どれほどの痛みや苦しみがあろうが ―― 所詮は、「他人事」です。

私が、当初、夫婦別姓制度に反対の立場であったことは、これまで何度もお話してきたと思います。

I think I have told you many times in the past that I was initially opposed to the “conjugal surname system".

同性愛を、精神障害の一態様であるとすら思っていたこともあります。

I once even thought of homosexuality as a form of mental disorder.

今は、そうは思っていません。

Now, I don’t think so.

「自分で勉強したから」と言いたいですが、基本的には、「社会の意識の変化に身を委ねてきた」という面が強いです。

I’d like to say “because I learned it myself," however, essentially, I’ve surrendered myself to the changing attitudes of society.

とはいえ、『多くの人が肯定していれば、多分正しいのだろう』という考え方はリスクがあります。

Nevertheless, the idea that “if a lot of people affirm it, it’s probably right" is risky.

しかし、『多くの人が関心を持っているのであれば、ちゃんと自分で調べてみよう』というスタンスなら、良いと思います。

However, if your stance is “if it’s the matter that many people are interested in, I’ll look into it myself". Then it’s good.

—–

新しい考え方(夫婦別姓、同性愛等)を自分に取り込むには、私には結構なエネルギーが必要でした。

It took quite a bit of energy to incorporate new ideas (marital separation, homosexuality, etc.) into my life.

自分の中にある、他の部分の考え方の変更も余儀なくされるからです ―― 正直、これは、「辛い作業」です。

Because it also forces me to change the way of other parts of myself. Honestly, this is “hard work".

特に、既存の価値観で生きてきたシニアにとっては、若い人には想像できないほどの「痛みを伴う」作業なのです。

It’s a “painful" process that is unimaginable to younger people, especially for elder people who have lived by existing values.

「痛くて辛い作業」ですので、他人に強要することはできません。

It’s “painful work" and I can’t force others to do it.

しかし、その「痛くて辛い作業」を経ないと、現状の制度や差別で痛み苦しんでいる人 ―― 私の痛みや辛さとは比較にならない程の ―― に寄り添うことができません。

However, without going through that “painful work," it is impossible to reach out to those who are in pain and suffering from the current system and discrimination. It’s so much worse than my pain and hardship.

—–

しかし、基本的には、それは「他人の苦痛」であって、「自分の苦痛」ではありません。

But basically, it’s “other people’s pain" and not “my pain".

どれほどの痛みや苦しみがあろうが ―― 所詮は、「他人事」です。

No matter how much pain and suffering there is — it’s just for “other people".

あなたは、それを無視したっていいと思います。

You’re allowed to ignore it.

私(だけ)は、あなたを責めません。

I (only) don’t blame you.

私も、沢山の問題を「無視」し続けています。

I also continue to “ignore" a lot of issues.

私のやっていることは、単なる「問題の数値化」に過ぎません。問題の解決法(ソリューション)に至れているものはほとんどありません。

What I am doing is merely “quantifying the problem". Very few of the problems (solutions) have been reached.

(続く)

(To be continued)

2020/10,江端さんの忘備録

Posted by ebata