「バカヤロー、お前は俺の仕事の何を見てきたんだ!」と叫ぶメンターに関する一考察
新聞の編集部が舞台となっている、ある本を読んでいたのですが、
新人の買いた取材ルポを、上司が一読すると、その用紙をくしゃくしゃにして、ポイと投げるシーンが出てきます。
「ボツ! やりなおし!!」という上司に対して、
「あ、・・あの・・・どこが悪いんでしょうか」と尋ねる新人に、
「自分で考えろ。誰も教えてくれないぞ」といって、新人に大量の資料を手渡す上司が出てくる場面があります。
今の日本では、こういう「バカげた指導」を行っている職場は、残念ながら存在しているようです。
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こういうシーンが結構な数、見られるのですよ。特に、テレビ番組の、「寿司職人」「大工職人」などの、職人シリーズに多い。
「バカヤロー、お前は俺の仕事の何を見てきたんだ!」
と怒鳴る先輩職人のシーンを見ると、私なんぞは、
―― バカはお前だ。なぜ、大切な仕事の内容ならば、それを体系だてて、順序よく、理解しやすいように説明してやらないんだ。
―― お前にプレゼン能力(説明能力)がないばかりに、新人が効率よく仕事の内容を取得できずにいるんだろうが、阿呆が。
―― 自分が、「寿司握っているだけ」「工具を使っているだけ」で、新人が育つなどという、そんな都合のいい話があるか、馬鹿野郎めが。
と思ってしまうのですよ。
「仕事は盗むものだ」と信じているこういう先輩や上司は、コスト意識がない上に、自分達の持っている技術を「上限」と信じている傲慢さが見て取れて、気分が悪いです。
自分の持っている技術を踏み台として、新人を、更なる高みを目指させるのが、メンター(指導者)というものではないでしょうか。
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ところが、こういうテレビ番組などで、こういう場面が頻出するところを見ると、我々日本人は、「仕事は盗むものだ」というストーリーが大好きなようです。
先輩に責められ、上司に叱責され、何度もやりなおしをさせられ、それでも、最後に成功して、「やればできるじゃないか」という先輩に「ありがとうございました!」と、涙ながら語る新人の台詞で終わる、というストーリーです。
―― 正直、うんざりです。こういう番組。
一人ならチャンネル替えてしまうのですが、食事の時に、家族全員で見ている時などは、つき合わなければならない時もあるのです(また、こういうことを指摘すると、家族の批判の目にも晒されますので、ガマンしています)
でも、どう考えたって、正解はこうでしょう?
(Step.1)先輩が後輩の良くない部分を指摘し、正しいやり方を口頭だけでなく図解や実際のやり方を示して、短時間で所定の技術を取得させる。
(Step.2)そんでもって、同じミスを2回した場合は、それを指摘し、改善がなければ、叱責する。それでも駄目なら辞めて貰う。技術を継承できない者は、不要であるから。
それだけのことですよね。
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ただ、このような構成の番組としたら、到底、視聴率は取れないだろうな、ということは、私にも分かります。