2014,江端さんの忘備録

中学や高校の課外クラブ活動(いわゆる部活)というのは、私達にとってはごく普通の日常であったと思います。

Extracurricular activities in junior high/high school are every day in Japan.

何のコラムで読んだのか忘れましたが、中国では、この「部活」という概念がなく、アニメやコミックの中で登場する、この「部活」が一種のフィクションまたはイリュージョンとして把握されているらしいとのことです。

In China, there is no concept of "Extracurricular activity in junior high/high school," Chinese people grasp that it is a kind of fiction or fancy dream.

『文化の違いだなぁ』と深く感に入ったのを覚えています。

I moved to hear the story by thinking of a "different culture."

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日本のアニメやコミックでは、よく「風紀委員」というものが登場します。

"School committee for discipline" often happens in Japanese comics and animation.

特に恋愛もののコンテンツに良く登場します。まあ、「恋愛」と「風紀」というのが対立概念(か、どうかは知りませんが)から導かれるストーリーが、面白い、と。

It is about to appear in love stories. The opposition between "love" and "moral" amuses readers.

実は、私、この「風紀委員」なるものが、フィクションだと思っていたのです。

To tell you the truth, I thought "School Committee for Discipline" was a fiction

昨日まで。

Until yesterday.

嫁さんの高校に、風紀委員がいたと聞いて驚いてしまいました。

I was shocked to hear from my wife that "it existed."

私の狭い概念では、

By my narrow thought

風紀委員

"School committee for discipline"

組織による私生活への干渉

"Enforcement of personal privacy" by school

国家による表現の自由の制限

"Restriction against freedom of expression by government"

戦前の特別高等警(いわゆる特高)

"Special political police in WW2"

ちょっと他の人とは違う、歪な閉じた思考形態が完成しておりまして、「風紀委員」なる存在を(無意識に)拒否していたようです。

I have completed the above funny sequences and unconsciously denied the existence of the "School Committee for Discipline" for a long time.

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まあ、私も、中学や高校では、生徒会役員として、生徒の自主的な表現の自由(頭髪、着衣、その他)の弾圧を続けていましたし、

However, I kept cracking down on students' free expression (hairstyle, clothes, etc.) as a member of the student government.

今でも、会社で、安全衛生委員として、社員の職場環境を、会社の規定されたフォーマット("5S"なるルール等)に押しつけるように弾圧を続けています。

Now, I keep cracking down on coworkers to enforce company rules("5S", etc.) as a safety and health committee member.

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自由を標榜する者が、自由の弾圧者である ―― ということは、結構、普通に見られる日常ですけどね。

"A person who advocates free is a person of coercion" in a day-to-day situation.

2014,江端さんの忘備録

私は学生の頃、大学の自治会の役員に立候補したことがあるような気がします。

When I was a college student, I was about to become a candidate of student association.

なんで、そんなあいまいな言い方をするかというと、―― よく覚えていないからです。

The reason why I tell you like such an ambiguous talking is that I don't remember it.

私の大学時代は、大きく前半と後半に大別できると思っております。

I think I can divide the former college life, and the latter.

前半を代表する内容はこちら「正しいデモのやりかた」になります。

This "Right way to demonstrating" was a representing column of the former, and

後半を代表する内容はこっち「やさしい水素爆弾の作り方 」ですね。

This "Right way to make hydrogen bomb" is of the latter.

大学自治会と強いコネを持っていたので、「名前を貸してくれ」と言われたら、ホイホイと名前を貸していたりしていた訳です。

At the former period, I had a strong connection with the association, so I usually gave my name easily.

ま、そんな訳で、

For the reason,

様々な政治的な集会のポスターが無秩序に張られ、ペンキで「インターナショナルの歌詞」や、チェ・ゲバラやトロツキーの語録が書き殴られた壁の中、

I could be in a walk around the front office of the association, that there are many posters and graffiti a politically charged term on the whole walls.

自治会本部の部屋にスタスタと入っていく私を、工学部の友人達は、畏怖(というか驚愕というか、嫌悪というか)の目で見ていたように思います。

I think that my friends of engineering department looked at me with awe (or consternation or disgust).

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ある日のこと、鴨川の東側に位置する、日本を代表する国立大学を拠点とする左翼集団が、こともあろうに、私の大学のキャンパスで集会を開いていました。

At a day in my college life, left-wing militants based on the famous National University in Kyoto occupied the college campus and held a rally.

私は激怒しました。

I was inflamed with rage.

これが学内の極右団体の集会や、カルト宗教団体の勧誘であったとしても、私はこれほどには怒らなかったと思います。

Even if they were right-wing extremists or religious cults, I believed that I didn't be in a rage.

他の大学の団体に、自分の大学のキャンパスを占拠されている屈辱で、体が震えるほどの怒りを感じました。

I felt tremble anger with abasement with controlling effectively by left-wing militants of neighbor college.

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『先輩、こんな暴挙を許していいんですか! 武装して強制排除しましょう!!』

"Can we forgive this outrange, Chairman! Armed and let's eviction!!"

I exclaimed.

と叫び続ける私に、自治会の先輩は、私には応えず、彼等の集会を冷静な目で観察し続けていました。

The chairman of the association ignored me, and he kept silent and watching them quietly.

その態度は(江端、今は動くな)と無言の圧力をかけるものでした。

The attitude seemed to be a kind of pressure for me, with "Ebata, don't move now"

今になって思えば、自治会の先輩の判断は正しいものだったと思います。

Now I think that his judgment seemed to be correct.

彼等の全国的な組織力、武力、統率力等、そして「彼等は集会を終えれば、立ち去る」ことなどを、総合的に判断すれば、

I should have thought of their powers, organizations, forces, and the fact "they left from our campus eventually".

こちらから「仕掛ける」ことは、政治的に正しい行動ではなかったのです。

"Lunching any attach from our side" was not correct politically.

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今、クリミア半島では、ロシア軍による実効支配中が進行中のようです。

Now in the Crimea peninsula, the Russian military seems to be in progress under the effective control.

そこには、私のような者と、先輩のような者がいるはずです。

There seems to be two types of person in peninsula, like me and like the chairman.

彼らがどう動くのか、今、私は注意深く見守っています。

I am watching carefully how they move now.

2014,江端さんの忘備録

クローンに関するコラムを執筆していて、

When I wrote the column about human-clone, I think that

■世間のヒトクローンに対する嫌悪感が凄く大きい

Disgust of ordinary people against human-clone is bigger that I expect.

というよりは、むしろ、

Moreover,

■私のヒトクローンに対する嫌悪感が凄く小さい

Disgust of me against human-coke is smaller than ordinary people expect.

ということに気がつきました。

なんで、そうなるのかなぁと、ボンヤリと考えていたのですが、最近、その理由の一つに思い当たりました。

I was absorbed in thought, I noticed one reason recently.

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私は、パソコンのバックアップを目的として、定期的にパソコン全部のソフトウェア(OSレベルから)のクローンを作成・保存しています。

I make and save the PC software clones in order for the software backup regularly.

全く同じ機種のPCも持っていますので、そのクローンをそっくりそのままコピーして使い回すことができます。OSの再構築をしなければならない時など、泣けてくるほど、助かります。

I have more than two PCs that have perfect same hardware specifications, so I can use the clone of a PC for other PC. When I have to reconstruct the operating system, I think that it is dreadful useful.

また、PCがウイルスに感染した時や、また原因不明で動かなくなった時には、そのクローンを入れ直せば、そのクローンを作った時の状態まで、完全に戻すこともできます。

Other, when the PC is infected with virus or don't work for unknown case, I can recover the PC perfectly at the time of making the clone.

とにかく、パソコンのクローンは、すごく便利なんですよ。

Anyway the PC clone is very useful.

そして、クローンのパソコンは、当初の状態から色々な変更(新しいソフトウェアの追加や、周辺装置の追加等)が加えられて、当初のパソコンとは、全く別のパソコンに変っていくことも知っています。

Additionally, the PC that installs the clone, become to change from the original, because I will add and modify other software in the PC later.

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で、結論ですが

In conclusion,

クローンは、確かに発生時においては完全に同じものではあるが、その後、オリジナルからどんどん別のモノに変わっていく ―― ということを、私は、他の人よりは、実感できる立場にある

I know well that even if the clone is generated, it is going to change to other easily at rapid paces.

と、いうことが、

■私のヒトクローンに対する嫌悪感が凄く小さい

The above is one of the reasons why the disgust of me against human-coke is smaller than ordinary people expect.

の、理由の一つではないかなー、と思っています。

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たとえ、私が私のヒトクローンが誕生させたとしても、彼は私とは全く異なる独立した人格を有する人間となる ―― という、何の根拠のない自信があるのです。

I have a groundless self-confidence that if I generate a human-clone of mine, he is growing up as a person with an independent character.

もちろん、「私が100%間違っている可能性」はありますが、これは実際に、ヒトクローンを作ってみないと分からないことでしょう。

(コラムでも説明しましたが、法律が禁止していますので、現実には無理です)

Thought there is a possibility of whole my misunderstanding, of course, nobody might know what is going to happen in fact.

(As a matter of fact, it is impossible to make the human-clone because of a Japanese law.)

そもそも、「パソコンのクローンと、ヒトのクローンを、同じレベルで論じるのは、あまりに乱暴すぎるだろう」という理屈も、実のところ良く分かってはいるんですけどね。

To tell you the truth, I understand that it is too extreme logic to compare the clone of PC with of human.

2014

今年もやってきました。

It is coming this year.

私の神経を逆撫でする、あの"JMI"が。

"JMI", that gets up against me every year.

JMIについて、私がこれまでに、どれだけのことを書いてきたのだろうかと思い、Googleに教えて貰いました。

I wonder about how many times I had written this issue in my dairy, and I researched them by Google.

ふむ、こんなもんか。

Hmm, that is it.

JMIは、TOEICよりはマシかもしれません。

Though JMI looks like superior to TOEIC,

しかし「平気で嘘の分析結果を出す」分だけ、JMIの方がTOEICよりも「たちが悪い」と言えます。

It seems to be worse than TOEIC, in order that JMI outputs disorganized analyzed results to us.

と言う訳で、昨日、私は同僚に、こんな呼びかけをしてみました。

So, I tried the call my colleagues about the followings by e-mail.

**********************************

From: Tomoichi EBATA

To:

(前略)

他の質問はさておき、

Beyond the other questions, would you please write down for the following question and answer?

================================

「宇宙から声が聞こえる」 → はい

================================

"Can you hear voices from outer space?" => "Yes"

とするという、記入をお願いできませんか。

**********************************

というメールを送りました。

ところが、同僚から、

However, a colleague replied me

『常日頃から「宇宙から声が聞こえる」と触れ回っていた教師が存在した』

"There was a high school teacher who always says "I can hear the voice from outer space"

という報告を受けました。

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うーむ。

Umm,

『その内容が事実ならば、この手のテロはまずいなぁ』と考え直しています。

I am changing my mind, “If it is true, this silent terrorism is not suitable for JMI"

2014,江端さんの忘備録

北朝鮮の衛星実験用のロケット発射が、国際連合安全保障理事会決議(以下、安保理決議)に違反ということで、現在国際的な非難を浴びています。

一方、日本は、あの「はやぶさ」を含めて、多くの人工衛星を打ち上げているのですが、こっちは安保理決議には引っかかっていないようです。

どこに違いがあるのかと、ちょっと気になったので、調べてみました。

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○「安保理決議1874」というものが、この対象らしい。

○概要は、2009年6月12日に国際連合の安全保障理事会で採択された朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)に関する決議。

○背景は、北朝鮮が2009年5月25日に行った核実験。

○内容は、経済制裁、公海上、海港、空港での兵器または部品などの強制検査し、破壊する権限を加盟国に与えること。

○ちなみに、安全保障理事会を構成する国、15カ国、全会一致で可決された。

(ちなみに常任理事国とは、米国、英国、中国、仏国、露国の5カ国、非常任理事国は、持ち回りで、今は、オーストリア、ブルキナファソ、コスタリカ、クロアチア、日本 、リビア、メキシコ、トルコ、ウガンダ、ベトナムの10カ国)

と、ここまでが客観的事実。

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以下、私の主観。

ということは、安保理決議は、国際条約ではない。いわゆるパリ条約やTrip条約のようなものではないのです。

つまり、<北>には、この決議を遵守する法的根拠はなく、そして、守らないからといって、国際司法裁判所に引っ張られる訳でもないことです。

そもそも、その成立プロセスからして、法的拘束力が生じる訳がない。

成立プロセスを擬人化して語れば、

(1)乱暴者で、隣の家に時々火を投げつけたりする、皆から評判の悪い"K"君がいた。

(2)彼が学校を欠席していた時に、『K君がこれ以上悪いことする、またはしそうになったら、皆で文句をいってもいいし、必要ならやっつけてもいい』というルールを、「K君抜き」で作った。

(3)K君は自分で作った花火を試してみたいと思っている。けど、回りの皆が、それは、K君のクラスの友達の家を放火する為の予備的な実験だ、と決めつけて、『みんな(ただしK君を除く)で決めた、(K君にだけ使われる)ルールなのに、ルール違反だぞ』と言っている、と。

まあ、こんな感じですかね。

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「はやぶさ打ち上げ」と「今回の<北>のロケット打ち上げ」の間には、本質的な差はない、ということです。

ただ、「これまでの<北>の所業が悪すぎて、国際的に額面通りに信じて貰えていない」という、この一言に尽き、「北」から見れば、「卑怯な欠席裁判をやられた」と思えるでしょう。

# いや、実際には、出席してヤジっていたと思うけどさ。

そこへ行くと、我が国は国際的な優等生です。(但し戦後の常任理事国支配の体制下で、という意味ですけど)

我が国は、間違っても、人工衛星ロケットに核弾頭を乗せて、どこかの国に飛ばす、というような疑いはかけられていない訳ですよ。

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「北」は勝手にルールを作られるだけの所業をしてきたし、していると思う。

少なくとも、この点において、私に疑義はない。<北>を擁護する言葉など、一言もない。

しかし、だ。

(1)国際法と国内法の調整や論理の組立てで、法律の学者が実務者が、どれほど苦しい理論を作りだして、非常に長い時間を経て、それを定説にまで高めていることを知っている ―― ちょっとばかり条約や法律を勉強している私としては、

(2)

(a)現時点で、世界を100回近く全滅させる程度の核兵器を保有し、自然環境を根底から破壊するような核実験を2000回以上やってきた常任理事国ふぜいが、

(b)「安保理決議」を、国際法、または国際条約のように語り、あたかも絶対的正義のごとく主張しているという事実や、

(3)
(a)我が国は、全ての核兵器保有国(<北>は勿論、常任理事国も含む)に対して、何の後ろめたさもなく彼らを批判できる絶対的優位な立場にありながら、

(b)「安保理決議」の意義や効力について、国民に何も知らせることなく、だらだらと報道を続けるだけの我が国の政府やマスコミを、

―― 心底から、不快に思う。