2024,江端さんの忘備録

先日、学会のホテルの予約をしたのですが、間違って喫煙室を予約してしまいました。

The other day, I made a reservation at a hotel for a conference, but I made a mistake and booked a smoking room.

というか、今も「喫煙ルーム」って残っているんだなぁ、と、妙な感心をしてしまいました。

Or rather, I was strangely impressed that “smoking rooms” still exist.

私、以前、間違えて新幹線の喫煙席選んで、10分で頭痛がして、1時間半、ずっと立っていたことがあります(というか、昔は、新幹線に喫煙車両があったんですよ)。

I once mistakenly chose a smoking seat on the Shinkansen and got a headache after 10 minutes, so I had to stand for an hour and a half (or rather, there used to be smoking cars on the Shinkansen).

信じられないかもしれませんが、昭和は「禁煙エリア」が圧倒的に少数で、デフォルトが喫煙エリアだったのです。

Believe it or not, there were very few “no smoking” areas in the Showa period, and the default was a smoking area.

平成あたりから徐々に勢力図が変化してきて、今は、「喫煙エリア」が少数というか、かなり絶滅に置い込まれています。

Since around Heisei, the balance of power has gradually shifted, and now, “smoking areas” are few and far between or have almost become extinct.

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私の感じでは、米国から後追いで10~20年といったところでしょうか。

I think it will be 10 to 20 years behind the United States.

2000年あたりで私が米国で働いていた時は、オフィスの同僚は、完全防寒の装備をして、喫煙の為にマイナス10度の屋外に出ていきました(大袈裟ではないです。冬のコロラドは、本当にマイナス10度になります)。

When I was working in the US around the year 2000, my colleagues at the office would smoke outside in the minus 10-degree weather, fully equipped for the cold (I'm not exaggerating—it really does get minus 10 degrees in Colorado in winter).

江端さんのひとりごと 「ホワイトアウト」

『そこまでしても吸いたいのがタバコ』というものですよね。分かりますとも。

'Even if it means that much, I want to smoke.' I understand.

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喫煙エリアの縮小傾向の日米間の遅延は15年でしたが、国内における、関東エリアから地方エリアへの波及は、私の所感では「年速50km」という感じでしたね。

The delay between Japan and the US, where smoking areas were shrinking, was 15 years, but the spread from the Kanto area to the local regions of Japan was, in my opinion, like “50 km per year”.

うん、名古屋は、関東エリアから確実に6~10年は遅れていたと思う。基準は「飲食店」(の、特に"コメダ")ですね。分煙エリアがなくて驚いたことを覚えています(今は、すっかり変っていますが)。

I think Nagoya was 6 to 10 years behind the Kanto area. The benchmark is “restaurants” (especially “Komeda”). I remember being surprised that there were no smoking areas (although that has completely changed now).

これは、良いとか悪いとかの話ではなく、トレンドの浸透率には距離が関係しているという、一般の物理法則の話です。

This is not a discussion of whether something is good or bad but of the general physical law that distance is related to the penetration rate of trends.

あと世代間距離、というのもありますね。これは、コンプライアンスに関して顕著です ―― 年寄(シニア)の世間との"ズレ"というのは、避けられません。私もあなたも。努力は怠ってはなりませんが、私たち(シニア)が時代についていけないことは、もう諦めましょう。

There is also the issue of intergenerational distance. This is particularly noticeable regarding compliance - there is no avoiding the gap between the older generation and the world around them. Neither you nor I can prevent this. We must not neglect our efforts, but we must also accept that.

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西田敏之さんの代表作映画である「釣りバカ日記」が地上波で放映できないのは ―― まあ、いわゆる、放送できないんですよ。

Toshiyuki Nishida's masterpiece, “Tsuribaka Nikki,” can't be broadcast on terrestrial TV because it isn't available.

大炎上間違いなしですから(多くは語りませんが「コンプライアンス」です)。

It's sure to be a huge hit (I won't say much, but it's about “compliance”).

 

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江端さんのひとりごと
「ホワイトアウト」

2001/02/10

 

昨年9月24日に、コロラド州のフォートコリンズで、私たち夫婦は、積雪15cmを越える降雪を目の当りにしました。

数日前までクーラの側に倒していたエアコンのスイッチを、暖房側に切りかえ、最大出力にしました。

と、思った次の日には、透き通った快晴の空から、紫外線をたっぷり含んだ太陽光線で、目が焼けるかと思う目にあったりもしました。

コロラドの冬は、日本の関東地区に比べれば寒いはずで、実際、夜には氷点下数度まで下るのですが、不思議なくらい寒さを感じません。

重くない、とでも言うのでしょうか。

湿度が非常に低いので、まとわりつくような寒さはないのです。

雪は一晩で15cm位積るのですが、日本の東北や北海道の地区とも違い、大抵次の日から快晴となり、2、3日で溶けてなくなってしまいます。

毎朝、玄関のドアを開けると雪が傾れこみ、積雪をラッセルしながら、会社に出社するものだと思っていた、私たちの目論見は外れ、殊、雪に関しては、今迄と変わることなく、朝の徒歩通勤を続けていますし、帰宅時には、嫁さんのピックアップで自宅に帰るのですが、会社がスタッドレスタイヤの費用も出してくれたこともあって、現在のところ、事故を起すことなく運転しているようです。

ただし、雪の降っている朝だけは、危険かもしれないと言うことで、嫁さんが会社まで自動車で送ってくれることになっています。

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私は、静謐で美しい風景、一面の銀世界、生命が息を潜めて雌伏するこの季節が好きです。

フォートコリンズは、渡り鳥のグースの中継地点となっているようで、最近は、毎朝数百羽のグースが群れとなって集まっているのを見かけます。

今朝、家の前のBoardwalk Driveを、20羽程度のグースがきれいに一列になって横断して、自動車を止めていました。

私が運転手の方の顔を見ると、「仕方ないね」と言う顔で苦笑していました。

ある朝、私がHP社の前にあるLSI Logic社の前の野原を歩いていた時のこと、抜けるような真っ青な冬の全天を、天の河の大きさもあろうかという帯が、南東から北西に向って流れていました。

それは、地平線から現れ地平線に消えていく、何千羽ものグースの群れでした。

私は、その流れの一番最後尾が見たくて、空を見上げながらその野原に立ちつくしていましたが、いつまでもその流れが止まることはありませんでした。

フォートコリンズの街の上空は、丁度、旅客機の航路となっているようで、空のキャンパスに、真っ直伸びる鮮かな白の軌跡を、時には、同時に10以上見ることもできます。

そして、後を振り向くと、藍色の空をバックに、切り立った氷河のように輝くロッキー山脈の稜線が見えます。

このように、私は毎朝、徒歩通勤を楽しんでいるのですが、やはり、雪の降った翌日の朝は格別です。

全ての建物が目映いばかりに光り輝き、息を呑むほど美しいです。

地面を踏みしめると、足がやわらかく大地に吸いこまれるような感蝕と同時に、雪の粒が煙のように舞い上ります。

雪を掌ですくい上げると、指の間から雪が流れ落ちていきます。

日本では、スキー場でさえ、こんな極上のパウダースノーにお目にかかることはできません。

マウンテンスキーの板を履いて出社する、という計画もあるのですが、フォートコリンズでは車道の除雪が徹底していることと、どうしてもまとまった積雪量にならないことから、現在のところ、実現できないでいます。

嫁さんが、帰路を迎えに来てくれるからこそ出来ることでもあるのでしょうが、こんなに楽しい1時間10分もの通勤時間を、自動車でかけ抜けてしまうのは、私には、とても勿体ないことのように思えます。

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先日、夕方から降り始めた雪は、翌朝になっても止むことなくり続けていました。

一度くらいは、降っている雪の中を歩いてみたいと思っていた私は、その日の朝を決行の日と決め、心配する嫁さんを言いきかせて、雪中行軍の準備を始めました。

テーブルの上に、いつもの通勤スタイルである、極寒仕様の毛糸の帽子と手袋、マフラー、膝まであるぶ厚い綿入りの黒のナイロンコート、インターネット経由で毎日録音している英語ニュースと、「携帯版 英会話とっさのひとこと辞典」のカセットテープとウォークマンを用意しました。

厚めのセータを着こみ、膝上まである道路工事の現場作業員御用達の長靴を履いて、準備を完了しました。

ドアを開けた瞬間、ぶ厚い冷気の壁と雪が吹き込んできて、家の中に戻されそうになりましたが、それを押し付けるようにして外に出ました。

吹雪という程のものではなかったものの、風におおられて雪が右往左往しながら、時々は真横になって宙を舞っていました。

空の低いところに灰色の雲があり、わずかに雪のガスも出てきており、視界も悪くなってきていました。

多分、気温は氷点下10度くらいだっただろうと思います。

流石に除雪も間にあわなかったのか、Oakridge Driveの道も真っ白なまま、自動車のタイヤに圧雪されて、理想的なアイスバーンとなっていました。

しかしそんな道路を、この街の人達は、ノーマルタイヤで、車体をドリフトさせながら平気で運転しています。

流石、としか言いようがありません。

雪の上を歩く時は、そのわずかな雪の高さを見て、車道と歩道を見分る必要があります。

間違えて車道側に足を踏み入れると、そのまま車道に転げ落ちていく恐れがあるからです。

抜群の視力を誇る私でさえも、今朝は車道と歩道の境界が見えません。

それは、一つに、雪が降り続いていることと、もう一つは、目を開け続けていることが出来なかったからです。

私は、全身を防寒着で完全にくるんでいたのですが、唯一、目の部分だけを覆うことは出来ませんでした。

そんなことをしたら、何も見えなくなって、歩く以前の問題です。

風にあおられた雪が目に飛びこんでくる時は、ちょっとした痛みを感じますが、それ自身は大したことではありません。

問題なのは、その後です。

その状態では雪の結晶が眼球に張りついて見えなくなりますので、瞬きをすることで、その雪を解かすのですが、これが涙と一緒になって目の外に出ます。

この涙がやっかいなのです。

この涙は、一秒もしないうちにアイラインで氷結します。

そして次の瞬きに、瞼の上と下のアイラインの氷がぶつかり、一瞬溶け、そして、この上下の氷は一つになって一瞬の間に凍ってしまうのです。

この結果は明白。

目が開かなくなるのです。

指で目を擦ると、指についた雪が、さらに事態を悪くしまうので、力を込めて瞼を開けます。

こういうことは、日常生活ではめったに体験できないでしょう。

力づくで瞼を開くことを続けている内に、今度は睫(まつげ)に小さな氷柱が出来てきて、瞼が重くなってきます。

よく、眠くなることを「瞼が重くなってくる」と言う言い方をしますが、喩えでもなんでもなく、本当に『お、重い・・・』。

不思議なもので、瞼が重くなってくると、本当に寝くなってきました。

雪の中の歩行は、普通の歩行より何倍も体力を使います。

雪の吹き溜りを踏みつけて、体のバランスを崩しながら歩かねばなりませんし、以前降った雪が溶けずに、完全に氷結して氷河となったような場所も越えて行かねばなりません。

普段よりも集中力が要求されるのです。

加えて、時折襲ってくる横なぐりの雪の束に目も開けていられません。 運悪く、昨夜は眠りが浅い上に5時間くらいしか寝れなかったので、普通よりコンディションも悪かったのです。

眠ったら終りだ・・・

この時、私を支えていた思いは、「美しい妻や可愛い娘を残して死ねるものか」と言う想い・・・ではなく、『雪の中を徒歩通勤していた変な東洋人、通勤途中にて凍死』とフォートコリンズ新聞の一面に掲載されるであろう記事と、葬式の際に、ハンカチを握りしめて、うつむきながら、泣いているふりをしながら、笑いを堪えている参列者の光景でした。

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HPの正門前で、ウォークマンのカセットテープが終ったので、ナイロンコートのポケットからウォークマンを取り出して、テープを裏返しして、再生のボタンを押したのですが、うんともすんともいいません。

変だな、と思って、あちこちのボタンを押して見たのですが、上手く再生してくれません。

その時、このような機械が保証する動作環境の温度は、確か下は0度から、上は50度くらいだったことに、はたと気が付きました。

私は、HP社の門の前に立ちすくみながら、氷点下10度より低い極寒仕様のウォークマンなど、どこにも売っていないんだろうな、とぼんやり考えていました。

その時の私は、毛糸の帽子に雪を積らせ、手袋は内部から凍りつき、長靴の中に入ってしまった氷が、溶けずに凍ったまま残っていると言う状態で、体も思うように動かすことができず、雪の平原を彷う、黒装束のゾンビのような状態だったと思います。

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Harmonyの徒歩通勤者

"Walking Pedestrian in Harmony Road"

は、今では、HPはもとより、フォートコリンズでもすっかり有名になっているだろうと思います。

そのうち、私の通勤路である野原に、地元のテレビ局の車が待ち構えてインタビューをしてくる時の為に、すでに私の頭の中では英語の質疑応答集が出き上がっています。

"Why have you kept walking on this field, that is NOT a road, every day ?"

"I can always feel the existence of GOD through walking in the field. It is a kind of a field of talking to GOD."

フォートコリンズの教会の、名誉司教くらいには成れるかもしれません。

そんな風に、私の通勤風景に慣れたフォートコリンズ市民も、その日の私を見て、皆、一様にぎょっとしていました。

私の行為が、神秘の国ジパングの名を、ますます高めているものだと自負しております。

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まあ、街の中だし、比較的視界も良く、ホワイトアウトを喰らって『HPはぁ!HPは、どっちだぁぁぁ!!!』などと叫ぶような場面もなく、いつもより15分遅れで、無事会社に到着しました。

寒くて痛くて結構辛かったけど、やっぱり楽しかったな、と思えました。

私は、根っからのスキーヤーなんだ、と再認識しました

その日、嫁さんのピックアップで自宅に付き、ふと、テーブルの隅の方を見ると、そこには昨夜久々に読み直し終えた、真保裕一の「ホワイトアウト」が置かれていました。

『俺が今行かなかったら、誰がHPと日立を救えるのだ!』

などと言うような、馬鹿な妄想に憑かれて、雪中行軍をしようとしていた訳では断じてないと思っていますが、もしかしたら、自分の気が付かないところで、何かのスイッチが入っていたのかもしれません。

 

(本文章は、全文を掲載し内容を一切変更せず著者を明記する限りにおいて、転載して頂いて構いません。)

2024,江端さんの忘備録

私(江端)の公民権、まだ停止されていないようでした。

My (Ebata's) civil rights had not yet been suspended.

今朝、ポストに届いていたようです。

It appears that the voting form was delivered to the postbox this morning.

―― そうか・・・、ついに私も公民権を停止されたのか・・・

『投票用紙が届く喜び』というのを、皆さんにも実感して欲しい。

I want everyone to experience the joy of receiving a ballot.

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ちなみに、私は、自由民権運動発祥の地の居住民です ―― だから、どうだという訳でもありませんが。

Incidentally, I am a resident of the birthplace of the Freedom and People's Rights Movement - so it's not like it means anything.

いずれにしても、国家であれ、市町村であれ、『変な形をした行政地区』があれば、先ずは『過去の政争(または戦争)』を疑ってみると良いと思います。

 

2024,江端さんの技術メモ

<!-- Way: Dummy Railway Line for JR篠栗線 -->
<way id="123456800" version="1" timestamp="2024-08-22T06:13:26Z" changeset="99999999" uid="999999" user="kobore.net">
<nd ref="1882462094" /> <!-- 博多駅 -->
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<nd ref="796761953" /> <!-- 筑前山手駅 -->
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<tag k="railway" v="dummyrail" />
<tag k="name" v="Dummy Railway Line JR篠栗線" />
</way>

このデータを、

<relation id="17960683" version="1" timestamp="2024-08-22T06:13:26Z" changeset="155587618" uid="109705" user="gscholz">
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<member type="way" ref="1309192923" role="inner"/>
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<member type="way" ref="733239311" role="inner"/>
<member type="way" ref="1309192927" role="inner"/>
<tag k="highway" v="pedestrian"/>
<tag k="surface" v="gravel"/>
<tag k="type" v="multipolygon"/>
</relation>

この辺に置いた

</osm>

こうしたら、

G:\home\ebata\hakata\hakata_db>osm2pgrouting -f hakata_ex.osm -c mapconfig_for_ex.xml -d hakata_ex_db -U postgres -h localhost -p 15432 -W password 

でDBの作成に失敗しました。

wayのタグはwayのタグの集まっているところに置いておかないと、DBの作成で失敗するようです。

JOSMで地図を改ざんして道路と鉄道を交えた最⼩コスト経路探索をやってみよう-完全版

 

 

 

未分類

https://github.com/pgRouting/osm2pgrouting

 

pgRouting/osm2pgroutingmapconfig.xml ファイルは、OSM(OpenStreetMap)データを pgRouting データベースにインポートする際に使用される設定ファイルです。これらのファイルの違いは、主にインポートするデータの内容やデータに付与する属性の違いによって、特定の交通手段(自転車、自動車、歩行者)に適したルーティングデータを作成することを目的としています。

以下、それぞれのファイルの主な特徴と違いを説明します。

1. mapconfig.xml

このファイルは、デフォルトの設定を提供し、特定の交通手段に偏らない一般的なマップ構成を示します。OSMデータからすべての主要な道路(自動車用、歩行者用、自転車用など)をインポートし、基本的な属性情報(長さ、速度制限、道路種別など)を含めたルーティングデータを作成します。

2. mapconfig_for_bicycles.xml

このファイルは、自転車での移動に最適化されたデータ構造をインポートするための設定です。以下のような特徴があります。

  • 自転車道(cycleway)のタグを含める。
  • 車両用道路の中でも、自転車の通行が認められている道路に注目。
  • bicycle=yescycleway=lane といったOSMタグに対応。
  • 自転車専用のレーンや、速度制限が自転車向けに低く設定されている道路を考慮。

3. mapconfig_for_cars.xml

このファイルは、自動車での移動に最適化された設定です。以下のような特徴があります。

  • 自動車専用道路や高速道路のインポート。
  • 自動車が通行可能な道路を重視し、motor_vehicle=yeshighway=motorway などのタグに対応。
  • 速度制限(maxspeed)や、交差点におけるターンレーン(turn restrictions)の情報を考慮。
  • 歩行者専用道路や自転車専用道路を除外。

4. mapconfig_for_pedestrian.xml

このファイルは、歩行者の移動に最適化された設定です。以下のような特徴があります。

  • 歩道(footway)や歩行者専用道路を重視。
  • foot=yeshighway=footway といったタグに対応し、歩行者がアクセス可能な道路を含む。
  • 自転車専用や自動車専用の道路を除外する。
  • 公園内の小道や、都市部の歩行者専用エリアを考慮。

まとめ

これらのファイルは、osm2pgrouting で OSM データをインポートするときに、特定の交通手段に適したルーティングデータを作成するための設定ファイルです。それぞれのファイルは、交通手段ごとの特徴を考慮し、OSMタグの選別や属性の付与を行います。

  1. mapconfig.xml: 全体的なデフォルト設定。
  2. mapconfig_for_bicycles.xml: 自転車用のデータ設定。
  3. mapconfig_for_cars.xml: 自動車用のデータ設定。
  4. mapconfig_for_pedestrian.xml: 歩行者用のデータ設定。

このように、これらの設定ファイルは、pgRoutingを使った経路探索の精度を高めるため、異なる移動手段に応じた最適なマップデータを生成するために使用されます。

2024,江端さんの忘備録

嫁さんと期日前投票にでかけようと思ったのですが、嫁さんに『投票用紙、届いていないよ』といわれて、驚きました。

I was going to go out with my wife to vote early, but I was surprised when she told me, “We haven't received the voting form yet.”

―― そうか・・・、ついに私も公民権を停止されたのか・・・

"I see... So I've finally had my civil rights suspended..."

『最近、ブログで選挙批判を繰り返してきたので、権力サイドに目をつけられたのかもしれないなぁ』とも思ったのですが、嫁さんにも届いていない、というのは「変だ」と思いました。

'I've been repeatedly criticizing the election on my blog recently, so maybe I've caught the attention of the powers that be,' I thought, but it was strange that my wife hadn't received it.

もしかしたら、「公民権停止に、身内の連座制も導入されたのか? いつ法律が改正された?」とか、かなり真剣に考えていました。

I was thinking quite seriously, “Did they also introduce a system of guilt by association for suspending civil rights? When was the law amended?”

さて、これから「マスクをしない方は、入店を御遠慮下さい」が、「ワクチン接種を終えていない方は、入店を御遠慮下さい」に変化していくに際して、『これは、"差別"なのか?』という純粋な疑問です。

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嫁さんが、市役所のホームページを調べて、『投票用紙の発送は20日から開始となっているから、明日には届くんじゃないの?』と言って、ちょっと安心しました。

My wife checked the city hall website and said, “The voting forms are supposed to start being sent out on the 20th, so I think they'll arrive tomorrow,” which made me feel more at ease.

それにしても、期日前投票が始まっているのに、投票所に行かせてもらえない、というのは、結構な恐怖ですよ。

Even so, it's quite a frightening thing to be unable to go to the polling station even though early voting has already started.

「投票用紙が届かない/届けない」というのは、国家レベルの『いじめ』または『村八分』になりえる、と実感しました。

I realized that not receiving or not sending a ballot could be considered national-level bullying or ostracism.

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ただ、本件に関しては、さすがに市役所等の(行政の)人たちを責めることはできないでしょう。

However, you can't blame the people at the city hall or other administrative offices for this.

公示から投票までの期間が短かすぎます。

The period between the public announcement and the voting is too short.

これはについては、投票日を決定した総理(官邸or与党)が悪い。

The prime minister (or the ruling party) who decides the election date is to blame for this.

考えてみると、今回の選挙は『4年前から投票日が決まっている米国大統領選挙よりも、遅く公示され、早く行われる選挙』ですね。

This is 'an election that was announced later and held earlier than the US presidential election, for which the date of the vote has been decided four years in advance.'

投票システムの違いを、しみじみと実感しています。

I am keenly aware of the differences between the voting systems in Japan and the United States.

(↑クリックするとコラムに飛びます)

(Click to go to the column)

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俳優の西田敏行さんの訃報を聞き、かなりショックを受けている自分に驚いています。

色々な方が西田敏行さんの思い出を語っていますが、私はぶっちぎりで「椿山課長の七日間」推しです。

浅田次郎の楽しみ方

2011,江端さんの忘備録

昨年、たまたま「椿山課長の七日間」を地上波で見ました。

先日、図書館に入庫していたので文庫を借りてきて読みました。

「原作も良いなぁ」と思って、嫁さんに勧めたら、いたく感動したらしく、そのまま映画もDVDで借りて見てしまったそうです。

酷く怒ってしまっていました。

『映画が、原作の感動に遠く及ばない!』

『そうかなぁ、あの話を、よく映画として纏めれたなぁと、私は感心したけどね』と、私は応えましたが。

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えっとですね。これは単に順番の問題なのです。

◯「原作」→「映画」の順番で見ると、大抵腹が立つ。
◯「映画」→「原作」の順番でみると、概ね不満はないが、新鮮感がなくなる

これは、著者の原作の持つ力が、凄く大きいからだと思います。

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私が、娘の姿にオーバーラップさせて大号泣してしまった

「日輪の遺産」

が、映画化されており、本日、映画館にいってきました。

いい映画でした。

出演者も演出も最高。

よくここまで、原作を生かし切ってくれた。

心から感謝です。

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でもね。

やっぱり不満が残るんですよ。

『ああ、違う。ダグラス・マッカーサーは、そこは、そういう演技じゃねーんだよー!』

『最後のシーンは、そうじゃねーんだ。もっと、荘厳で、畏れで近づけないような、なんというか、その、なんちゅーんだ、違うんだーーーー』

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難しいですよね。

◯原作読まなければ、映画に行こうと思わないだろうし、
◯原作読むと、演出に不満が残るし、

著作物を愛する気持ちは、愛憎・タイミング、入り乱れて、まあ、なんというか、

そこが、面白い。

2024,江端さんの忘備録

「絶滅収容所の看守をやっていけるのは、江端さんくらいです」でも書きましたが、

As I wrote in “Only Mr. Ebata can be a guard in an extermination camp”,

後輩:「ひと言で言えば、『私ではない。上官の命令だ』ですよ。判断したのは『上官』であり、『私』ではない、という思考停止の典型例です。モラルは、責任転換や組織のヒエラルキーだけで簡単に吹き飛びます。これにあらがうことは、とても難しいです。ご存じでしょうが」

Junior: “In a nutshell, it's not me. It's my superior's orders. It's a classic example of a person who stops thinking and says their superior made the decision, not them. Morality can be easily blown away by shifting responsibility and organizational hierarchies. It's tough to resist this. As you know.”

江端:「あったなぁ、そういう話。アドルフ・アイヒマンが、『絶滅収容所での(虐殺)行為は、“国内法に基づく行政上の手続き”だった』と言った、という話を思い出したよ」

Ebata: “I remember hearing something like that. I remember hearing that Adolf Eichmann said that the 'acts of genocide in the extermination camps were ‘administrative procedures based on domestic law’'.”

これも「死は存在しない」と同義であると言えると思えたのです。

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ニュースで『闇バイトによる強盗殺人事件の主犯(容疑者)が、スマホで終始指示を受けながら、犯行を行っていた』という話を聞いて、このアイヒマンの話を思い出しました。

When I heard on the news that “the main suspect in the robbery and murder case committed by a part-time worker was receiving instructions throughout the crime via smartphone,” I remembered this story about Eichmann.

―― 私たちが培ってきた「良心」は、簡単に「命令」に負ける

"The “conscience” we have cultivated can easily be defeated by “orders.”

というのは、私の経験とも合致しています。

The above is also consistent with my own experience.

実際、私、体と心を壊しながら働いていましたし、働いています。

I was and am working while destroying my body and mind.

命令を発している方は、『お前の良心に反してまでやることではない』と思っているかもしれませんが、そんなことは、命令を受ける側にとっては関係ありません。

The person giving the order may think, “This is not something you should do even if it goes against your conscience,” but that is irrelevant to the person receiving it.

上司は上司であるだけで「暴力装置」であり、シニアはシニアであるだけで「時間強奪装置」です ―― そして、上司もシニアも、この自覚が絶無です。

The boss is a “violent device” just because he is the boss, and the senior staff are “time-exploiting devices” just because they are the senior staff - and both the boss and the senior staff are entirely unaware of this.

それはさておき。

Leaving that aside.

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私たち人類は、簡単に「強盗殺人」という最大級の犯罪を、簡単な「命令」でやれてしまうほどに、単純で弱い生きものです。

We, humans, are such simple, weak creatures that we can easily commit the greatest of crimes, “robbery and murder,” on simple “orders.”

もちろん、私も、この例外ではありません。

Of course, I am no exception to this.

これについては、アイヒマンの主張をベースに行われた、1960年代にアメリカの心理学者スタンレー・ミルグラム(Stanley Milgram)が行った「ミルグラム実験(Milgram Experiment)」でググって下さい。

For more information on this, please search for “Milgram Experiment” on Google, conducted by American psychologist Stanley Milgram in the 1960s based on Eichmann's claims.

この実験は社会心理学の重要な研究の一つであり、特に権威への服従や道徳的なジレンマに関する議論でよく引用されます。

This experiment is one of the important studies in social psychology and is often cited in discussions of obedience to authority and moral dilemmas.

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ともあれ、そういうもの(人を殺傷する命令を受ける可能性のあるもの)には、近づいてはならないのです。

Anyway, you should stay away from things like that (things that have the potential to receive orders to kill or injure people).

だから「闇バイトには近づくな」「闇バイトのニオイがしたら、全力で逃げだせ」と言いましょう。

So let's say, “Stay away from dark work” and “If you smell dark work, run away as fast as you can.”

あなたも、私も、簡単に「殺人者」になってしまいます ―― 本当に、びっくりするほど「簡単」に、です。

You and I could quickly become “murderers” - it would be really, surprisingly “easy.”

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あなたも私も、お金がなく、飢えて死ななければならないとしても、『自分の手で"人を殺したこと"だけはしなかった』と思いながら逝けるとしてら、それは誇っていい人生だと思います。

Even if you and I have no money and have to die of starvation, if we can go on thinking, 'I didn't kill anyone with my own hands,' I think that would be a life worth being proud of.

私は、娘たちの素行について嫁さんと話をする時に、『なんやかんやいっても、彼女らは、"人殺し"だけはしていないんだから』と擁護することがありますが ――

When I talk with my wife about the behavior of our daughters, I sometimes defend them by saying, “No matter what, they haven't killed anyone.”  However, 

そんな私を、嫁さんは『志(こころざし)が低すぎる』と言います。

My wife says that I have too low an ambition.

2016,江端さんの忘備録

(昨日の続きです)

(Continuation from yesterday)

今回の胃カメラの麻酔だけでなく、全身麻酔なども含めて、

Using not only a gastric camera at this time but also a general anesthetic,

「ゼロ時間での、意識から無意識への移行」というのは、

"Exchanging consciousness by unconsciousness during zero time."

もう一度、意識を取り戻せるか、ということを不問にすれば、

Even if we can set aside "getting consciousness again."

(『そこを不問にして、どうする』 という意見もあるでしょうが)

(I know that some people blame me for escaping from the condition)

これも「死は存在しない」と同義であると言えると思えたのです。

I come to think that this is also almost "non-existing death."

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さて、この論を展開する前に、昨日の、絶滅収容所の所長の「死の哲学」を、軽く一蹴しておこうと思います。

Before arguing this, my logic. I want to refuse flatly the "mortuary philosophy" of the general manager of the extermination camp that I had already talked about the other day.

(1)主観的に「死」という概念をどんなに隠蔽したところで、そこに客観的な「死」が存在しているのは明快であり、

(1)Even if he tries to cover a concept of death in whitewash subjectively, it makes clear that an objective death exists there.

(2)自己の「明日も生きるという権利」を、第三者が無許諾に強制的に停止・終了させられる行為に、いかなる正当性も主張できない。

(2)Nobody can invade the "right to live one's life tomorrow" without reason enforced.

実は、この(2)の議論は、死刑是非論に展開するので、今回はここには踏み込まないこととさせて下さい

To tell you the truth, the above (2) is going right and wrong with the death penalty,

この議論からは、逃げさせて下さい。

I want to run away from this argument.

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もし逃げないと、――

Without running, I have to start the following.

例えば、

For example,

絶滅収容所の虐殺は、

According to the extermination camp,

Eichmann's apologies were

■「当時のドイツにおける『国内上の行政手続』であった」

"The genocide was done on the domestic law of Germany at that time."

■「私は職務を遂行しただけ」

"What I did is to keep my affairs in order."

―― という、アドルフ・アイヒマンの主張に対して、今の私には、明確なロジックでこれを否定できるだけの力量がないし、

I have no clear logic to prove his arguments wrong now.

例えば、

For example,

■行政手続や法が、「明日を生きる権利」の下位に存在するのであれば、如何なる死刑も否定されなければならない、

"If any administrative procedure and laws are under the right to live tomorrow, we should reject any death penalty."

―― という死刑廃止論の根拠の一つに対して、今の私には、明確なロジックでこれを否定できるだけの力量がないし、

I have no clear logic to reject the argument of the death penalty opponent.

例えば、

For example,

上記に死刑廃止論の根拠に対する有効な反論の一つとしては、

I know there is an effective counter-argument against the above.

■「私的な報復権の国家による代行」

"Any nation is an agent to avenge a grievance."

があるとしても、

However,

■これを認めると、法治国家の根幹が否定される(法は、私闘や報復を認めていない)、

If this logic is permitted, the foundation of the rule of law is going to be denied (laws do not allow any dual and retaliation),

―― というパラドックスに対して、今の私には、明確なロジックでこれを論理付ける力量がないし、

I have no power to explain the reasoning behind the paradox.

つまり、『じゃけんワシにはよう分からん』 ―― といって、この論から逃げます。

In conclusion, I want to avoid this issue by saying, "I don't know what is what."

(続く)

(To be continued)