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(その1)

私が高校生の頃だったと思います。

ロシア(当時のソビエト連邦共和国)の領域を通過した、韓国の民間航空機がソビエト軍の戦闘機に撃墜されるという事件がありました。

後に「大韓航空機撃墜事件」と呼ばれる事件です。

今になってみると、冷戦はその後半部を終了し、数年後に終結を迎えることになっていたのですが、当時の誰もがそのようなことを予想すべくもなく、世界はこの惨事に声を失なったものです。

その後、この事件は、各国の主張が入り乱れて、何が何だかか分からない状況を呈していました。

先ずは、ソビエト側による否定、事実の隠蔽に始まり、日本の自衛隊による通信記録の傍受の公開、米国による追訴、そして、最後にアンドレイ・グロムイコ外務大臣の「大韓航空機は民間機を装ったスパイであった」という声明の発表に至ります。

当時、私は、民間人(296人)を満載した戦闘能力を全く有しない民間機を、正規軍の戦闘機が撃墜したという事実に対するショックに加え、人類として到底認容しえないこのような非道な暴力が、軍事的な観点からは『十分に認容され得る』という事実に、衝撃を受けたものです。

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大学に入学した後、私はいわゆる学寮達と共に議論を行うことを常とする「政治に極めて意識の高い自治寮」に入寮し、色々なことで(愚にもつかぬことも多かったですが)議論を闘わせたりしていました。

大学2年の夏休みに実家に帰省した私が、父の運転する助手席に座っていた時だったと思います。

どういう経緯で父とこの事件(大韓航空機撃墜事件)について話を始めたか覚えていませんが、その頃、少しだけ聞き齧った地政学の本の話を引用して、『この事件のソビエト側の対応を、認容できる部分もある』という論を展開していました。

私は、---- もし、『大韓航空機 = スパイ機』であったとすれば、または、その恐れがあったとすれば、例え、それが航空機の整備不良による事故であったとしても、ソビエトが国防の観点から、そのスパイ機の可能性がある旅客機を撃墜することは、ある意味仕方がなかったのでは------ と、自分の考えを言いました。

父は、私とそのような話をする時には、いつも嬉しそうに話の間の手を入れ、私の話がどんなに稚拙でも、その話の腰を折ることなく、最後まで聞き入れてくれたものでした。

その時の父は、いつもの父とは違う様子で、ハンドルを握りながら、フロントガラスを見つめながら言いました。

『智一。そうではない』

私は、少し驚いて父の横顔を見ました。

『航空機が民間機である以上、如何なる理由があっても、民間機を撃墜するということは許されない』

私は意外な感じを受けながらも、父に反論しました。

『もし、韓国機がソビエトの領空をスパイ目的で侵犯しており、国益を脅かすことが明らかであったとしても?』

父は、息子にキッパリと言いました。

『仮に、その航空機の機長を含め、また仮に乗客のほとんどがスパイであって、悪意の目的をもって、領空侵犯をしたとしてもだ。

そこにたった一人の無関係の乗客が乗っているのであれば、どのような者であれ、その命を奪う行為を正当化することはできない』

唖然としている息子に、父は静かに続けました。

『それが「人間」と言うもの、「命」と言うものではないか?」

それは、恐らく、沢山の命が奪われる現実を間の当りにしてきた者だけが持ち得る、魂から絞り出された言葉だったのだと思います。

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私は、サイドウインドウの方を向いて、そのまま黙り込みました。

胸の中に広がる熱いものに突かれて潤んできた眼を、父に見られたくなったからです。

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(その2)

私は2000年から2年間、仕事で米国に在住する機会を得ました。

この時、私が幸運だったことは、日本からチームとして参加することになり、チームのメンバの内、所帯を有するものは、家族とともに米国に滞在することになったこと。

そして、その家族の方々がいずれも気持よ良い方ばかりで、多くの交友を深める機会を得ることができたことでした。

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ある休日のこと、私は自分の担当していたプログラムの数行を修正する為に、休日に家族をつれて職場に出ました。そこで、私の先輩とその奥様に出会いました。

奥様は、当時、皇太子のご令嬢の誕生を、インターネットで確認する為に、先輩とともに職場に来られたとのこと。 (コロラドの少くともフォートコリンズという地域には、日本語向けのテレビ放送はなかった)

その時、私は『はあ、そうですか』としか応えられませんでした。

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私は、一度、無礼を承知で、奥様にお伺いしたことがあります。

『芸能人の誰かが結婚したとか離婚したとか、そういう週刊誌に掲載されるような内容は、興味の対象になり得るものでしょうか』と。

これに対して、奥様は、「トム(Tom)」(赴任先では、全員がこのような愛称で呼び会うことが、赴任先の会社のルールとして統一されていた)と、私をお呼びになられた後、次のように続けられました。

『あなたは、自分の大切な家族や友人が、幸せになったり不幸になったりした時に、それを「興味の外」ととして置いとけるものでしょうか?』

『いえ、そのようなことはないと思います。家族や友人を思い、同じように、喜び、または悲しむと思います。また、そのような人間で在りたいと思います』

『私も同じです。私も友人達の不幸に悲しみ、幸福に喜んでいるだけです』

しかし・・・と言いかけた私を制して、奥様は続けられました。

『違いがあるとすれば、私はその友人を良く知っているのですが、逆に、その友人は私のことを全然知らない、という、ただそれだけのことなのです』

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私は、このパラダイムを提示された時の衝撃を忘れられません。

冗談でも、揶揄でもなく------、私は今でも、この奥様のことを尊敬できる人々のお一方であり、心から敬愛すべき対象であると、固く信じております。

(本文章は、全文を掲載し内容を一切変更せず著者を明記する限りにおいて、 転載して頂いて構いません。)

2023,江端さんの忘備録

こちらは、我が家で2013年(10年前)に購入した、HDDレコーダです。

I purchased This HDD recorder in 2013 (10 years ago) at our home.

一昨日から、30秒毎に2秒くらい停止(黒い画面)になるという不思議な現象を繰り返しております。

Since the day before yesterday, I have been experiencing a strange phenomenon where it stops (black screen) for about 2 seconds every 30 seconds.

これが、録画画面だけでなく、チューナモードでも発生するので、『HDDエラーではない』と判断しました。

Since this occurs in the recording screen and tuner mode, I decided it is not an HDD error.

HDMIケーブル、電源、NTSC全てチェックしましたが、問題はなく、さらに、その隣りに設営したNASも停止させてみたのですが、症状が改善しません。

I have checked all HDMI cables, power supply, NTSC, everything is fine; and I even tried shutting down the NAS set up next to it, but the symptoms are not improving.

『さすがに寿命かな』と思いました。

I thought, 'This is indeed a lifetime.

しかし、残念です。

However, it is a pity.

なぜなら、すでにこの製品、製造中止となっており、リモコンも手に入らないので、新品の代替リモコンをすでに購入すみだったからです。

This is because I had already purchased a new replacement remote control, as this product was discontinued and no remote control was available.

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『30秒毎に2秒くらい停止(黒い画面)になる』

'Every 30 seconds or so, it stops (black screen) for about 2 seconds.'

という障害は、なかなかに微妙でして、

The failure to do so is quite subtle,

―― 不快だけど、番組の内容が分からなくなるほどではない

"Offensive, but not so offensive that I lose track of the program."

というギリギリのラインなのです。

This is the very edge of the phase.

実際に、そのモードでNHKの大河ドラマを見てしまったくらいです。

I even watched an NHK historical drama in that mode.

ハマスとイスラエルの特番は、私の知識で補完できましたし。

And I was able to supplement my knowledge of Hamas and Israel with special programs.

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まあ、それでも、これはダメだと思いましたので、代替品を探しはじめたのですが、市場にHDDレコーダの製品がほとんど出まわっていません。

Well, I still thought this was a bad idea, so I started looking for a replacement, but very few HDD recorder products are on the market.

加えて値段も高い。

In addition, the price is high.

正直、これには困りました。

I was troubled by this.

江端家は、外付けHDDに2チューナ分、HDDレコーダに2チューナ分を割り当てていて、前者が主に嫁さんが、後者は私が利用しています。

The Ebata family allocates two tuners to an external HDD and two to an HDD recorder, with the former used primarily by the wife and me.

録画されている番組も、完全に棲み分けされています。

The recorded programs are also completely segregated.

『ドラマ、バラエティ、歌番組』 v.s. 『イスラム、テロ、ナチス、歴史、科学」です。

'Drama, Variety, Song Shows' v.s. 'Islam, Terrorism, Nazis, History, Science'.

『これは値段の問題ではないな』と考えて、新規機種の購入の検討を開始していました。

'This is not a problem of price,' I considered purchasing a new model.

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ところが、今日、試しに稼動させてみたら、この障害が完全に直っていました。

However, this failure was entirely fixed when I tried running the system today.

二日間の私とのバトルを忘れたかのような、復活です。

It is a resurgence as if it has forgotten the two-day battle with me.

まあ、私も機械との格闘の日々は長いので、よく知っているのですが、機械というのは、気紛れに「自己治癒」することがあります。

I have been struggling with machines for a long time, so I know them well, but machines can "self-heal" in a whimsical way.

しかし、大抵の場合、これは、錯覚です。

Most of the time, however, this is an illusion.

近い未来に完全に沈黙すると思いますが、まあ、それまでは働いてもらうつもりです。

I think they will be utterly silent shortly, but I will let it work until then.

で、あわてて、ラズパイで、学習リモコンを作ることにしました。

2017,江端さんの忘備録

以前、バファローDVRーW1V2/1.0T HDDレコーダーのリモコンが壊れ、代用品を注文したことがあるのですが、今度も壊れかけたら ―― 「リモコン発売終了」

Previously, when the remote controller(RC) of Buffalo DVR - W1V2 / 1.0T HDD recorder broke, I ordered a substitute RC. This time, the RC also broke again, but - "The RC "Remote release finished."

真っ青になりました。

I looked pale.

で、あわてて、ラズパイで、学習リモコンを作ることにしました。

So, in haste, I decided to make a learning RC with "Raspberry PI."

久々に、秋葉原の「秋月電子通商」に行ってきましたが、―― 最近、秋葉原は、輪をかけて「気持ち悪く」なっています。

I went to "akizukidenshi company" in Akihabara for a long time. Recently, Akihabara has become "uncomfortable" more and more.

『私は、秋葉原に部品を買いに来ただけです』と記入された、そういうシャツ売っていないかな。

I wonder if someone tries to make a shirt printed, "I have just come to buy electric parts in Akihabara."

メイドさん。お願いですから、私の歩く方向を塞がないで下さい。

Hi, Maid-san. Please do not close my walking direction.

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●欲しい赤外線リモコン受信モジュール"GP1UXC41QS"を1つ ―― だけど、5個セット(250円)だったし

- I wanted one infrared remote control reception module, "GP1UXC41QS," - but it was a set of 5 pieces (250 yen) (残り4個)

●欲しい赤外線LED "OSI5LA5113A"は1つ ―― だけど、10個セット(100円)だったし

- I wanted one infrared LED "OSI5LA5113A," - but it was a set of 10 pieces (100 yen) (残り9個)

●欲しいトランジスタ "2SC1815Y"は1つ ―― だけど、10個セット(80円)だったし

- I wanted one transistor "2SC1815Y" - but it was a set of 10 pieces (80 yen) (残り9個)

●欲しい抵抗1/4W 100Ω、10KΩ は1個づつ ―― だけど、100個セット(100円だし)だったし(残り99個)

- I wanted one 1/4 W 100 Ω one 10 K Ω - but it was 100 set (100 yen)

誰か、1個づつ1セット部品欲しい人いたら差し上げますので、切手代として100円玉を、私に送付して下さい。

If someone wants one set of parts individually, I will give it, so please send me a 100 yen coin as a stamp fee.

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This is the circuit diagram.

This is the circuit picture.

(続く)

(To be continued)

2023,江端さんの技術メモ

SELECT * FROM records WHERE start_at = '2023-03-20 05:03:00'; を"2023-03-20"が含まれているものだけを条件にするには、どのようなSQL文になりますか

SELECT * FROM records WHERE start_at::date = '2023-03-20';

プログラムはこちら

// f:\しゅらばしゅう\有吉先生データ\Moove\2023-07/test5.go

package main

import (
    "database/sql"
    "fmt"
    "log"

	_ "github.com/lib/pq"
)

type Location struct {
	Lat float64 `json:"lat"`
	Lng float64 `json:"lng"`
}

type Record struct {
	ID         int        `json:"id"`
	UserID     int        `json:"user_id"`
	Distance   float64    `json:"distance"`
	Place      []Location `json:"place"`
	Speed      []float64  `json:"speed"`
	Prediction int        `json:"prediction_type"`
	StartAt    string     `json:"start_at"`
	EndAt      string     `json:"end_at"`
}

func main() {
	// PostgreSQL データベースへの接続情報
	const (
		host     = "192.168.0.23"
		port     = 15432
		user     = "postgres"
		password = "password"
		dbname   = "moove"
	)

	// PostgreSQL データベースへの接続
	dbinfo := fmt.Sprintf("host=%s port=%d user=%s password=%s dbname=%s sslmode=disable", host, port, user, password, dbname)
	db, err := sql.Open("postgres", dbinfo)
	if err != nil {
		panic(err)
	}
	defer db.Close()

    fmt.Println("Successfully connected!")

    // 検索したい日付
    var targetDate string = "2023-03-03"

    // 特定の日付を含むレコードを取得するクエリ
    query := fmt.Sprintf("SELECT id, user_id FROM records WHERE start_at::date = '%s'", targetDate)

	fmt.Println("pass1")

    rows, err := db.Query(query)
    if err != nil {
        log.Fatal(err)
    }
    defer rows.Close()

	fmt.Println("pass2")

    // 各行を繰り返し処理
    for rows.Next() {
        // ここには、取得したいカラムに応じた変数を定義します
        var column1, column2 int // これは、idとuser_idのことです
        // 必要に応じて他のカラムも追加
        err := rows.Scan(&column1,&column2) 
        if err != nil {
            log.Fatal(err)
        }

        fmt.Println(column1, column2) // 取得したデータを出力
        // 他のカラムも出力する場合は、ここに追加
    }

    // 繰り返し処理後のエラーをチェック
    err = rows.Err()
    if err != nil {
        log.Fatal(err)
    }
}

2023,江端さんの忘備録

この週末も、私は、本当によくがんばったと思うが ―― 目標としたタスクの半分しか終っていない。

I think I did well this weekend, too -- However, I only finished half of the tasks I set out to do.

まあ、がんばったところで、

Well, even if I did my best,

『がんばったことのご褒美は、がんばったことだけだ』

'The only reward for doing your best is doing your best.'

と、思います。

I think so.

リタイアを目前としたこの私が言いますけど、これ、いい感じで真実です。

I say this as I am on the verge of retirement, but this is a good and true statement.

正確には、「“よくやった事の報酬はそれをやったって事だけ”さ」(はみだしっ子、アンジー) です。

More accurately, "The only reward for a job well done is that you did it" (Angie, in Hamidashikko).

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あ、もう一つあった。

Oh, there was one more thing.

「歴史改竄」ができます。

You can "falsify history."

こっちは、それなりに『美味しいご褒美』かもしれません ―― 幻想だとしても。

This one may be a 'tasty reward' in its own right -- even if it is an illusion.

「青春」とは「歴史改竄」のことです。

2013,江端さんの忘備録

(「図書館戦争シリーズ」の)有川浩さんの「キケン」を読んでいます。

I am reading "KIKEN" (the word has two meanings: "danger" and "machine research laboratory") by Hiro Arikawa-san.

そういえば、私も「キケン」なんですよ。

Come to think about it, I belonged in "KIKEN."

著書の中では「機械制御研究部」の話ですが、私が所属していたのは「電気工学部電気/電子工学科機器研究室」、通称「キキケン」と言われたところでした。

In this book, KIKEN means "machine control research laboratory." In my case, that means "electrics industrial engineering department, instrument research laboratory."

ときどき「キケン」とも呼ばれたこともあるのですが、その時でさえ私は脳内では、いつでも「機研」と変換しており、一度たりとも「危険」と変換したことはなかったのです。

Sometimes, my research lab. was also called "KIKEN". My brain then tried translating the word into not "danger" but "research lab."

しかし、私が「機研」であり、同時に「危険」ですらあったことは、すっかり有名になっていました。ええ、もう十何年の前から。

But I belonged to KIKEN, and at the same time, I was KIKEN too. It has already been a famous story.

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有川浩さんは、別段、私の

Arikawa-san has never used my experiments as follows

this story,

や、

that story,

や、

and another story (no wonder).

をモチーフとしてこの著書を書かれた訳ではないと思うのです(あたり前だ)。

基本的に理科系の中でも工学を専攻し、特に男子生徒というのは、小学生や中学生の頃には、一度や二度は、自宅を全壊または消失さえるような実験をするものなのです。

"Basically, schoolboys who major in engineering used to experimentalize explosions and/or fire on the verge of their house extinction."

―― と、会社の同僚(後輩)に語ったとき、

When I told my junior colleague the above,

「それは、アンタだけだ!」と突っ込まれたことがあります。

they shouted, "You're alone." at the same time.

「ええー、そうなの? 何かを壊すことなく、どうして何かを創作できる訳?」

"Is it true? Why do we create something without destroying something?"

といったら、後輩たちに、随分残念そうな顔をされてしまいました(今でも、よく分かりません)。

My junior colleagues seemed to profess regret (I don't know why).

それはさておき。

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最近思うのですけどね、この本「キケン」や、あるいは今クールの放送していた「ゴールデンタイム」や、古い作品の「トラドラ」のような、絵に書いたような「青春時代」

Recently, I think there has been no story like "KIKEN" or "Golden Time" in this season, "TORA-DORA," several years ago.

―― そんなものは、存在しません。

in this real world.

これらの話は所詮は、フィクションです。

These stories are just fiction.

そんな美しくて、かっこいい青春が、都合よく発生する訳がありません。

Such a beautiful and cool juvenescence period doesn't happen conveniently.

ただ、ですね。

But,

いわゆる青春時代と呼ばれる期間に、無茶な実験をする、高嶺の花にアプローチをする(そして玉砕する)、言葉も通じない国にとりあえず行く、というような、いわゆる

for example, trying steepish experiments, prizing beyond your reach (and dismissed), going abroad without using any languages,

「無茶をする」「無謀なことをする」「理屈を考えずに、走ってみる」

"play the goat," "behave recklessly," and "run without thinking."

ということをやっておくとですね、歳を取ってから「美味しい」んですよ。

are good for you when you are old.

何が「美味しい」かというと、自分の中で「歴史改竄」ができるからです。

The reason why you are good is to do "history interpolation" of your life.

さらに、この歳になれば、それらのネタを、若干拡張表現して執筆しても、こつっこむ友人が近くにいません。つまり、

Added, the more you become old, the less your friends exist around you.

―― 「裏」を取られる心配がない。

You don't worry about your friends who do some back research.

自分の「歴史改竄」は、自分の中で「事実」に昇格です。

Your "history interpolation" becomes promoted "true" in your brain.

おめでとう!

Congratulation!

こうなるとですね、例えば、「玉砕した恋の話」と「水素を爆発させる話」を組み合わせて、一つのストーリーにすることすら可能となります。

In that event, you can make a new story in your life, for example, a story to combine the "suicidal attack of your first love" and "hydrogen chemical explosion."

誰がどう見たって、悪質な「歴史改竄」ですが、それをチェックする機関はありませんし、なにしろ自分は「事実」と信じているのですから、やり放題です。

Though whoever thinks that the story is a malicious "history interpolation," nobody checks the facts and stops it. Anyway, you believe that the story is true.

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「無茶をする」「無謀なことをする」「理屈を考えずに、走ってみる」という、「一生懸命」を、全くやっていないと、改竄する「歴史」すら作ることができません。

Unless you do your "Best foot forward," like "play the goat," "behave recklessly," and "run without thinking," you cannot make any of your history.

当然、将来的に昇格すべき「事実」もなくなる訳です。

Naturally, the promoted facts also burn off.

これは「美味しくない」です。

It is not good for you.

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私は、「苦労は金を買ってでもしろ」という格言を残した奴を、一片の疑いなく「アホ」と決めつけていますが、

Though I regard the person who said, "You could buy your burden" as merely foolish,

若い時代の「一生懸命」には、後発的に価値が出てくる可能性があります。

"do your best" in your youth might become valuable after that.

それは「一生懸命」に価値があるからではなく、その後の人生において、「一生懸命」の内容を「歴史改竄」した「幻想」で、自分自身を騙して生きていくことができる(場合もある)からです。

It means that it is valuable for you not to "do your best" but to live your life using an illusion you will make from your "history interpolation."

部屋の中に閉じ籠って、ゲームやアニメを見る日々は素敵な人生ですが、改竄する歴史を作ることは、どうやったってできません。

Though I think playing games and watching animation is a wonderful time for you, it is impossible to make your history yourself.

リアルは、作っておくだけで良いのです。別に充実している必要はないのです。

All you have to do is to make it "Real." It is necessary to make it perfect.

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日本経済新聞に「私の履歴書」というコラム欄があります。

There are columns "personal history" in the Nihon Keizai Shimbun newspaper.

あれが、自己の歴史改竄のサンプル ―― と私は思っています。

I think that it is the best sample of "history interpolation."

じゃあ、お前はどうなんだ?と問われれば、私は自信を持って、

If someone would ask me, "What are you doing in this matter?"

―― 「私は『歴史改竄』だけで構成されている」と、自分で自分を定義できます。

I could define myself as composed of just "history interpolation," Apparently.

2023,江端さんの技術メモ

先日、1年分の研究成果がぎっしり詰ったPCが、立ち上がらなくなるというシャレにならない状況に直面し、昨日、2TBのNASを購入しました(以下の話と関係があります)。

NASは、できるだけ風通しのよい温度の低い環境の設置が望ましいので、液晶テレビの外付けHDDが置いている場所に併設しようと思いましたが、テレビ用のネットワークを別セグメントにしていたため、NASのIPが届かないことが判明しました。

ルータをブリッジモードにすれば良いのですが、そうすると既存の設定にも影響が出てきそうなの(というか、間違いなく問題が発生するだろう)で、できるだけルータの構成をかえずに対応したいと思いました。

で、ChatGPTに、以下の質問して、回答を貰いました。

私は、SMBだけ通れば良いので、ルータに以下の設定(ポート転送)をしました。

(めずらしく)さくっと、NASが通りました。

これで、研究成果が吹き飛ぶという恐怖が、幾分軽減しました。

2023,江端さんの忘備録

知らないことで人を傷つけることなんて普通にありますし、特に私は、色々な文章を書いているので、気をつけるようにしています。

It's common for people to be hurt by things I don't know, and I try to be careful, especially since I do a lot of writing.

もちろん見落としもあると思います。

Of course, I am sure there are some oversights.

それでも、盲目的に世間の風評に従うのではなく、自分で背景を調べるようにはしています。

Still, I try to do my background research rather than unthinkingly following public rumors.

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嫁さんと、ドラマ『きのう何食べた』を見ていた時ののことです。

I watched the drama "What You Ate Yesterday" with my wife.

私:「"ゲイ"が正しい用語なので、"ホモ"は使わないようにね」

Me: "'Gay' is the correct term, don't use 'Homo.'

嫁さん:「違いがあるの?」

Wife: "Is there a difference?"

どちらの言葉も同性愛者を指すけど、「ゲイ」の方がよりポジティブな意味合いで、広く使われていて、対照的に「ホモ」は場合によっては差別的な響きを持つことがある ―― というような話をしました。

I talked to her about how both words refer to homosexuals, but "gay" has a more positive connotation and is more widely used, and "homo," by contrast, can sound discriminatory in some cases -- and so on.

ちなみに、「ゲイ」は、「ゲイ」という言葉は、LGBTQ+コミュニティ内および一般的に広く受け入れられ、肯定的な意味合いで使用されており、近年では、女性同性愛者を指す場合にも用いられることもあるようです。

Incidentally, the term "gay" is widely accepted and used with positive connotations within the LGBTQ+ community and in general, and in recent years has also been used to refer to female homosexuals.

私:「"ゲイ"の方が濁音が入る分、差別的に聞こえること気もするんだけどね」

Me: "I think "gay" sounds more discriminatory because of the dull sound.

嫁さん:「私は"ゲイバー"のイメージが強いかな」

Wife: "I have a strong image of a 'gay bar.'"

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嫁さん:「性的な関心がない人のことを何と言ったっけ?」

Wife: "What did you say about someone who has no sexual interest?"

私:「"アセックス"だったと思うけど」

Me: "I think it was 'assex'."

嫁さん:「・・・ちょっと違う気がする」

Wife: "... I feel a little different."

私:「ん。調べておく」

Me: "Hmm. I'll look into it."

嫁さん:「逆に、男性と女性の両方に魅力を感じる性は、"バイセクシャル"でいいんだよね」

Wife: "On the other hand, Being attracted to both men and women is bisexual, right?

私:「うん、ただ、"バイセクシャル"の"バイ"は、"By"ではなく"Bio"から来ていたような気がする。これも調べておく」

Me: "Yes, but I think the "by" in "bisexual" comes from "Bio," not "By." I'll look into this, too.

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先程、嫁さんに送ったLINEのメッセージです。

Here is the LINE message I just sent to my wife.

■性的な関心がない人のことは、形容動詞で「アセクシャル」

- The adjective "asexual" for a person who has no sexual interest.

■男性と女性の両方に魅力を感じる性のあり方「バイセクシャル」。つづりはBisexual。 「Bisexual」の「bi-」はラテン語由来の接頭辞で、英語においては「二つの」や「二重の」という意味を持つ。

- Bisexuality is a gender identity in which one is attracted to both men and women. Bisexual" is spelled Bisexual. The "bi-" in "bisexual" is a prefix of Latin origin, meaning "two" or "double" in English.

■bioは、生物学的(biological)の略称であり、Bisexualとは関係ないようです。

- bio is an abbreviation for biological and does not seem related to bisexual.

私のような奴を、「"LGBT"分ったフリ派」とでも言うのでしょうか。

2023,江端さんの忘備録

YouTubeで、NHKの大河ドラマのクリップを流しながら仕事をしていました。

I was working on YouTube, playing clips from NHK's epic drama series.

「戦国大名」と言えば聞こえはいいですが、『所詮、やつらは、反社会勢力(暴力団等)だ』と、今さらながら気がつきました。

It sounds good to say "warring feudal lords," but I now realize that they are antisocial forces (gangs, etc.) after all.

まあ、悪意のある見解ですが。

Well, it is a malicious view.

そもそも、「法治」という概念がないのですから、「暴力」が統治の唯一の手段となってきたのは仕方ありません。

First, there is no concept of the "rule of law," so it is no wonder that "violence" has been the only means of governance.

しかし、これを敢えて法治主義の考え方から見てみると、こんな感じになります。

However, if I dare to look at this from the rule of law perspective, it goes like this.

■戦国大名とは、簡単に言えば「ヤクザの親分」、姫君は「姐さん」です。

- A Sengoku Daimyo is a "yakuza boss," and a princess is a "Sis."

■そのヤクザ集団に属していない無力な民衆は、常に、大量殺戮、陵辱、強奪の被害の対象です。

- The helpless people who are not part of that yakuza group are always the victims of genocide, humiliation, and robbery.

■大名というヤクザに対抗し得たのは、一向一揆という「武装した宗教カルト集団」でしょう。

- What could have opposed the yakuza called "daimyo" would have been the "armed religious cult group" called the Ippou Brotherhood.

総じて、NHKの大河ドラマとは、利害の調停手段が「暴力」以外にない、反社会的勢力の無法な日々を描いたドラマと総括できると思います。

In general, NHK's historical dramas can be summed up as dramas depicting the lawless days of antisocial forces with no other means of mediating their interests than "violence.

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例えば、関ヶ原の闘い(1600年)とは ―― 、

For example, the Battle of Sekigahara (1600) --,

■徳川家、ではなく関東指定暴力団「徳川組」とその下部組織の暴力団と、

- Not the Tokugawa family, but with the Kanto designated gang "Tokugawa-gumi" and its subordinate gangs,

■豊臣家、ではなく「豊臣組」の存続にメリットがあると考えた、四国指定暴力団「毛利組」を中心とする、一部の行政官僚(石田組)と、

- Not the Toyotomi family, but some administrative bureaucrats (the Ishida clan), led by the Mouri clan, a Shikoku-designated gang, who saw merit in the survival of the "Toyotomi clan" rather than the Toyotomi family,

■武力による権力闘争

Armed power struggle between the above two forces.

と把握した方が、私には分かりやすいです。

It is easier for me to grasp that.

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そんなことを考えていると、現在の、民主主義とか、法治主義とか言われているものが、まがりなりにも運用されていることは、かなりの「マグレ」か、あるいは「奇跡」のように思えます。

With this in mind, it seems to me that the current operation of what is called "democracy" or "rule of law" is a "miracle."

これが続くといいのですが ―― いえ、私の生きている間だけで十分です。

I hope this continues -- no, it is enough for my lifetime.

私が死んだ後のことは、知ったことではありません。

What happens after I die is not my concern.

政治に興味のない方、特に、若い世代の方は、今日も"Stay Home"で、投票はボイコットしましょう。