将来の明るい社会の為に「あなたの『犠牲』が必要なのです」

2023年12月8日

いじめ対策として監視カメラを設置する、という話をすると、面白いくらい同じ反応(2つ)を聞けます。

(1)「プライバシーの侵害」

(2)「効果がない」

です。

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上記(1)の「プライバシーの侵害」って何でしょうか。

私は「生徒の家の部屋の中を撮影しろ」といっている訳ではないのです。

現在のイジメの問題の根幹は、誰もがその現場を目撃していながら、それが「イジメ」であるかどうかを認定する手段がなく、それを告発できるシステムがないことです。

この手段を提供するだけです。

「いじめ」と「プライバシー」 私には十分にトレードオフできると思えます。

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上記(2)の「効果がない」については、私もかなり調べましたが、誰もその実証実験の証拠を持っていないのです。

それは推測ばかりで、しかも理由が1つという貧弱さ。

「カメラの死角に入ったら効果がない→いじめがさらに陰湿化する」ばっかり。

3つ程、事実で反証します。

■イギリスでは、すでに4万7000台のカメラが学校内に設置されて、いじめ対策に一定の効果が認められています。

■私自身が、幼稚園に通っていた娘の問題(「いじめ」かどうかは認定できなかった)を聞いて、具体的なシステム構成図を伴う、自費による監視カメラの設置の提案を行っただけで、一気に問題が沈静化しました。

■監視カメラというのは今や、指の上の乗るくらいの小ささであり、しかも無線LANなどによって、どこでも、追加設置できます。「死角」を作らないシステムは、簡単に設計できます。

結論:物理的ないじめ対策に、監視カメラは効果があります。

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纒めると

「暴力」の行使が「即解雇」という、大人の当たり前のルールを、子供に適用して良いと思う。

■何を犠牲にしても、いじめを絶対に根絶する

■大人と同様に法律等を適用して、いじめの当事者を社会から追放する

という大人側のメッセージを、まだ伝え切れていない、と感じます。

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もちろん、このようなハード(仕組み)的なアプローチよりも、ソフト(教育等)的なアプローチが望ましいのは、言うまでもありません。

ならば、いじめ問題は「統計値」として扱い、「前年度より自殺者が減少していれば、一定の成果があった」とする考え方にシフトすべきでしょう。

そして、今、この時間に、現実に苦しんでいて、助けなければならない子供達には、諦めて貰いましょう。

将来の明るい社会の為に「あなたの『犠牲』が必要なのです」と言って。

2023年12月8日2013,江端さんの忘備録

Posted by ebata