愛のある特許出願
電子メールを使って、特許法の説明をしていたことがあります。
■特許権が発生する為には、「特許出願」という要式行為が必要である(「方式主義」)。
■しかし著作権の場合は、このような行為を行うことなく権利が発生する(「無方式主義」)
という内容を簡単に判って貰う為に、以下のような文章を作成しました。
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(例2)
『結婚は、所定の要件を備えた当事者間の合意で成立する。YesかNoか』
答えは、Noです。
婚姻届けを提出するという手続を行い、登録されないと結婚は成立しません。
結婚とは、法律行為で、かつ、第三者対抗要件だからです。
ちなみに、「結婚」とは実体としての「愛情」やら「経済力」やらを全く規定しておらず、単なる手続としての法律行為のみです。
今更ですが、「愛」がなくても結婚は可能です。
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つまり「愛のない結婚」という言い方は、一般的にはネガティブなイメージがありますが、法律的にはあまり意味のあるフレーズではないのです。
「愛のある結婚」という言い方のほうが、珍しい。
いわば「愛のある特許出願」みたいな違和感です。