『破壊的イノベーション』を、「破壊的」に「破壊している」主体の一人が、私です。
クリス・アンダーソンの「MAKERS(メーカーズ)」を読んでいます。
「ロングテール」も、そして「フリー」を読んだ時にも、衝撃を受けましたが、この「メーカーズ」も、本当に刺激的です 。
そして、現在、私の目の前にある大きな希望です。
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クレイトン・クリステンセンの超著名な著書「イノベーションのジレンマ」が出版された当時、偉い人たちが、この本に、徹底的に洗脳されました。
そして、「『破壊的イノベーション』が創成できる」という、バカげた勘違いして、阿呆な運営方針を打ち出したころから、私は、ずっーーーと、ムカムカしています。
しかし、私に言わせれば、『破壊的イノベーション』を、「破壊的」に「破壊している」主体は、
■勘違いした、偉い人達と、
■勝負に出ない、我々エンジニアと、
■「出る杭」を「出た後」に評価する、その他の日本人
の3人だと思っています。
(この話は、いつか、纒めたいと思います。酷い長文になりそうなので、今回は控えます))
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「車輪を100回でも再発明してやる」と考えている私は、多分、エンジニアとしては、古くて、ロートルなのでしょう。
本当のところ私は、
■「他人の作った車輪と、私の作った車輪が、完璧に同じになるわけがないだろう」
■「車輪を自分で理解してからつくった荷車が、理解しないで作った荷車に負ける訳がないだろう」
と考えています(職場の幹部には、口が裂けても言えませんが)。
そして、
■「開発のモジュール化」とか「既設パッケージの活用」という言葉を使って、
■「コストダウン」「短納期」「グローバル展開」などと言いながら、
■エレガントにプレゼンしている私は、
この時間軸の私ではありません。
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「メーカーズ」は、この辺の、私のここ数年の蓄積していた鬱憤を晴らしてくれそうです。
はやく読了しなければ・・、と思いつつ、早く終わりたくなくて、一文一文丁寧に読んでいます。
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ただ、「メーカーズ」で黙示的に規定されている仮説(と私は思っている)
「人間であれば、すべて創造のプロセスに熱中する/興味がある」
は、ちょっと違うと思うのです。
なぜなら、滅茶苦茶身近に、でっかい反例があるからです。
私の嫁さんです。
彼女は、地球上のすべての製造物の「完成物」にのみ興味があります。
その製造「プロセス」には、髪の毛一本程の興味もありません。
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今、嫁さんから、娘の部屋に、(それなり品質の)本棚を作り込むことを依頼されているのですが、嫁さんのアクションは原則として2つしかありません。
「作って」という依頼と、制作後の「良い」「悪い」の評価です。
比して、私は、
「採寸し」「図面を描き」「強度を推定し」「材料を加工し」「壁をぶち抜き」「ビスを捩じ込み」「板を配置する」
という、この一連のプロセスを、『最大級の娯楽』として実施しています。
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これを、役割分担 ―― と呼ぶには、ちょっと不公平な気もしますが、まあ、上手くやっていますよ、私達夫婦は。
それなりに楽しく。