain frightening bullshit about AI technology.

■そのような本の著者の「AI技術に対する理解」が、お話にならないものほど杜撰(ずさん)なものであること

The author's "understanding of AI technology" of such books is so sloppy that it is hard to talk about it.

を、私はよく知っているからです。

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とは言え、この本を購入しなければ、それを確認することもできませんので、購入ボタンを押しました。

However, without purchasing the book, I would not be able to check it out, so I pressed the buy button.

到着したばかりの本を、手当たりしだい眺めていたのですが ―― 安心しました。

I was looking at a handful of books that had just arrived -- a relief.

一目で、『この本は、ガチだ』と分かりました。

At first glance, I knew, 'This book is the real deal'.

この本、これから時間をかけて、大切に読んでいこうと思っています。

I am going to take the time to read this book with great care.

2019,江端さんの忘備録

(昨日の続きです)

(Continuation from yesterday)

我が家では、娘が、仕事中の私の書斎に入ってきて、「相談ごと」を持ちかけくることがあります。

My daughters sometimes ask me to listen to their problem, even when I am working in my room.

相談ごと、といっても「金の無心」とかではありません。

The "problem" is not beg me for money.

私は、『お前に渡す金があれば、私は、RTKシステム用の送受信機を購入する』と言い放って、かつ、その通りに実施してきた人間です。

In my case, I always say "I will buy TX and RX devices of RTK system, even if I have money for you", and actually I have done it.

ですので、娘たちは、私に、そういう相談はしてきません。

So they don't approach me with such a problem.

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ところで、ちょっと話はズレますが。

Changing the subject,

次女に聞いたところでは、『娘にプレゼントに欲しいものを尋ねて、それを買い与える』という奇特な父親がいるそうです。

In the world, there are some strange fathers who "ask their daughter what she wants as a present, and buy and give it to her "

私は100回生まれ変わっても、そういう父親になることは、期待できそうにありません。

Even if I get reincarnated 100 times, I will not be able to be such a father.

私の場合、「安全」「教育」「自己啓発」「トラブル」以外については、

My basic policy is "fight and get what you want by your own"

『自力で闘って、奪い取ってこい』

except for "safety","education", "self-development" and "troubles"

が基本方針です。

閑話休題。

to return.

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娘の相談ごとは、「キューバ危機」「文化大革命」「デザイナーズベイビー」のような具体的なネタが多いようです。

My daughter's problems are relatively practical topics, for example "Cuban Crisis", "Proletarian Cultural Revolution" and "designer child".

条件によっては、娘の宿題のレポートの代筆をすることもあります。

If conditions permitted, I will write a report of homework for her.

私は娘に、手提げ袋(ブランドバックとも言う)なんぞに、1円も出すつもりはありません ―― が、

I don't intent to pay for briefcase (called "branded goods") at all, however,

無茶な量の宿題を、無茶な締切で命じてくる、パワハラ教師に対しては、娘と『共闘』できます。

I can struggle jointly against a power harassment of teachers, who order a homework of nonsense mount and deadline.

―― 「プロの研究員のレポート」を、その教師のツラに叩きつけてこい!

"Slap the teacher in the face by "the report written by a professional research engineer""

と言って、レポートを娘に手渡します。

and, I hand the report to her.

この他には、「進路」とか「ライフスタイル」のような、抽象的な相談を受けることがあります。

I am also asked by her to discuss abstract issues like, "career options" or "life style"

私は、この手の相談に対しても、できるだけ具体例で語ることにしています ―― 自分の経験の範囲内で、ですが。

According to these case, I will tell her operative examples, which are, of course, within my previous experiments.

(続く)

(To be continued)

2015,江端さんの忘備録

(昨日の続きです)

(Continuation from yesterday)

話を戻しまして、

Back to the board.

NHKスペシャルの中で、突出して凄いタイトルは、「7月の悪夢 キューバ危機」だと思うのですが、その次に挙げろと言われれば、

I think the best content of "NHK Special" is absolutely "Nightmare in July, Cuban Crisis", and if I can pick up the second prize, it must be

「映像の世紀」

"A century of movies"

ですよね。

先日知ったのですが、このデジタルリマスター版が、今年の9月にBSで放送されていたそうじゃないですか。

The other day, I happened to know "this digital re-mastered revision had broadcasted in a BS channel in this September.

―― なんてこった!

"Oh my god! "

私は見逃してしまいました。

I lost out on them.

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なんで、「映像の世紀 デジタルリマスター版の放映」という、全世界を震撼させるニュースが、テレビのニュースや新聞の三面トップに出てこなかったのか?

I don't understand this big news of "broadcast of the digital re-mastered revision of "A century of movies"", that shocked us around the world, had not released on the TV news program and newspapers.

今なお、全く理解できないのです。

まったく、マスコミは、役に立たん奴です。

I am afraid that mass media is really useless.

2009,江端さんの忘備録

「NHKスペシャル 十月の悪夢―1962年キューバ危機・戦慄の記録 (NHKスペシャル)」注文してしまいました。

ですから、私は今年は、飲み会に出ません。

年齢傾斜配分を使った支払いであれば、100%出席しません。

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私が飲み会に出席するモチベーションは、「エッセイのネタを拾えるかどうか」です。

上司の悪口、会社の体制批判、誰ぞの結婚話などという陳腐な話題で構成される、退屈で愚劣な飲み会などには興味はありません。

最近、参加して、『元を取ったな』と思われるネタ提供には、以下のようなものがありました。

○我が社を宗教法人化して、現在の研究所を「宗教研究所」とする構想。

『技術で社会に貢献するH社』から、『宗教で社会に貢献するH社』への定款の変更。

研究所のそれぞれの部は、例えば、「第1部 人工知能研究ユニット」は、「イスラム教部、シーア派ユニット」、「第6部 ユビキタス端末ユニット」は、「仏教部 祭典仏具部開発ユニット」と、研究内容を変更。

それぞれのユニットが原理主義を掲げて、他のユニットに宗教戦争をしかけないように、現在の「総務部 管理部門」が、政教分離を規範とした「思想自衛団」を担当。

と、まあ、この程度のネタを提供してくれる飲み会であるなら、傾斜配分の支払いを認容する準備があります。

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という訳で、私は静かに刺身を摘みながら、課全員の、「ネタ提供力」を、きっちり見ています。

「ネタ」に新規性や進歩性がない若い研究員の査定は、相当下ります。

# ボーナスや昇進には何の影響もありませんが。

閑話休題

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Amazonってやっぱり凄いと思うんですよ。

私がこのDVDの予約を完了した段階で、お勧めリストに出てきたDVDが、

『ニュールンベルグ裁判 [DVD]』

うーん、なんでここまで判ってしまうのか。

衝動買いの衝動抑えるのに、どんだけ大変か。

しかも、あの『東京裁判(DVD)』を私が所有しているのかを、まるで知っているかのように、その広告は打ってこない。

おそるべし、Amazonのピンポイントターゲティング広告能力。

この分野の研究は『撤収』が正しいと思いますが、いかがでしょうか。弊社の方々。

2020,江端さんの忘備録

映画"Fukushima 50"を見に行くべきか、行かないべきか、で悩んでいます。

I'm wondering whether to go to the movie "Fukushima 50" or not

というのは、こんな理由があるからです。

This is because of these reasons.

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"NHK Special October Nightmare-Record of the Cuban Crisis and Horror of 1962 (NHK Special) (1992)" (pictures out)

この番組は、私に衝撃を与えました。

This program shocked me.

It is no exaggeration to say that this program created me today as a "simulation maker"

DVDも購入し、少なくとも30回以上は、視聴しました。

I also bought DVDs and watched them at least 30 times.

その後も「キューバ危機」については勉強を続け、今では、この事件の発生から終結まで、いつ、どこでも、誰にでも、プレゼンできる程度には知識を持っていると自負しております。

After that, I continued to study about the "Cuba Crisis" and now I am confident that I have enough knowledge to present to anyone, anywhere, anytime, from the start of this accident to the end.

問題はその後です。

However another problem occurred.

私は、ケビンコスナー主演の映画「13デイズ」(2000)を見にいって、激怒しながら、映画館から出てきたのを覚えています。

I remember coming out of the cinema, furiously, after watching the movie "13 Days" (2000) starring Kevin Costner.

深みがない、中身がない、薄っぺら、 軽薄で軽率、熟考していない、短慮で短絡 ―― ありとあらゆる罵詈雑言を唱えながら、帰宅したのを、よく覚えています。

"No depth, flimsy, frivolous rash, not contemplating, and short thought", I remember going home while saying all kinds of abusive language.

ええ、分かっています ―― 今回も、「間違っている」のは「私」です。

Yeah, I know well. Again, "I" am "wrong".

映画は、大衆向けのエンターテーメントです。

Movies are mass entertainment.

多くの人が分かりやすく、受けいれやすく、楽しいものでなければなりません。

For many, movies should be easy to understand, accept, and enjoy.

私のように、「キューバ危機」について、いつでも100ページくらいのコラムが書けそうな、「特殊」な人間をターゲットとして映画を作成したら ――

If they create a movie targeting a "special" person who can write a column of about 100 pages at any time about the "Cuba Crisis" like me,

その映画は、興行としては大失敗となっていたでしょう。

The movie would have been a huge failure for box office.

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さて、私、福島の原発事故については、かなり調べました。

By the way, I investigated the Fukushima nuclear accident.

おそらく直接の事故関係者ではなくて、福島原発事故調査委員会の報告書(600ページ以上)の全てに目を通した、数少ない人間の一人である、と自負しております。

I am proud to be one of the few people who have probably read the entire report (over 600 pages) of the Fukushima Nuclear Accident Investigation Commission, in spite of not directly involved in the accident.

古橋洋一さんの「カウントダウン・メルトダウン」を3回は読みなおしました。

I reread "Countdown Meltdown" by Yoichi Furuhashi three times.

(ちなみに、高村薫さんの「神の火」は、確実に100回以上は手に取り続けてきた、と断言できます)

(By the way, about Kaoru Takamura's "God's Fire", I have definitely read the book more than 100 times.)

福島原発に関するNHKスペシャルは、全て視聴しましたし、

I watched all NHK specials related to Fukushima nuclear power plant,

I am also the author of the accident commentary column from an engineer's perspective.

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映画「Fukushima 50」を見た結果が、「13デイズ」と同じようなこになったら、どうしよう ――

"What if the result of watching the movie "Fukushima 50" is similar to "13 Days""

そう思うと、映画館に行くことを躊躇してしまうのです。

I will hesitate to go to the movie theater.

せっかく映画を見にいくなら、楽しみたい。

If I go to a movie, I want to have fun.

映画を見にいって、腹を立てて帰宅することだけは避けたい。

I don't just want to go to the movies and get angry and go home.

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そこで、お願いがあります。

So I would like to ask you.

映画「Fukushima 50」が、江端にとってプロパーかどうかを、個人的に、主観的に、独善的に、教えて下さいませんでしょうか。

Could you tell me personally, subjectively and self-righteously whether the movie "Fukushima 50" is proper for Ebata?

私がこれまで記載してきた、膨大な雑文からご判断頂ければ幸いと存じます。

I hope you can judge it from the huge number of miscellaneous sentences that I have described so far.

何卒、よろしくお願い申し上げます。

I appreciate your kind cooperation.

2023,江端さんの忘備録

物事を最速で片付ける方法は、

The fastest way to get things done is to that

『デタラメ、適当、いい加減でも全然構わないので、とりあえず1度、最後まで完成させる。絶対に"完璧"を目指さない』

"It doesn't matter if it's a bullshit, appropriate, and lax job, just complete it once, and never aim for perfection"

です。



英語の文書作成は“コピペ”で構わない

で、今、その『デタラメ、適当、いい加減』なペーパー(論文)の初版を完成させました。

And now, I have just completed the first edition of that "bullshit, appropriate, and lax" paper (thesis).

午後からは『デタラメ、適当、いい加減』なプログラムの作成に着手します。

In the afternoon, we will start working on a "bullshit, appropriate, and lax" program.

今夜は、『デタラメ、適当、いい加減』な内容の、期末の報告書のドラフト作成を予定しています。

Tonight, I plan to draft a report for the end of the term, which will be "bullshit, appropriate, and lax".

―― 今の私の周りは『デタラメ、適当、いい加減』だらけだ

I'm surrounded by "bullshit, appropriate, and lax" right now.

と実感します。

I realize that.

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でも、まあ、これで、いいんです。

But, well, it is O.K.

自分の手を動かして、自力でモノを作り出す奴が、一番エラいのです。

Those who create things on their own, using their own hands, are the greatest.

完璧を目指し、理想を叫び、自分で汗もかかずに、どこかの誰かがやってくれることを期待しているだけのヤツより、ずっとマシです。

It is much better than the guy who strives for perfection, cries for ideals, and just expects someone else to do it for him/her without even breaking a sweat themselves.

2023,江端さんの忘備録

ガンダムがそんなにいいかなぁ・・・、絶対にヘヴィーオブジェクトの方がいいだろう?

I wonder if "Gundam" would be that much better...definitely "Heavy Objects" is better than "Gundam"?

と思いながら、『ヘヴィーオブジェクト』を見直しながら、コーディングしています。

I am coding while reviewing "Heavy Objects" with the thought.

ちょっと調べたら、このネタ既出でした ―― というか「頻出」。

I did a little research and found that this story has already appeared -- or rather, "frequently appears".

"YOASOBI"のラインナップに、"ハルシオン"という曲を見つけて、驚いています。

島の領有権を争う多国間の思惑を取り扱うアニメ

「宇宙戦艦ヤマト」= 「詐欺」という構図の完成

これは、「同じ話を何度も繰り返す高齢者」の兆候と思います。

I think this is a sign of "elderly people repeating the same story over and over again".

―― いずれ、こうなる私を、あまり冷たく扱うな

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最近分かってきたのですが、コーディングのようなトライアンドエラーの作業(私にとっては、トライアンドエラーなんです)には、音楽やアニメを流しながら作業ができます。

As I've recently discovered, I can work with music or animation playing while I work on a trial-and-error task (for me, it's trial-and-error) such as coding.

しかし、コラム、報告書、特許明細書はまったくダメです。こちらは、クラッシックとか、環境音楽が良いようです。

But columns, reports, and patent specifications are not good for that. Classical or environmental music seems to be better.

しかし、どちらも長時間の作業になります。

However, both are long hours of work.

意外に思われるかもしれませんが、この手の仕事で重要なことは、

It may come as a surprise to you, but the key to this kind of work is

―― 集中せずに、ダラダラとやること

-- To be lazy, not focused.

です。

集中モードで仕事を連続すると、確実に翌日に疲労が伝搬して、蓄積して、いずれ破綻します(最悪、入院)。

If I work continuously in intensive mode, fatigue will surely be conveyed to the next day, be accumulated, and eventually collapsed (or worse, hospitalization).

これが「シニア」というものの正体です。

This is what a "senior" is.

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だから、私は声を大にして言いたい。

So I want to say this out loud.

結婚なんてしてもしなくてもいいけど、もし結婚すると決めているのであれば、できるだけ早い段階で(泥の中で土下座をする覚悟で)パートナーを探した方がいいぞ、と ――

You may or may not get married, but if you do decide to get married, you'd better find a partner as early as possible (and be prepared to get down on your knees in the mud).

出産も、(と書きかけて、この問題はあまりにデリケートに過ぎるので省略)、と、

Births, also (I was about to write, but this issue is too sensitive, so I omitted it), and

そして、もし、社会人やりながらリカレント教育を目指すのであれば、できるだけそのスタートは早い方がいいぞ、と。

And if you are going to pursue recurrent education while working, you should start as early as possible.

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18~22歳あたりでの学問と、シニアの学問は、決定的に違います。

There is a definite difference between the study around 18-22 years old and the study of seniors.

スケジュールの中に「疲労」を組込まなければならない日々は、なかなか「せつない」ものです。

It is quite "painful" to have to incorporate "fatigue" into my schedule every day.

2017,江端さんの忘備録

先日から「三国志Three Kingdom」に嵌っています。

I am addicted to "Three Kingdoms" from the other day.

今、私は、

Now I am

―― Youtubeで「三国志Three Kingdom」の音声をバックに流しながら、他の人の作ったカーネルコードを地道にprintkで追跡する

tracking linux kernel code by printk() function, hearing the voice of "Three Kingdoms" from Youtube.

という、現時点で、世界でも10人もいないであろう、稀有な休日の過し方をしています。

and I am having a rarea holiday. Less than ten people might do same thing at the moment.

なんにしろ、『延々と一人で三国志(*)を語り続ける、うっとうしい野郎にだけはなるまい』

Anyway, I make up my mind "I never make me an annoying bastard who keeps talking about "Three Kingdoms(*)"

と、今から自制を心がけております。

(*)この他、「ガンダム」とか「マック」など

(*) In addition, "Gundam" and "Mac" etc.

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まあ、若い人なら、「若いのに、なに辛気くさいことやっているんだ」と言われるかもしれませんが、

Well, when I was a young person, someone might say to me "why you do such irritating thing, though you are young"

この年齢なら、「昼間から、なにゴロゴロしているんだ」と言われないだけマシかもしれません。

It might be better not to be said "Why are you going to be a couch potato from daytime?" for this age.

しかし、先日、嫁さんから、

But my wife said to me again,

「お願いだから、休日に部屋から黒いオーラ出すのだけは止めて欲しい」

"I want you to stop black aura from the room on holidays."

と、再度言われました。

2012,江端さんの忘備録

私、ドラマが嫌いで、アニメを見るのが好きです。

嫁さんは、この真逆です。

従って、夫婦でテレビを見るというのは、かなりのレアケースです。

「なんでかな」と考えてみたのですが、アニメというのは、結構いい技術研究ネタが仕込まれているからかもしれない、と考えてみました。

ロボットとか、戦艦とかでは、それなりの機械工学の知識が含まれていないと、理系男子でなくとも、薄っぺらく感じてしまいます。

時空間(タイムトラベル)ものにいたっては、相対論やら量子論までもを配慮したシナリオが記載されているし、遺伝子関係についても相当の専門分野の話が入ってきています。

『見ていると、なんか賢くなった気がする(正確には、分かったような気がする)』という魔力が、(ある一部の)アニメにはあるのです。

特に、私のように、技術ネタでコラムを書く人間にとっては、ネタ元としては、結構、舐めてかかれない程の情報が含まれているんですよ。

・・・というのは、多分建前で、まあ、好きなんですよ、私は。特にSFのアニメは。

ただ、私の嗜好が強すぎて、同時に2つ以上のアニメを継続して見る、ということが滅多にありません。

もっと技術的に難しくて、専門的で、基本的には筋が通っていて、技術者が主人公である。そういうアニメは、なかなかないものでしょうか。

# イメージとしては「さよならジュピター」だけど、映画化だけでなく、アニ化メまで失敗されたら、私は立ち直れない。

さて、それはさておき。

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SF以外のアニメの設定では、「不良」「部活」そして「生徒会役員」を扱うものが多いようです。

部活も、かつてはスポーツ部と決まっていたものです。

しかし、最近では、文系も多くなっていますね。漫研、文芸部、ブラスバンドなどはあったのですが、軽音、古典部、かるた部とか、(すみません。ちゃんと見ていません)

―― すごいダイバーシティだ、と思います。

私の世代から見ると、このダイバーシティ(またはバラエティ)は、とてもうらやましい。

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ダイバーシティと言えば、今や「武装する図書館のアニメ」まであるくらい(すみません。見ていません)なのですから、どうでしょう、いっそうのこと、

○政権党(内閣を含む)と野党を取り扱うアニメ

○島の領有権を争う多国間の思惑を取り扱うアニメ

○列強によって分断された国家を取り扱うアニメ

など、誰か企画してみませんか。

なんか、ツイッターを追ってみると、どうもこの手の話題になると、表層的な感情論で、簡単にヒートアップする内容が多くて、正直うんざりしています。

なんの為に、私達は義務教育や受験で、世界史や日本史の勉強をさせられてきたのやら、と溜息がでてきます。

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「歴史」という教科の存在意義は

(1)過去において、この手の隣国間のトラブルなんぞ腐る程あり、

(2)概ね時間の経過(まあ、3ヶ月も必要ない)で軽く忘れ去られ、

(3)忘れ去られる前に、一部の馬鹿が火をつけて、時々回復不能な事態(戦争等)に発展させてしまったこともあり、

加えて、

(4)外交上「白黒はっきりさせない」という戦略が、過去において相当有効に働いてきた

という史実(歴史的事実)を学ぶものだと、私は思っています。

「いい国(1192)作れず、鎌倉幕府」などという、下らない暗記をすることが、歴史の勉強の目的ではないと思っています。

『今回の事件は、過去のあの事件に似ているなぁ』と冷静に把握し、可能な限りの背景事実を収集した上で、筋の通った論理的な主張をすることは、正しいかどうかはさておき

―― かっこいい、とは思う。

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ジオン公国と地球連邦政府(すみません。ガンダムのストーリー全く知りません)の歴史を知る、その気力の1/10で十分です。

隣国と自国の歴史を勉強してみることは、結構良い方法であるし、現実に必要であると思うのです。

でも、多分そんな、楽しくもないこと、誰もやりゃしませんよ。

ならば、いっそ、アニメという手段で、国際政治な動きの裏側を、軽いノリと笑いで表現して、隣国を理解するというのは、良い方法だと思うのですよ。

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いや、難しくないですよ。

我が国の首相や内閣のメンバ、隣国の大統領や中央政治局常務委員を、全員、

「美少女アニメキャラクター」

として制作すれば足ります(多分)。

半分くらいは、真面目な提案です。

2013,江端さんの忘備録

「宇宙戦艦ヤマト」は、私に

■科学技術の夢とロマンと、

■商業主義の汚さを、

これでもか、これでもか」いうくらい教えてくれた、「大人の階段」を、完璧に具現化してくれた作品です。

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まあ、「夢とロマン」の方はさておき、「商業主義」の方は、こんな感じです。

■死んだはずのキャラクターを、「実は死んでいなかった」ことにして、続編を作る

■都合の悪いストーリーは「なかったもの」としてスキップして、続編を作る

こういう、「とにかくヤマトで儲けろ」というスタンスは、「ヤマト」を深く愛していたティーンの心を酷く傷付けたものです。

私の中では、

「宇宙戦艦ヤマト」= 「詐欺」

という構図が完成してしまいました。

この影響(か、どうかは分かりませんが)もあって、私はその後、このような宇宙戦争を扱ったアニメに興味が持てなくなりました。

例えば、「ガンダム」なる超著名ロングランアニメについて、私は何も語るものを持っていません。

これは、このような、ティーン時代の「負の記憶」に因るところが大きいと思っています。

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ですから、今、放送中の「宇宙戦艦ヤマト2199」も、

『まだ飽き足らず、詐欺の続きをやっていやがるのか』と、腹だしい思いで、まあ、それでも初回だけでも見てやろうか、と、思ったのですよ。

・・・

・・・

■うん、まあ、あのやたら暑苦しくて、鬱陶しい「古代進」が、まあ、ちょっと言い感じになったかもしれないな?

■「森雪」の設定がなかなか意味深になっていて、悪くない。

■ワープの論理(フィクション)が、なんとなく複雑になって、しかも、ちょっと腹に落ちるようにはなっているな。

■ガミラス帝国が、単なる悪の帝国としてではなく、ちゃんとしたヒューマンドラマとして描かれているのは、まあ、評価できるかな。

■都合の悪い、難しい話を、全部「コンピュータ」に押しつけるというスタンスが、改善されているなぁ。

■波動砲の使用に関して、倫理的観点からの批判が採用されている点は、とても良い。

■初戦において、「地球側から戦端を開いた」という、驚愕の設定を導入した点は、高く評価できる。

■なんか、やたら「ドメル」が、かっこよくないか!!

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まあ、そんなこんなで、私は、日曜日午後5時から、私の部屋を完全に立ち入り禁止にして、テレビを見ています。

宇宙戦艦ヤマト2199公式設定資料集の購入は、決定済みです。