2024,江端さんの忘備録

昨日は、実験装置を詰め込んで鉄の塊のようになった旅行用のキャリーバッグを、ゼイゼイ言いながら運んでいました。

Yesterday, I was carrying a travel carry-on bag stuffed with experimental equipment, which had become like a lump of iron

運び方を間違えれば、『一発で「腰」をやられる』と思ったので、移動中は、全て、障がい&シニア向けの装置(エレベータ、エスカレータ)を使っていました。

I thought that if I made a mistake in carrying the equipment, I would get "strained back in one shot," so I used equipment for people with disabilities & seniors (elevators and escalators) for all of my transportation.

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―― 20代のころから、1mmも進歩していない

" I have not progressed one millimeter since my twenties."

と、思わず涙ぐみそうになりました。

I was almost in tears.

私の未来予想図では、『こういう作業は若い部下に命じて、私はちょっと良い服と靴の装いで、お客さまと、にこやかに会話をしている、ダンディなシニア』だったのですが ―― 今の私は『ただのシニア』です。

In my vision of the future, I had envisioned "a dainty senior who orders his younger subordinates to do this kind of work, and I am dressed in a slightly more formal dress and shoes, having a nice conversation with customers" -- but the result was "just senior."

『若者よ、大志を抱くな、後がツラい』

"Boys, don't be ambitious. It's going to be hard later."

来月、北海道大学に行ってくるので、クラーク像の前で、このフレーズを叫んでみたいです。

I am going to Hokkaido University next month and would like to shout this phrase in front of the Clark statue.

(まあ、多分やらないです。会社と大学に迷惑かけそうだから)

(Well, I probably won't do it. I'm afraid I'll get in trouble with the company and the university.)

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昨日、駅まで自動車で迎えにきてくれた娘と会話をしました。

Yesterday, I talked with my daughter, who drove me to the train station.

娘:「相変わらずハードだねえ。先日、『パパが倒れたら、驚くよりも前に、"それな"と言う』とママと話ていた」

Daughter: "You are as hard as ever. The other day, my mom and I talked about how when you collapse, we might say, 'We knew it was going to happen,' before we get surprised."

私:「今や、『いつ』『どこで』倒れるか、という予測フェーズに入っていると思う」

Me: "I think I am now in the speculation phase of 'when' and 'where' I will collapse."

娘:「そこまで分かっているなら・・・」

Daughter: "If you know that much..."

私:「でも、じいちゃん(私の亡き父)のハードには、もう、全然届かないよ。父の仕事を手伝っていた時、中学生だった私が『死ぬかもしれない』と思えるほど、キツかった」

Me: "But I can't reach Grandpa's (my late father) "hard" anymore. When I was helping my father with his work, it was so hard that I, as a junior high school student, thought, 'I might die.'"

娘:「じいちゃんは"違う"よ。あの人を基準にしたらダメだよ」

Daughter: "Grandpa is out of scope. We can't hold him to that standard.

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一昨年前、私のチームのリーダが、リモート会議中にしゃべらなくなったことがありました。

A year ago, my team leader stopped speaking during a remote meeting.

『通信障害かデバイスの故障だろう』と思っていたところ、翌日、お亡くなりになっていたことが判明し、チームが大パニックに陥りました(私は、そのミーティングには参加していなかったですが)。

They thought, 'It's probably a communication failure or a device malfunction,' but the next day, we found out that he had passed away, and the team was in a panic (I was not at that meeting).

私がつらかった時(フィールド実証実験の最中)に、バックエンドで助けて頂いた方でもありましたので、あの時は、相当なショックを受けました。

He also helped me on the back end when I was going through a tough time (during the field demonstration), so I was pretty shocked then.

―― もう人生で二度と関わりたくない文化祭

私が、その事件について、関係者の一人に具体的に聞き出せたのは、それから半年の後です。私にとって、それくらいの衝撃だったのです。

It was not until six months later that I could ask one of the people involved about the incident specifically. It was such a shock to me.

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ただ、このような人生を変えるような衝撃を受けても、結局のところ、私は、自分のライフスタイルに大きな変更を施すことができていません。

However, despite this life-changing impact, I have not been able to make any significant changes to my lifestyle.

そんな自分が「愚か者」であるという自覚はあります。

I am aware that I am such a "fool.

しかし「自分を変える」というのは、それほどに難しいことなのだ、ということも実感しています。

However, I also realize that "changing oneself" is so tricky.

2024,江端さんの技術メモ

sudo apt update

をやったのですが、

E: Release file for http://ports.ubuntu.com/ubuntu-ports/dists/jammy-updates/InRelease is not valid yet (invalid for another 8時間 53分 33秒). Updates for this repository will not be applied.

E: Release file for http://ports.ubuntu.com/ubuntu-ports/dists/jammy-security/InRelease is not valid yet (invalid for another 9時間 9分 22秒). Updates for this repository will not be applied.

などと言われてしまいました。

で、しらべてみたら、

  1. システム時刻を確認する: 時々、システムの時刻が間違っている場合にもこのエラーが発生することがあります。システムの時刻が正しいことを確認してください

てなことをいわれたので、以下の処理で対応しました。

sudo timedatectl set-timezone Asia/Tokyo

sudo apt install ntp

とりあえず、今回は、これで上手く対応できたようです。

2024,江端さんの技術メモ

昨夜、8台目のディスプレイと6台目のカメラが搬入されました。個人デートレーダに匹敵する環境になったような気がします。

気分は、学生のころは、研究室に寝袋持ち込んで、コーディングしたいたものですが −− リタイアを目前としたシニアエンジニアとは思えない状況です(と、この内容を打ち込んでいる最中も、バックエンドで、”sudo apt upgrade”が動き続けています)。

で、

Raspberry Pi 4でUbuntuデスクトップを動かして遊ぶ

を、参考にさせていただいて、vscodeをインストールしてみたのですが、普通に動く。

結構びっくりしています。

これからは、ディスプレイがあるところ(会社とか研究室)なら、ラズパイ4を持ち歩くだけで、十分かもしれません。

とりあえず拡張機能として、当然に

Japanese Language Pack for Visual Studio Code

をインストール。

で、文章作成環境も必須なので、こちらもインストールしておく

江端風、最小コストで電子書籍(PDF)を作ってアプロードする方法

vscodeでMarkdownを使って文章を書いている時、図面のコピペを文書の中にサクっと入れることができるアドイン "Paste Image"

2台目のラズパイ用にメモとして残しています。

2024,江端さんの忘備録

こちらにも記載していますが、

As noted here,

―― 『漢字はググればいい。計算は電卓使う。学校で勉強する必要がない』の仮説は棄却された("失敗した")

一時期、『漢字はググればいい。計算は電卓使う。学校で勉強する必要がない』と主張していた子どもの投稿/動画が話題になりました。

For a while, "Just Google Kanji characters. Use a calculator for calculations. There is no need to study at school,' the post/video of a child who claimed that he did not need to study at school became a hot topic.

私は、この「自らを被験者とした社会実験」の結果を期待していたのですが、どうやら、本人は、この実験から「降りて」しまったようです。

I had hoped to see the results of this "social experiment" with himself as the subject, but it appears he has "stepped down" from it.

残念です。

I am very disappointed.

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自分の人生は、自分で決めるものなので、これについて私は、いかなるコメントもする立場にありませんが、

I am not in a position to comment on this in any way, though, since one's life is one's own decision,

―― 自分と関係のない他人事として、この実験結果を知りたかった

"I would have liked to know the results of this experiment as someone else's business, unrelated to my own."

とは思います。

I thought that.

なにしろ、私は、こういう実験に、自分の娘を投入する勇気はありませんでしたから。

After all, I did not dare to put my daughter in this experiment.

ですから、そういうことを、私と無関係な他人にやってもらえることは、とてもありがたいことだったのです。

Therefore, I was very grateful to have someone unrelated to me do those things for me.

それ故、やはり残念です。

Hence, it is still disappointing.

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基本的に、私は、自分と関係のない他人が、自分と関係のないところで、何をしようと知ったことではありません。

I don't care what other people do when they have nothing to do with me.

他人である子どもの振る舞いに対して、賛成であれ反対であれ賞賛であれ批判であれ何か言う人は、『愛がある』というよりは、『暇なんだなぁ』と思います。

People who say something about the behavior of children who are strangers, whether they agree, disagree, praise, or criticize, are more 'bored' than 'loving.

私、他人の人生に口出しするほど、野暮じゃないです。

I'm not so unsophisticated as to meddle in other people's lives.

なにしろ、私は『ホームから飛び降りた人を、観測し続けるだけ』というマインドの持ち主ですから。

After all, I have the mindset of "I just keep observing people jumping off the platform.

「流れていくベビーカー」は助けるのですけどね。

I do stop "flowing stroller," though.

「いやいや、その記載は困ります」

 

2024,江端さんの忘備録

「Last Days 坂本龍一 最期の日々」を視聴ました。

I watched "Last Days Sakamoto Ryuichi Sakamoto's Last Days."

我が身を省みてみたら、

In my reflection, I realized that

―― 私もあと10年ちょっとくらいしか残っていない

"I only have a little over ten years left."

という現実に気がつきました。

もう少し長生きできるとしても、各種の障がい(認知障がいを含む)をいれれば、「残り10年」は、かなりリアルな数字です。

Even if I can live a little longer, "10 years left" is a very realistic figure if I include various disabilities (including cognitive disabilities).

とは言え、私は、坂本龍一さんのように、後世に残せるような成果もなければ、後僚に語れるような人生訓もありません。

Nevertheless, like Ryuichi Sakamoto, I have no accomplishments to leave behind for posterity, nor do I have life lessons to share with my future colleagues.

やっぱり、私の人生の総括は、こんな感じになるのかな、と思っています。

I still wonder if this is how I would sum up my life.

『本当に、意義のない、無駄な人生を生きてきたなぁ』と、つぶやきながら、私は死んでいくつもりです。

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私は「歴史」というものが、次のよりよい世代を作る、などということは、1mmも信じていません。

I do not believe that, for one millimeter, "history" will create the next better generation.

私が歴史から学んだことは、

What I have learned from history,

(1)私たちは、先人の教訓を生かせない

(1) We fail to apply the lessons of our predecessors.

「伝えなければならない想い」と「受けとらなければならない想い」は、等価ではありません。

(2)私たちは、何度でも同じ誤ちを繰り返す

(2) We make the same mistakes over and over again.

『太平洋戦争と同じような状況になれば、歴史の教訓があろうがなかろうが、私たちは再び開戦してしまう』

(3)私たちは、自分自身の失敗以外から学ぶことができない

(3) We cannot learn from anything but our failures.

『"失敗"からしか学べないなら、学ぶためには"失敗"し続けなければならない』

です。

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私が残せるものとしたら、膨大は数の失敗 ―― いわゆる「黒歴史」くらいです。

The only thing I can leave behind is many failures—the so-called "black history."

で、この「黒歴史」の意義は何かというと、「私もあんたも、しょせんは、この程度の人間だから、無理せず生きろ」という『慰め』または、『傷の舐め合い』です。

The significance of this "black history" is to "comfort" or "lick each other's wounds" by saying, "In the end, you and I are just human beings of this level, so you should live your lives without overreacting.

まあ、その程度なら、私にもできそうです。

Well, I think I can do that much.

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という訳で、これからの私は頻繁に「黒歴史」を積極的に開示していこうと思います。

Therefore, I will actively disclose my "black history" frequently.

今日は、第一弾として、

Today, as the first installment, I disclose the following,

『少年ジャンプの付録についていた「ぐんぐん背が伸びる体操」という本を購入した』

"I bought a book called 'Exercises for growing taller and taller,' which came with Shonen Jump magazine.

という黒歴史を開示しましょう。

当時、中学生だった私には、ずいぶん高い買い物だったのですが、私はそれを購入してしまいました。

It was a costly purchase for me, a junior high school student at the time, but I bought it.

で、奇妙な踊りのような体操の図を真似して、2週間ほど続けていましたが、その内、飽きてしまいました。

So I imitated the strange dance-like gymnastics diagrams and continued for about two weeks, but then I got bored.

『体操くらいで、背が"グングン"伸びるか!』ということに、気がつきました。

I realized, "Can I grow taller by doing gymnastics?

この手の怪しげな冊子や道具は、2つのアプローチで、頭の悪いティーンエイジャを騙しにきます。

These kinds of dubious booklets and tools use two approaches to fool the dim-witted teenagers.

(1)「驚きの声」

(1) "Surprised comments"

出所が全く不明な"成功者の声"というものを大量に羅列します。これで、購買者を魅了します。

They list many "testimonials" from successful people whose sources are unknown, which will attract buyers.

しかし、この「成功者」と言われている人が、本当に存在するかどうか分かりません。

However, we do not know if this alleged "successful" person exists.

(2)「大学教授の推薦」

(2) "Recommendation comments from university professors."

存在するかどうか分からない大学(外国の大学名だったりすることもある)の教授が勧めているというコメントをつける。

Add a comment that a professor at a university (sometimes the name of a foreign university), which may or may not exist, recommends it.

そもそも、その大学教授が本当に存在するかは不明です(大抵は、背広をきたシニアの写真が付いています)

To begin with, it is unclear whether the professor exists (usually accompanied by a photo of a senior citizen in a suit).

もちろん、今なら、私は色々な調査や対象や報復(下手すれば行政や司法を巻き込んで)をしますが、当然、ティーンエイジャは、そういうことを知らず、そして、できないという点で、重要な購買層、いわゆる「カモ」です。

Of course, now I would do all sorts of investigations, targeting, and retaliation (involving the government and judiciary, if poorly done), but teenagers are an essential buying group, the so-called "suckers," in that they do not and cannot know such things.

私は、『このような宣伝に騙されるな』など言うつもりはありません。

I will not say, 'Don't be fooled by this advertising.

逆に『当然に騙されるだろう』と言いますし、むしろ『その方が良い』とさえ思っています。

On the contrary, I say, 'Of course, they will be fooled,' I even think it's better that way.

こういうプロセスを経て、ティーンエイジャが、社会や大人に対する『不信感』や『憎悪』を醸成していくことが、重要だと思っています。

I believe teenagers must develop "distrust" and "hatred" toward society and adults through this kind of process.

大人になって、男や女や詐欺に騙される前のトレーニングとしては、たいへん安い授業料です。

It is a very inexpensive tuition for training by evil men and women and scams before you become an adult.

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という訳で、『世界を音楽で変える』という坂本龍一さんの偉業には、及ばないどころか、全くベクトルが違いますが、

So, although I can't match Ryuichi Sakamoto's feat of "changing the world with music," and in fact, my vector is entirely different,

『黒歴史で傷を舐め合う』という、私の世界への貢献を開始したいと思います。

I want to start my contribution to the world by "licking my wounds with black history.

2024,江端さんの忘備録

死刑執行の「当日告知」が、憲法違反かどうかが争われ、先日の判決で請求棄却されました(現在は一審判決)。

The issue of whether "same-day notice" of executions violates the Constitution was dismissed in a recent court decision (now in the first instance).

この裁判や死刑の是非はどうあれ、私は、死刑が"極刑"である理由の一つが、この「告知日の非開示」にあると思っています。

Regardless of the merits of this trial or the death penalty, I believe that one of the reasons why the death penalty is an "extreme punishment" is because of this "non-disclosure of the date of notification.

しかし、死刑制度は「死刑」でけでなく、「死刑までの毎日の恐怖」とセットになっていることは、覚えておくべきだと思います。

もちろん、「開示」したとしても、極刑は極刑です。

Of course, even with "disclosure," extreme punishment is extreme punishment.

例えば、『お前(江端)は、今日から10年後の2034年の4月17日に死ぬことが確定し、これは不可避である』と言われた場合、私は、これを「よかった」と思えるか、「いらんことを言いやがって」と思えるか、私自身にも分からないです。

For example, if someone said to me, 'You (Ebata) are confirmed to die on April 17, 2034, 10 years from today, and this is inevitable,' I don't know whether I would think this was a good thing or an unnecessary thing to say.

しかし、その『10年後』を努力によって延長したり、あるいは絶望によって短縮したりできる自由裁量 ―― これが死刑にはない。

But the discretion to extend that "10 years later" with effort or shorten it with despair -- is something the death penalty does not have.

『自分の死に方を、自分で選ぶ権利を、国家権力によって奪われる』というこの一点において、"死刑 = 極刑"であるというのが、私の意見です。

I think that the death penalty is an extreme punishment in that it deprives a person of the right to choose their way of death.

それはさておき。

Aside from that.

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死刑は、歴史的背景や犯罪抑止などの個人の見解を総合的に勘案した上で、(原則的には)私たちが「支持」している刑罰です。

The death penalty is a punishment that we "support" (in principle) after considering our personal views on the whole, including historical background and crime deterrence.

(同列に論じるのは乱暴ではありますが、例えば)同性婚が正式に認められるのは、時間の問題であろう、と思っています。

I believe that it is only a matter of time before same-sex marriages are officially recognized (although I think it is wild to put them in the same category).

司法の判決が、年々少しずつ変っているのが見えるからです。

We can confirm that the judiciary's rulings are changing gradually from year to year.

しかし、死刑制度に対する国民の感情は、原則として「死刑制度支持」だと、私は思っています。

However, I believe that, as a general rule, public sentiment is "in favor of the death penalty.

そもそも、私が調べている限り「死刑制度は違憲」を争点とする裁判が少ない。

As far as I know, there are few court cases on the issue of "the death penalty is unconstitutional."

その争点も、概ね「残酷か否か」です。

The issue is also generally "cruelty or not.

「制度」そのものと闘っている裁判としては、(私は)この判決文しか知りません(私が見落している判例があれば、誰か教えて下さい)。

This ruling is the only court case I know of (that I am aware of) fighting the "system" itself. (Please let me know if there are any precedents I am missing.)

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しかしながら、私たちには、この制度が適正に行われているかどうかを、チェックする「義務」があると思っています。

However, we have a "duty" to check whether this system works well.

つまり、

Namely,

―― 死刑執行の立ち会い

"witnessing an execution."

です。

「裁判員制度」と同じ枠組み(*)で、「死刑執行の立ち会い制度」も設けるべきでしょう。

We should apply the same framework as the "jury system" (*) to the "system of witnessing executions.

(*)有権者からくじで選んで作成した名簿に基づいて通知され、正当な自体事由なければ、裁判員になるこことを拒否できない

(*)Notification is made based on a list drawn up by lottery from among the voters, and a person cannot refuse to be a judge without cause.

もちろん、この制度は、安易に導入すべきではなく、もし導入するのであれば、議論の限りを尽さなければならないとは思いますが ――

Of course, we should not install this system easily; if it does, we will have to discuss it in depth.

原理原則の行政論をするのであれば、「死刑執行の立ち会い制度」が『ない』というのは、大変奇妙な話なのです。

If we are to make an administrative argument of principle, it is extraordinary that there is no "system of witnessing executions."

なぜなら、これは「行政処理の開示」に該当するからです。

The above is because this falls under the "disclosure of administrative processing."

強制参加は、"さすがにちょっと"というのであれば、希望者による申請制度として運用すべきです。

If mandatory participation is "too much to ask," then the program should be operated as an application system for those who wish to participate.

(強制参加を命じられた人が、その恐怖で事故(自殺を含む)などおこしたら、大事件です)

(It would be a significant incident if a person who participates in the program caused an accident (including suicide) due to fear of being forced to participate.)

申請制度に関しては、厳しい審査(死刑に関する歴史的背景や司法、または行政処理のプロトコルの理解がされているか等のテスト)を必要とするのは当然です。

As for the application system, it is evident that it requires a rigorous examination (tests such as whether the historical background and judicial or administrative handling protocols regarding the death penalty are understood).

また、人権問題として、死刑被執行者による、開示/非開示の許諾も、当然に必要でしょう。

In addition, as a matter of human rights, permission for disclosure/non-disclosure by the person executed would naturally be required.

これをさらに考えると、犯罪被害者の遺族は、死刑被執行者の許諾を得ずに、立ち会いの権利が生じるか?、なども考える必要があるでしょう。

To consider this further, does the bereaved family of a crime victim have the right to be present without the permission of the person executed? And so on, need to be considered.

(今さらながら、私、この観点を見過していました。例えば、確定死刑の後、戸籍や住民票の取り扱いはどうなるんだろう、とかいう、かなり卑近なことも含めて(さらには、再審請求で、判決がひっくり返ったら?とか))

(Now that you mention it, I had overlooked this point of view. For example, what happens to the family register and certificate of residence after a definite death sentence, and other relatively trivial matters (and what happens if a request for a retrial overturns the sentence? and so on))

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ちなみに、もし、この制度が設立されれば、私は申請します。

By the way, I will apply to this program as soon as it starts.

私は、この社会を、私自身の「血塗られた手」によって維持している ―― という自覚があり、それを肯定します。

I am aware that I am maintaining this society by my own "bloody hands" -- and I affirm that.

それゆえ、私は、私の「血塗られた手」を、抽象ではなく、具象として、自分の目で見届ける義務がある、と思っています。

Therefore, I believe that I am obligated to watch my "bloody hand" with my own eyes, not as an abstraction but as a concrete object.

2024,江端さんの忘備録

先日、大学でB4(大学4年生)のゼミの歓迎会がありました。

The other day, there was a welcome party for the university's B4 (fourth-year college students) seminar.

私は、飲み会が得意ではないのですが、大学の一室を借りての、ピザとビール(ソフトドリンク)の、1時間強くらい飲み会であれば、出席することがあります。

I'm not too fond of a drinking party, but I may attend a party where we rent a room at the university and have a little over an hour of pizza and beer (soft drinks).

「ちょっと長めの夕食」と思っています。

I think of it as "a slightly longer dinner."

疲れないし、その後も普通に業務できますから。

I don't get tired and can do my work normally after the party.

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ゼミ生の半分が外国の人であるので、どうしても、会話が英語ベースになってしまうことは、諦めています。

Since half of the seminar students are from foreign countries, I have resigned myself to the fact that, inevitably, the conversation will be English-based.

しかし、話題が上手く振れていないことには、申し訳なく思っています。

However, I am sorry that I cannot provide the topic well.

先日の歓迎会では、

At the welcome party, I apologized to an international student.

『いつも、"ムスリムの人達の生活"や、"日本でのラマダンの過し方"とか、そういう話題に偏ってしまってゴメンね』

"I apologized for always being biased toward topics such as "the lives of Muslims" and "how to spend Ramadan in Japan."

と、謝っておきました。

どうしても、私の興味は、そちらに傾いてしまうので。

Inevitably, I direct in a particular direction.

先日、建物の薄暗い階段の踊り場で、お祈りをしている(ムスリム?の)女性を見ました。

そういえば、すでに、大学には"お祈りスペース"が作られているそうです。

I heard there are already "prayer spaces" at universities.

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こんな私でも、

I could not even ask him the following question.

『ムスリムの人にとって、"ハラル"は重要だと知ってはいますが、それでも"豚骨ラーメン"は魅力的ではないですか?』

"I know that "halal" is important for Muslims, but doesn't "pork ramen" still appeal to you?"

という質問だけは、できませんでした。

―― なぜ、クラフトノンアルコールビールが製造販売されないのか

 

2024,江端さんの忘備録

NHK看板番組「プロジェクトX」が18年ぶりに復活しました。

NHK's signature program, "Project X," is back after 18 years.

現場のリアルなエンジニアの描く番組として、大変に期待しておりましたし、すでに2回の放送を終えて、大変満足しております。

I had very high expectations for this program to portray real engineers in the field, and after two broadcasts, I am delighted with the program.

くりかえしますが、私は「大変に満足しています」。

Again, I am "delighted.

これからも、この番組を期待しております。

I look forward to continuing this program.

このように、私が散々念を押しているのは、今から記載する内容が、「アンチ・プロジェクトX」のように読めるからです。

I am reminding you of this in a scattered manner because what I am about to describe reads like an "anti-Project X."

しかし『誰かが言わないと』とも思うので、私が言います。

But I also think 'someone has to say it,' so I will.

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(1)我が国のエンジニアの取り扱いは、非常に悪い ―― 待遇も、年収も、技術に対する理解も

(1) Engineers in our country are treated very poorly in terms of treatment, annual income, and understanding of technology.

(a)だからこそ「プロジェクトX」は、見落されているエンジニアに照明を当てる『優れた番組』として受け入れられている

(a) That is why "Project X" is accepted as an "excellent program" that illuminates overlooked engineers.

(b)だが、逆に『エンジニアの地位を低いままに維持する』ことを受容する風潮を作っているとも言える

(b) On the other hand, the program creates a climate of acceptance for 'keeping the status of engineers at a low level.'

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(2)目標を達成したエンジニアを、その上司ですら公に褒めようとしない

(2) Not even their supervisors are willing to praise engineers who have achieved their goals publicly.

(a)「プロジェクトX」では、徹頭徹尾、このような上司の振る舞いが「美徳」として取り扱われている。

(a) In "Project X," this kind of boss behavior is treated as a "virtue" throughout.

(b)このような職人かたぎの「徒弟システム」が、エンジニアを低い地位に貶めている

(b) This craftsman-like "apprenticeship system" has reduced engineers to a low status.

(c)『心の中で評価している』は「評価していない」と同義である。今の価値観から大きくズレており、今回も、昭和の価値観で番組が制作されている

(c) "I appreciate you in my mind" is synonymous with "I don't appreciate you, which is a significant deviation from today's values, and again, they produce the program with Showa values.

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(3)エンジニア自身が、自分の技術を公に発表しようとしない

(3) Engineers themselves are not willing to publicly announce their technology.

(a)『謙遜の美徳』という名の『情報発信の怠慢』が目につく。自分の仕事を広く評価させようという努力がエンジニア自身に足りなさすぎる

(a) The "Neglect of information dissemination" in the name of "virtue of modesty" is noticeable. The engineers themselves make too little effort to have their work widely appreciated.

(b)もちろん、知財か企業秘密の話があるとしても、やり方は色々あるはずである。自分の仕事を正しく発信し、その有用性を主張しないと、その技術は廃れていく

(b) even if we talk about intellectual property or trade secrets, there are many ways to do it. If you don't disseminate your work correctly and insist on its usefulness, the technology will fall into disuse.

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(4)『弱小集団の逆襲』というシナリオに偏りすぎている

(4) There is too much bias toward the "weak group strikes back" scenario.

(a)もちろん、『弱小集団の逆襲』はドラマとして面白い

(a) "The Weak Group Strikes Back" is an exciting drama.

(b)しかし、プロジェクトの成否は、(残念だが)基本は、投資(金)と人材(人)と期間(投資を続けられる限界)でほぼ決まる、と言っても過言ではない

(b) However, it is no exaggeration to say that (unfortunately) a project's success or failure is determined by its investment (money), human resources (people), and time frame (the limit to which the investment can continue).

(c)上記(b)はエンジニアリングに限定なく、全てのプロジェクトに共通して言えることであるが、この理解がされないままで放置されている

(c) The above (b) is not limited to engineering but is expected for all projects, but this understanding is left unexplained.

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(5)「プロジェクトX」で取り上げている「失敗」の話が、"技術"と"人事"の方向に、微視的に偏りすぎている

(5) The stories of "failure" covered in "Project X" are too microscopically biased in the direction of "technology" and "personnel affairs.

(a) 技術的失敗に偏っているが、プロジェクトの失敗の多くは、市場調査不足と下準備の不徹底である

(a) Although biased toward technical failures, most project failures are due to inadequate market research and poor preliminary preparation

(b)その話を欠いてドラマを作るのは、著しく客観性を欠いているように思える

(b) To create drama without that story would seem grossly lacking objectivity.

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(6)上記(1)~(5)について語っている人がいない

(6) No one talks about (1) through (5) above.

(a)上記(1)~(5)について熟知している人(組織学をやっている大学の教授とか、国家プロジェクトの予算管理をしている官僚とか)は、我が国には山ほどいるはず

(a) There must be a lot of people in our country who are well versed in (1) through (5) above (e.g., university professors doing organizational studies, bureaucrats managing budgets for national projects, etc.)

(b)しかし、「プロジェクト管理」の観点から「"プロジェクトX"を評価をしている人」を見たことがない(あるいは、沈黙をしつづけている。まあ気持ちは分かるが)

(b) However, I have not seen (or have remained silent about) anyone evaluating "Project X" from a "project management" perspective. Well, I understand how you feel.)

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(7)総じて「プロジェクトX」は、「エンジニアの夢や希望を搾取」して「プロジェクトを完成させた」というストーリで構成されており、現在の若者への「やりがい搾取」と1mmも変わっていないように見える

(7) In general, "Project X" "exploited the dreams and hopes of engineers" to "complete the project," which does not seem to have changed one millimeter from the "exploitation of their challenging " of today's youth.

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再度、くりかえしますが、私はNHKの「プロジェクトX」に「大変に満足しています」。

Again, I am "delighted" with NHK's "Project X."

"少々"気になる点はありますが、これからも番組を楽しみにしております。

I am "a little" concerned, but I look forward to more of your programs.

kobore_2637.txt(H君からのメール)

 

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江端家公認の「暴力装置」の江端です。

I am Ebata, the official "violent device" of the Ebata family.

『江端家における、家長であるこの私(江端)の役割は、この外交 ―― "交渉"と"戦争"である』

暴力装置の実施例としては、

Examples of violent devices include,

(1)学校の校長室に、直談判・・・もとい、話し合いをしにいったことがある

(1) I once went to the principal's office of a school to knock him down, or rather, to discuss the matter with him.

(2)年金センタで、形式不備の書類に対して、役所の責任の所在について争って、不備書類を受理させたことがある

(2) Once, at a pension center, I disputed the responsibility of the government office for an incomplete document and had the incomplete document accepted.

(3)スマホの解約と契約に関して、不誠実な対応に対して、期限を定めて対応を強制完了させたことがある

(3) I have forced a customer to complete the cancellation and contract of a smartphone by setting a time limit for the customer to respond to a dishonest response.

などでしょうか。

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いずれも、私以外の家族の問題だったのですが、当事者は、私が窓口で闘っている最中に、スマホや本を読んでいる落ち着きぶりです。

In each case, the problem was a family member other than myself, but the parties involved were restless, reading their phones or books while I was fighting with them at the counter.

私が出張ってくる前に、

Before I joined the problem,

『私の父が、"本気"で動き出したら、あなた"本当"に"終わり"ますよ』

"If my father comes, he will kill you.

と言ったとか。

I heard that she said that.

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私の場合、カスハラ(カスタマーハラスメント)とは一線を画してます。

In my case, the following are not customer harassment.

(1)事件の経緯を時系列に並べて、文面に記載する

(1) I list the case process chronologically in the text.

(2)(こちら側も含めて)事件の責任の所在を、きちんと分離する

(2) Properly separate the responsibility for the incident (including our side).

(3)その上で、事件の問題点を双方で確認する。

(3) Then, both parties confirm the issues in the case.

(4)上記(1)~(3)を含めた上で、規則と法律と常識(社会通年)に照らして、どちらにどれだけの不合理と不利益があるかをまとめる

(4) After including (1) through (3) above, summarize which is unreasonable and disadvantageous in light of the rules, the law, and common sense (social common sense).

このように、背景、課題を明確にした上で、

Thus, after clarifying the background and issues,

(5)双方の落とし所を探して、必要な対応を要求し、かつ、こちらが準備している対応(×報復)手段を相手側に、明確に伝える。

(5) Find a compromise point for both sides, demand the necessary response, and inform the other side of the reaction (x retaliation) measures we are prepared to take.

(6)指定した機関内に、相手側が対応を実施しない場合、対応(×報復)を"100%"実行する。

(6) If the other party does not take action within the specified period, the response (x retaliation) is executed "100%".

この辺のアプローチは、(自腹切って通っていた)法学ゼミの勉強が活用できているように思います。

I think I have been able to use my studies at the law seminar (which I attended at my own expense) in this approach.

私は、『この世の中に無駄な勉強などない』などとは言いませんし、『さすがに、それは嘘だろう』と思います。

I would not say, 'There is no such thing as useless study in this world,' I think, 'indeed, that would be a lie.

でも『勉強したことが役に立つことは多い』という気はしています。

But I feel that 'what I have studied is often helpful.

分かりやすい『部内恋愛禁止』の制度趣旨

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娘:『パパって、"無理"を通すのが上手いよね』

Daughter: "You're good at making things impossible, aren't you, Dad?

江端:『それは断じて違うぞ。私は"法律"や"ルール"に基づいて主張をしているだけだ。それ以上のことも、それ以下のこともしていない』

Ebata: "That is not true. I am only making a statement based on the "law" and "rules. I am not doing anything more or less than that.

私は、本当にそう信じています。

I genuinely believe that.

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多くの人からは、受けいれて貰えないかもしれませんが、私は普段から、

I know many people may not accept this, but I usually think.

―― 『法律の使用方法』って、『数学の証明』や『プログラムのアルゴリズム』に似ているよなぁ

"How to use the law" is like "mathematical proofs" or "program algorithms."

とは、思っています。

―― 法律とは、「数学の証明」あるいは「システムのプログラミング」と同じである

2024,江端さんの忘備録

政府の機能を、乱暴に2つに分けると、内政と外交です(もちろん、他の分け方もあります)。

Government functions have two categories: domestic and foreign affairs (there are other ways to divide them).

マキャベリの君主論では、戦争は外交の一手段(あるいは、戦争を回避する手段として外交)と言っているようです。

Machiavelli's theory of monarchies seems to say that war is a means of diplomacy (or diplomacy as a means of avoiding war).

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『江端家における、家長であるこの私(江端)の役割は、この外交 ―― "交渉"と"戦争"である』

In the Ebata family, my (Ebata's) role as the patriarch is diplomacy, negotiation, and war.

というようなことを、次女が言っていました。

The second daughter said something like the above.

また、先日、長女から以下のようなLINEメッセージがきました。

I also received the following line message from my first daughter the other day.

なぜ私の家族は、問題が解決すると、直ちに『私(江端)が"交渉"と"戦争"によって片づけた』と思うのだろうか。

Why do my family members immediately think, "I (Ebata) made it go away through 'negotiation' and 'war'" whenever the problems get resolved?

私が、江端家専属の暴力装置(軍隊や警察)のように思われているのは、甚だしく心外です。

It is disconcerting to me that people think that I am like the Ebata family's violent apparatus (the police and the Self-Defense Forces).

でも、姉からもそう思われていたなぁ、と言うことを思い出しました。

But I remembered that my sister thought so, too.

姉:「(市役所に)何かした?(しかけた?)」