2023,江端さんの忘備録

技術は日進月歩 ―― それは分かっているのですが。

"Technology is constantly advancing", I know it well.

このアンテナが15年前にあれば、私の仕事(実証実験)はどれだけ楽だっただろうか、と。

I wonder how much easier my work (demonstration) would have been if this antenna had been around 15 years ago.

屋外実験において、無線通信に手を出してはならない

電波のルートを確保する為に、雨の中、デパート屋上での、体を張った決死のアンテナ設置工事など、走馬灯のように思い浮んできます。

I can still recall the desperate, physically demanding installation of antennas on the roof of a department store in the rain in order to secure a route for the radio waves.

これと同程度の性能のアンテナを自作する為に、勉強したりもしていました。

I even studied to build my own antenna with the same level of performance as this one.

え? 電波法ですか? すみません、エンジニアなので、法律面は素人でして。

What? The Radio Law? Sorry, I am an engineer, so I am a layman in the legal side.

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私(たち)のあの苦労は一体何だったのだろうか ―― と考えると虚しいものがあります。

I wonder what all those hardships I (we) went through were all about -- it's a very empty feeling.

以前、20年待てば、誰でも『現時点と同じ性能のスパコン』が手に入るというお話をしました。

I mentioned before that if we wait 20 years, anyone can get a "supercomputer with the same performance as at present".

なるほど、『私たちは、みんな、20年前のスパコンを使っている』ことになる訳です。

ならば、私(たち)は『20年後に解決することが決っている技術課題』の為に、闘ってきたのだろうか、と。

If so, I wonder if I (we) have been fighting for the sake of "technological issues that will be solved in 20 years.

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せめて、

At least,

―― 私たちの辛く厳しい実証実験は、その20年間の技術を進歩させるための必要な犠牲であった

-- Our painful and severe demonstrations were a necessary sacrifice to advance the technology over those 20 years.

と、でも思い込まないと、やってられません。

If I didn't think so, I wouldn't be doing it.

2023,江端さんの技術メモ

最近、映像制御の仕事をすることになりました。

WSLを使って、作業効率をはかりたいと考えていますが、WSLは基本的にコマンドインターフェースなので、表示システムを作らなければなりません。

「Windows11にWSL2+Ubuntu20.04をインストールする」を試してみて、Golangをインストールしてみた件

すったもんだしているのですが、とりあえず、Windows10の方にX-Windowの方に、X serverを立てて表示ができたので、メモを残しておきます。

(というか、『Windows10上で、X-Windowsのサーバ動かす』という発想ができなかったので、

(gedit:5386): Gtk-WARNING **: cannot open display やらで、悩んでいました。

基本は、

Windows10のWSLでX11アプリケーションを実行してみた

の通りに実施したら動きました(実は、ここまで、手当たりしだい "sudo apt-get install" を乱発して

WSLの方から、

>export DISPLAY=:0

>gedit dummy.txt

 

と投入したら、X-windowsのエディタが立ち上がってきましたが、

など、たくさん問題が出ているようなので、対応を続けます(続く)

ところで、

WSLでGUIアプリを実行する

などで、自分の「上手くできなかったことを、きちんと書き残している方」のメモは本当に素晴しい。こういうメモは、普通の成功パターンしか記載していないメモの何十倍も役に立つのです。

で、まあ、それはさておき。


本命はこちら ――

GStreamer

です。

私、映像の伝送の研究は色々やってきたのですが(10~15年前)、映像そのものの研究は初めてなので、まずは、ローカルのパソコンで色々遊ぶ・・・もとい、調査することにしました。

で、今の私、GStreamerが何なのかも分かっていないのですが、「これを使え」と指示されているので、「これに突っ込んでいく」だけです。

『ほとんどの入門書は、入門者にとっては、ただの"ゴミ"』

マルチメディアフレームワークGStreamer ~ 入門編

を参考にさせて頂き、

$ export DISPLAY=:0

$ gst-launch-1.0 videotestsrc ! autovideosink

で、これが出てきました。

おお! やった!

WSLの方はこんな感じです。

$ gst-launch-1.0 filesrc location=./out.h264 ! avdev_h264 ! autovideosink

も、ちゃんと表示されるようです。映像の違いは分かりませんが。

カーネルコンパイルしたら表示されなくなりました(それが理由かは分かりません)。

$ gst-launch-1.0 -v videotestsrc ! x264enc ! avdec_h264 ! videoconvert ! autovideosink

で、表示できました。

(とりあえず、error: XDG_RUNTIME_DIR not set in the environment. だけでも潰しておこう)

ともあれ、最初の一歩は確保しました。

エラーコメントの表示対応のため、以下の設定をしておきました。

$ cd ~
$ vi .bash_profile

以下の2行を追加(正直、上の設定の意味は分からんが、とりあえずエラーは消える)。

export XDG_RUNTIME_DIR=/tmp/runtime-futa
export DISPLAY=:0


GStreamerによるレートコントロールについて調べています。

ラズパイにWEBカメラを接続してGStreamerを使った際に小一時間ハマった話

こちらに、

そして、例えば、任意のサイズやフレームレートでキャプチャを行いたい場合は、video/x-raw,width=1280,height=720,framerate=30/1 のような指定を行います。

というような記載がありました。

$ gst-launch-1.0 videotestsrc ! autovideosink

をちょっと変更して試してみました。

$ gst-launch-1.0 videotestsrc ! videoconvert ! video/x-raw,width=1280,height=720,framerate=30/1 ! autovideosink

画面がでっかくなって表示されました。

$ gst-launch-1.0 videotestsrc ! videoconvert ! video/x-raw,width=1280,height=720,framerate=1/1 ! autovideosink

これで、1fpsの表示になりました。

で、実際に映像ファイル(start_up.mp4)を持ち込んで表示してみました。

$gst-launch-1.0 filesrc location=start_up.mp4 ! decodebin ! videorate ! video/x-raw,framerate=30/1 ! autovideosink

これを、1fpsの表示に変えてみます。

$gst-launch-1.0 filesrc location=start_up.mp4 ! decodebin ! videorate ! video/x-raw,framerate=1/1 ! autovideosink

これを、1fpsのmp4ファイルとして保存してみます。

■1ftp映像に変換したもの "1ftp.mp4"$ gst-launch-1.0 -e filesrc location=start_up.mp4 ! decodebin ! videoconvert ! videoscale ! videorate ! "video/x-raw,framerate=1/1" ! videoconvert ! x264enc bitrate=2000 ! mp4mux ! filesink location=1ftp.mp4

上記のコマンドでは、GStreamerのgst-launch-1.0ユーティリティを使用しています。filesrcエレメントを使用して入力ファイルを読み込み、decodebinエレメントを使用してデコードします。その後、videoconvertvideoscaleエレメントを使用して動画の形式を変換し、videorateエレメントを使用してフレームレートを変更します。最後に、x264encエレメントを使用してビットレートを設定し、mp4muxエレメントを使用して新しいmp4ファイルに変換します。


ひき続き、SRTの通信実験を行ってみます。

(2)映像転送プロトコルは、現在、SRTが有力候補

     (a)タイムスタンプが付与した再送機能付きUDP(と理解)

     (b)Gstreamerに標準装備されている(らしい)

で、高信頼の映像通信を実現するプロトコルのようです。

GStreamer で SRT を使用する その1

の内容をマネします。

私の場合、新規の設定をしないでも以下のコマンドが動きましたので、どっかで設定を終えてしまったのだと思います。

$ gst-launch-1.0 videotestsrc ! videoconvert ! x264enc tune=zerolatency key-int-max=30 ! mpegtsmux ! srtserversink uri="srt://:12345" latency=500

で、SRT の配信には、srtserversink を使用しているようです。

で、受信側は、VLCメディアプレーヤを用います。

※WSL2にしてカーネルコンパイルした後、

C:\Users\ebata>ipconfig

(中略)

Windows IP 構成

イーサネット アダプター vEthernet (WSL):

接続固有の DNS サフィックス . . . . .:
リンクローカル IPv6 アドレス. . . . .: fe80::c317:ce40:f52f:1a41%40
IPv4 アドレス . . . . . . . . . . . .: 172.22.144.1
サブネット マスク . . . . . . . . . .: 255.255.240.0
デフォルト ゲートウェイ . . . . . . .:

しか使えなくなってしまったので、上記のVLCのアドレスは、

とする必要が生じました。

これで、「再生(P)ボタン」を押すと、テスト映像が表示されます。


次にWebRTCの実験を行います。

ここでは、

Go + GStreamer でお手軽 WebRTC 体験

を試させて頂きました。

GOのソースは一つだけだったので、WSL環境から行ってみました(最初、エラーの嵐だったのですが、よく考えれば、私はWSLの方にGStremaerの環境を立てていたので当然でした。

結構エラーが出てきましたので、色々対応をしていました。

sudo apt-get install libgstreamer-plugins-base1.0-dev

で、一部解決したのですが、以下のエラーが取れません。
# pkg-config --cflags -- gstreamer-1.0 gstreamer-base-1.0 gstreamer-app-1.0 gstreamer-plugins-base-1.0 gstreamer-video-1.0 gstreamer-audio-1.0 gstreamer-plugins-bad-1.0 Package gstreamer-plugins-bad-1.0 was not found in the pkg-config search path.
Perhaps you should add the directory containing `gstreamer-plugins-bad-1.0.pc' to the PKG_CONFIG_PATH environment variable
No package 'gstreamer-plugins-bad-1.0' found pkg-config: exit status 1

で、

https://github.com/notedit/gstreamer-go

に訪問してみたところ、

$ sudo apt-get install libgstreamer-plugins-bad1.0-dev

が、当たりだったようです。

で、後は上記のページの記載通りにGOプログラムを動かしたのですが、

2023/05/25 17:57:31 peer state change: failed

が登場してきて、変だなーと思ていたのですが、実はこれ成功しています。

このメッセージの上に、Goの出力の「長い文字列」が主力されていました。

これを入力して、「start session」ボタンを押下したら、以下の画面がブラウザに表示されました。

では、動作も確認できたので、ここからコードの勉強に入りましょう。


WebRTC を今から学ぶ人に向けて

の中にある、

WebRTC コトハジメ

が分かりやすい。

好奇心旺盛な人のためのWebRTC

も良い。

私はGolang使いなので、https://github.com/pion/webrtcを使いこなしたいが、膨大で手が出ない状況。今、とっかかりを探している。

とりあえず、wsl -d Ubuntu-20.04で、
ebata@DESKTOP-P6KREM0:/mnt/c/users/ebata/から、
get clone https://github.com/pion/webrtc で、インストール。

https://github.com/pion/webrtc/blob/master/examples/README.md

から、

$ cd webrtc
$ cd examples
$ go run examples.go --address :8080

で、ブラウザ http://localhost:8080で以下の画面が出てくる。

で、

のところで、"Run JavaScript"を押して、暫く(2~3分)待っていると、

という漢字で文字列が出てくるので、これを、上記のGo + GStreamer でお手軽 WebRTC 体験 のプログラムに放り込んで、同じように得られた文字列を放り込むと、

てな感じで映像が表示される。


$git clone https://github.com/pion/rtwatch.git

に挑戦。

https://github.com/pion/rtwatch の内容通りに設定するが、実行のところだけ少し違った

ebata@DESKTOP-P6KREM0:/mnt/c/users/ebata/rtwatch$ go run main.go -container-path=start_up.mp4
Video file 'start_up.mp4' is now available on ':8080', have fun!

これで、複数の、http://localhost:8080/ から同期した映像が配信されるようすが分かる。

2023,江端さんの忘備録

最近、FastAPIについて勉強をしていました。

Recently, I was learning about FastAPI.

で、最初の入門書と言われているWebサイトを読み直してみました。

So I re-read the Web site that is supposed to be the first introductory book.

実に分かりやすく、素晴しい入門書だ、

This is a very clear and excellent introduction to the subject,

―― と、今なら思えます。

-- I can see it now.

入門書というのは、"入門を終えた人"が後からふりかえると、よい復習にはなるが、それ以上のものではない。

An introductory book is a good review for those who have completed the introductory course, but it is not much more than that.

何が言いたいかというと、

What I'm trying to say is, the fact of

『ほとんどの入門書は、入門者にとっては、ただの"ゴミ"』

"Most introductory books are just "garbage" for beginners"

という事実です。

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結局私は、FastAPIを、YouTubeに教えてもらいました。

Eventually, about FastAPI, YouTube taught me how to use it.

講師と全く同じ環境にして、全く同じ手順を、画面を止めたり、巻き戻したりしながら、自分の手と目と頭でやりながら、やっと、一番最初の理解に辿りつきました。

I finally arrived at the very first understanding by putting myself in the same environment as the instructor and going through the same steps, stopping and rewinding the screen, using my hands, eyes, and mind.

『FastAPIが何をするものかも分からない状態で、YouTubeの画面と同じこと実施した』が『最適解』だった、ということです。

The best solution was to do the same thing as on the YouTube screen without knowing what FastAPI does.

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という訳で、これも再三言っていることですが、

This is why I have repeated this,

『基礎が大事』というのは、多くのケースでウソです。

"It is a lie in many cases that 'fundamentals matter'"

すでに理解してしまった人が執筆した入門書が、本当の入門者に理解できる訳がない。

There is no way that a real beginner can understand an introductory book written by someone who already understands.

バックグランドが全然違うのですから。

The backgrounds are completely different.

『基礎が大切』がウソであることは、私の経験では、英語、プログラム、数学、量子力学、制御システム、少子化問題、年金問題・・・、ほとんど全部ですね。

It's my experience that 'fundamentals matter' is a lie: English, programming, math, quantum mechanics, control systems, fertility issues, pension issues... almost everything.

私の経験から言えることは、『始めてしまうことがが大事』です。

From my experience, I can say that 'getting started is the key.

もっと端的に言えば、『突っ込んでいくことが大事』です。

To put it more simply, 'it's important to go in.

訳が分からないまま、小さい失敗と成功を繰り返しながら、膨大な時間を使って、ほんの小さなゴールに辿りついた時

When you reach a small goal after spending a great deal of time repeating small failures and successes without understanding the reason...

―― その時、初めて「入門書」は役に立つのです。

-- Only then "the introductory book" will be useful.

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『何事も基礎が大切』という大人がいたら ―― その大人のことは、信じなくてもいいです。絶対に、です。

2023,江端さんの忘備録

本日は、コラムがリリースされましたので、お休みです。

Today's diary is taken off, as the new column has been released.

Don't be afraid of ChatGPT - Use it up and make it easy!

ある日突然登場し、またたく間に世間を席巻した生成AI「ChatGPT」。

ChatGPT, a generative AI, appeared one day out of the blue and quickly took the world by storm.

今や、ネットでその名を聞かない日はないほどです。

Nowadays, there is not a day that goes by that we do not hear its name on the Internet.

このChatGPTとは、一体何なのか。

What exactly is this ChatGPT?

既に数百回以上、ChatGPTを使い倒している筆者が、ChatGPTの所感をエンジニア視点で語ってみたいと思います。

The author, who has already used ChatGPT more than several hundred times, would like to talk about his impressions of ChatGPT from an engineer's point of view.

2023,江端さんの忘備録

私の土日は、貴重なワークデーです。

My weekend is an important workday.

下手すると、普通のウィークデーよりも、やることが多かったりします。

Moreover, on the weekend, I am busier than on weekdays.

メールやチャットや打ち合わせがない分、作業が捗るとも言えます。

I can say that I work better because I don't have to get emails, chats, and meetings.

で、その疲れが、月曜日にくる、と ―― 本末転倒と言えます。

So, the tiredness comes on every Monday -- it's a real downer.

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ただ、土日は、やらなければならないことの中でも、やりたいことからやっています ―― ダラダラと。

However, I work on what I want to do first, among what I have to do.

ですので、まあ、生産性が上がっているかは不明です。

So, I doubt if my productivity is increasing.

そもそも、「生産性」の意味が不明ですが。

To begin with, no one seems to be able to define "productivity" itself.

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日本人的な考え方では、

From the viewpoint of the nationality of Japanese,

『"楽しい"と感じる仕事には、生産性がない』

"Works we feel enjoy are not productive"

『"苦しい"と感じる仕事には、生産性がある』

"Works we feel pain are productive"

と捉えられているのかなぁ、と感じることがあります。

I sometimes think about the above.

私が楽しくやっている仕事は、ちゃんとカウントされていないような気がするからです。

Because I think that "my work I can feel enjoy" seems to be not counted as work.

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―― その"生産性"を上げるのは、"私以外の誰か"で良くね?

 

未分類

意外と簡単なVS Codeの環境移行

を参考にさせていただき、引越し準備中。

環境移行に必要なフォルダ

下の2つのフォルダを,古いPCから(USBメモリ等)に退避させ,新しいPCで同じ場所に置いてあげるだけ.

  • ~/.vscode( Windows : C:\Users\100323XX\.vscode ) ディレクトリ
    • このディレクトリの中にプラグインのファイルが入ってたりします.
    • 20230516.vscode.zip で退避
  • ~/.config/Code/User( Windows : C:\Users\100323XX\AppData\Roaming\Code\User ) ディレクトリ
    • このディレクトリの中に基本設定やキーコンフィグが入ってたりします.
    • 20230516User.ssh.zip で退避

これに加えて、

  • ~/.ssh( Windows : C:\Users\100323XX\ ) ディレクトリ
    • sshに必要な情報一式
    • 20230516.ssh.zip で退避

以上

2023,江端さんの技術メモ

FASTAPIを使ってPOSTでファイルを送り込む方法

 main.py

import uvicorn
from fastapi import FastAPI, File, UploadFile

import shutil
import os

app = FastAPI()

@app.post("/files/")
async def file(file: bytes = File(...)):
    content = file.decode('utf-8')
    formatfile = content.split('\n')
    return {'filedetail': formatfile}

@app.post("/uploadfile/")
async def upload_file(file: UploadFile = File(...)):
    if file:
        filename = file.filename
        fileobj = file.file
        #UPLOAD_DIR = os.getcwd() 
        #print(UPLOAD_DIR)
        #upload_dir = open(os.path.join(UPLOAD_DIR, filename),'wb+')
        upload_dir = open(os.path.join("C:\\Users\\ebata\\fastapi6\\", filename),'wb+')
        shutil.copyfileobj(fileobj, upload_dir)
        upload_dir.close()
        return {"アップロードファイル名": filename}
    return {"Error": "アップロードファイルが見つかりません。"}



'''
@app.post("/uploadfile/")
async def upload_file(file: UploadFile = File(...)):
    return {'filename': file.filename}
'''

で、

> uvicorn main:app --reload

でAPIサーバを起動する。

request.py

import requests
import json

# curl -X POST http://127.0.0.1:8000/uploadfile/ -H 'accept: application/json' -H 'Content-Type: multipart/form-data' -F file=@dummy.txt;type=text/plain と同じ機能を実現
# C:\Users\ebata>curl -X POST http://127.0.0.1:8000/uploadfile/  -F file=@dummy.txt;type=text/plain とすれば、エラーメッセージは出てこない

url = 'http://localhost:8000/uploadfile/'

# headers = {'Accept': 'application/json', 'Content-Type': 'application/json'} //失敗
# headers = {'Accept': 'application/json', 'Content-Type': 'text/html'} # 失敗
headers = {'Accept': 'application/json'} # 成功

# file_payload = {'file=@dummy.txt;type=text/plain'} # 失敗
file_payload = {'file':open('data/dummy1.csv','rb')} # 成功  ファイルはdataというフォルダを掘って、dummy1.csv という名前のファイルを放り込んでおく

print("headers:",headers)
print("payload:",file_payload)

# r = requests.post('http://localhost:8000/uploadfile/', headers=headers,files=file_payload) # 成功
r = requests.post(url, headers=headers,files=file_payload) # 成功

print("--->1:", r.url)
print("--->2:",r.status_code)
print("--->3:",r.text)
print("--->4:",r.json())

>python requests.py

でクライアント起動。

以上

2023,江端さんの忘備録

以前、制御LANについての連載をしていました。

Previously, I had serial columns about control LAN.

photo

多くの制御LANでは、マスター/スレーブ方式という方法が採用されています。

Many control LANs employ a master/slave method.

これは、複数の機器や装置、ソフトウェア、システムなどが連携して動作する際に、一つが管理・制御する側、残りが制御される側、という役割分担を行う方式です。

In this method, when multiple devices, equipment, software, systems, etc. work in cooperation, one of them is the side that manages and controls, and the other is the side that is controlled.

制御する側を「マスター」、される側を「スレーブ」といいます。

The controlling side is called the "master" and the controlled side is called the "slave".

英語圏では、この「主人と奴隷」という言葉を宛てることの是非をめぐる論争がしばしば起こっているようです。

In the English-speaking world, there seems to be a lot of controversy over whether to use the words "master and slave".

"制御屋"としての私としては、この論争には違和感しか感じません。

As a "controller engineer" myself, I find this controversy only discomfort.

名古屋の名物「味噌煮込みうどん」を『脳機能に障害を持つ人に対する差別語』と騒ぐような、奇妙に感じる話です。

It's a strange story like Nagoya's specialty "Miso Nikomi Udon" being called "a discriminatory term for people with brain disorders."

この「味噌煮込みうどん」の話、本当の話です。興味のある人はググってみて下さい。

This "Miso Nikomi Udon" is a true story. If you are interested, please google it.

それはさておき。

That aside.

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「プライマリー/セカンダリー」「プライマリー/レプリカ」「ペアレント/チャイルド」「マネージャー/ワーカー」などの代替用語が提案されているようですが ――

It seems that alternative terms such as "primary/secondary", "primary/replica", "parent/child" and "manager/worker" have been proposed.

私の提案は、

My proposal is

「マスター/メイド」

"Master/Maid"

の一択です。

That's my only choice.

未分類

Association between community-level social capital and frailty onset among older adults: a multilevel longitudinal study from the Japan Gerontological Evaluation Study
https://www.jages.net/kenkyuseika/paper_eng/?action=common_download_main&upload_id=12509

高齢者におけるコミュニティレベルの社会資本とフレイル発症の関連:日本老年学的評価研究(JAGES)の多段階縦断研究

背景 地域レベルの社会資本と個人レベルの虚弱体質発症との前向きな関連性については、ほとんど知られていない。そこで本研究では、3年間の縦断データを用いて、高齢者のフレイル発症に対するコミュニティレベルの社会資本の影響を検討することを目的とした。

方法 この前向きコホート研究では、2013年に設立された日本老年学的評価研究から非施設の高齢者を募集し、強固な高齢者を3年間フォローアップした。コミュニティレベルのソーシャルキャピタルの3つの側面(市民参加、社会的結束、互恵性)を評価し、マルチレベルの回帰分析を採用した。虚弱は、日本で虚弱のスクリーニングツールとして広く使用されているKihon Checklist質問票を用いて評価した。

結果 ベースライン(2013)時に頑健だった21 940人の高齢者(384コミュニティ)が、フォローアップ調査(2016)を終えた。参加者の平均年齢(SD)は71.8(4.9)歳、51.2%が女性であった。追跡調査期間中、虚弱の発症は622人(2.8%)に見られた。コミュニティレベルの社会資本変数については、個人レベルおよびコミュニティレベルの共変量で調整した後、市民参加はフレイル発症と逆相関していた(OR=0.94、95% CI 0.90~0.97, p=0.001)。この関連性は、個人の社会的関係や健康行動などの中間的な要因によって大きく変わることはなかった。結論 社会活動への参加など、市民参加が豊かなコミュニティに住んでいることは、高齢者の虚弱発症の抑制と関連していた。社会参加を促進する地域づくりは、フレイル予防に不可欠である。

はじめに

日本は平均寿命が最も長く、高齢化が最も進んでいる国です2。フレイルとは、ストレスによってホメオスタシスがうまく機能しなくなる脆弱性のことで、加齢に伴う生理的な症候群と考えられており4 5、高齢者にとって施設入所、入院、機能障害、死亡などの健康上の不利益をもたらすリスクが高くなります6 ? 9 定義は十分に確立されていませんが、フレイルは、ごく小さなストレスでも大きな悪化や機能依存につながる不安定な状態であり、健康であることと病気や障害があることの中間の状態であると考えられています。

しかし、質の低い住宅、地域環境、ソーシャルネットワークの変化などの環境要因がフレイルに及ぼす影響については、ほとんど知られていない。高齢者が生活する環境は、高齢者が本来持っている能力の低下を補い、健康な老後を送るために必要な機能性を維持するのに役立ちます。

ソーシャルキャピタルは、健康との関係も含め、広く検討されている要因の一つである16。例えば、Putnam らは、ソーシャルキャピタルを「信頼、規範、ネットワークなどの社会組織の特徴で、協調的な行動を促進することによって社会の効率性を向上させることができるもの」17 と定義している。また、この尺度は、ソーシャルキャピタルの「構造的」側面(ソーシャルネットワーク密度や市民参加パターンなど)と「認知的」側面(信頼感レベルや個人間の互恵性の規範など)から構成されている16 21。

地域社会資本は、健康増進に関する知識の普及、情報的社会統制による健康的行動規範の維持、地域サービスやアメニティへのアクセスの促進、感情的支援や相互尊重を提供する心理的プロセスを通じて、個人の健康に文脈的効果を及ぼすことが示された22。生態系レベルまたは個人レベルのアプローチを用いた従来の研究と比較して、集団レベルと個人レベルの関連性を統計的に区別できる多層的分析アプローチは、社会資本の集団/文脈的影響についてより良い理解を助けることが出来る16。

マルチレベル分析を用いた研究では、コミュニティレベルのソーシャルキャピタルと死亡率や障害を含む様々な健康アウトカムとの正の関連が明らかにされているが、ソーシャルキャピタルが虚弱に及ぼす影響について報告した研究は2件のみである23?26。一方、日本では、3つのソーシャルキャピタル(市民参加、社会的結束、互恵性)の効果を検討した横断研究において、コミュニティレベルの市民参加の高さと個人のフレイルの可能性との間に逆相関があることが報告されている28。しかし、縦断研究でのエビデンスは不足しており、両変数の時間的関係を明らかにする必要がある。

日本の高齢者におけるコミュニティレベルの社会資本とフレイル発症との関連を、多階層分析モデリングと3年間の縦断的研究デザインを用いて検討した。

方法(METHODS)

参加者

この前向き縦断研究では、日本の65歳以上の非施設入所者で機能的に自立した高齢者を対象とした継続的コホート研究である日本老年学的評価研究(JAGES)からパネルデータを入手した。

図1にサンプル抽出のフローチャートを示す。ベースライン調査は2013年10月から12月にかけて実施され、30市町村の対象住民に自己申告式の質問票を郵送した。17の大規模自治体ではランダムサンプリング方式が採用され、他の13自治体では、すべての対象住民が参加することができました。招待した193 694人のうち、137 736人が質問票を返送した(回答率:71.1%)。年齢・性別が確認できない7996人を除外した(有効回答率:67.0%)。また、サンプルサイズから正確な値が得られないことを避けるため、回答者が50人未満の86コミュニティ地域の3066人、居住地域が不明な28786人を除外し、コミュニティレベルのソーシャルキャピタル評価のために478コミュニティから97 888人を学区別に集計した18。

基本的な日常生活動作(BADL)に制限がある3222人、BADL項目の回答が不足している4228人、自己申告の認知症またはパーキンソン病の638人、現在の病気に関する情報が不足している5099人、KihonChecklist(KCL)を用いて評価したプレフレイルティまたはフレイルティの31 789人、30? 32、KCL項目への回答が不完全な17 560人は除外しました。

その後、自治体の協力拒否により追跡調査の対象外となった3102人を除き、32 250人の頑健な高齢者を追跡調査し、虚弱の新たな発生を確認した。追跡調査は2016年10月から11月に実施した。最終的に、調査に協力した21940人(384地区)を分析対象とした(追跡率:68.0%)。

フレイル

フレイル(虚弱)の定義は、日本で虚弱スクリーニングに広く用いられている厚生労働省が開発した KCL を用いて行った。30 KCL は、道具的 ADL、社会生活、運動、口腔、認知機能、栄養状態、在宅状態、気分など日常生活機能の複数の側面を評価する簡単なイエス/ノー質問紙である。JAGESでは、このツールを若干修正したものを使用している(オンライン補足表1およびテキスト1)。我々は、JAGESと同じ修正版を使用した先行研究で確立されたスコアリングシステムを使用した。28 我々は、ベースラインで頑健であった参加者を3年間追跡調査した。

コミュニティレベルのソーシャルキャピタル

市民参加はソーシャルキャピタルの構造的側面を、社会的結束と互恵性は認知的側面を反映していると考えられる33 34。

市民参加は、各コミュニティにおけるボランティアグループ、スポーツグループ、趣味活動、学習・文化グループ、技能指導への個人の参加率で評価しました。5つの項目はそれぞれ0点から100点の間で割り当てられた。

社会的結束力は、一般的な信頼(「一般的に、あなたの地域に住む人々は信頼できると思いますか」)、他者の助けようとする意思の認識(「あなたの地域に住む人々は、ほとんどの状況で他者を助けようとすると思いますか」)、居住地域への愛着(「あなたが住んでいる地域に対してどの程度の愛着を持っていますか」)の3項目について、「非常に」または中程度(回答尺度:「非常に」「中程度」「ニュートラル」「やや」「まったく」)の回答をした割合によって、評価しました。3つの項目はそれぞれ0点から100点の間で割り当てられた。

互恵性は、感情的支援受領(「あなたの悩みや不満を聞いてくれる人がいますか」)、感情的支援提供(「他の人の悩みや不満を聞いてくれますか」)、道具的支援受領(「あなたが病気で寝込んでいるときに世話をしてくれる人がいますか」)の3項目について、「はい」と答えた割合で評価している。3つの項目はそれぞれ0点から100点の間で評価されました。

個人レベルのデータを集計した全11項目の因子分析を行い、各学校区のコミュニティレベルのソーシャルキャピタルスコアとして算出した因子スコアを用いた(オンライン補足表2)。

その他の変数

個人レベルの要因としては、年齢(65?69歳、70?74歳、75?79歳、80?84歳、85歳)、性別、生活形態(同居、一人暮らし)、婚姻状況(未婚、既婚)、教育(<10年、10?12年、? 13歳)、等価所得(各世帯の所得を家族数の平方根で割ったバイタイル)、自己評価による健康状態(良好または不良)、現在の病気(がん、心臓病、脳卒中、呼吸器疾患、筋骨格疾患、高血圧、脂質異常症、糖尿病のいずれか一つ、二つ以上)、アルコール摂取(過去・現在ともなし)、喫煙歴(過去・現在とも)、歩行時間(<60または<60min/日)。

個人の社会的関係は、友人との接触頻度(週1回以上またはそれ以下)、コミュニティグループへの参加(なし(0点)またはあり(1点):これは、前述のコミュニティレベルの市民参加に関する5つのグループへの回答を用いて測定し、スコア範囲は0? 5)、コミュニティの社会的結束の認識(ない(0)またはある(1点):前述のコミュニティレベルの社会的結束に関する3項目への回答を用いて測定し、スコアの範囲は0~3)、ソーシャルサポート(低い(0.2)または高い(3点)):前述のコミュニティレベルの相互主義に関する3項目への回答を用いて測定し、スコアの範囲は0~3)。

地域レベルの変数には、都市化(人口密度に基づいて、農村部:1000人/km2未満、郊外:1000?1500、都市部:1500と定義)、高齢化率(65歳以上の人の割合、三分割)、低レベル教育率(各区の中学しか卒業していない人の割合、三分割)。これらの変数に関する情報は、2013年国勢調査から入手しました。

統計解析

データは、コミュニティ地区(第2レベル)にネストした個人(第1レベル)を含んでいる。マルチレベル分析の枠組みでは、個人のアウトカムは、個人が住んでいる地区、地区間のアウトカムの変動(ランダム効果)、個人特性を調整したアウトカムに対するコミュニティレベルの変数の効果(固定効果)に一部依存していると仮定する。したがって、マルチレベルロジスティック回帰分析を行い、フレイル発症のORと95%CIを計算した。ORは、地域レベルの社会資本スコアが10%ポイント変化した場合に推定した。モデル1では、共変量を調整せずに、コミュニティレベルのソーシャルキャピタルとフレイル発症の関連を検討した。モデル2では、年齢、性別、生活形態、配偶者の有無、教育、等価所得、自己評価健康度、現病歴、コミュニティレベルの変数を含めた。モデル3では、個人の社会的関係の変数を追加し、モデル4では、健康行動(アルコール摂取、喫煙歴、歩行時間)を追加して、これらの要因がコミュニティレベルの社会資本とフレイル発症の関連を減弱させるかどうかを検討した。ランドメ効果分散に基づき、地域間の説明できない異質性を検討するためにORの中央値を算出した(中央値が1から離れるほど、地域間で強い差があることを示す)35。

フレイル発症の誤判定に対する結果の頑健性を確認するため、修正フレイル診断基準を用いた感度分析を行った(オンライン補足表1および本文1)。また、プレフレイルティとフレイルティ発症を統合したアウトカムとしてデータを分析した。さらに、年齢(65歳、74歳、75歳)、性別、学歴(10年未満、10年以上)、等価所得(中央値(低、高)で2分割)の変数で層別解析を行った。情報の欠損によるバイアスを軽減するために、missingat randomの仮定で、多重置換アプローチを用いた。連鎖式多重代入法を用いて20の代入データセットを作成し、標準的なRubinのルールを用いて結果をプールした36有意性はp<0.05とした。統計解析はRソフトウェア(V.3.6.3 for Windows)を用いて実施した。

結果

我々は、21 940人の強固な参加者のデータを分析した。表1は、ベースライン時の参加者の特徴を示している。平均年齢は71.8歳(SD=4.9)で、51.2%が女性だった。追跡調査期間中に622人(2.8%)がフレイル発症を経験していた。フレイル発症者は、高齢者、低学歴、低所得者、低社会的支援、自己評価による健康状態の悪化、1日の歩行時間が短い、友人との連絡頻度が低い、コミュニティグループに参加していない、コミュニティの社会的結束を感じていない、アルコールを摂取していない、などの傾向があった。平均的なフレイル発症率は2.6%(最小:0.0%、最大:33.3%)であった。コミュニティレベルのソーシャルキャピタルスコアの平均(SD)は、市民参加、社会的結束、互恵性でそれぞれ0.15(0.90)、0.09(0.95)、0.02(0.87)であった。

表3は、コミュニティレベルのソーシャルキャピタルとフレイル発症との関連を示す(結果に関するすべての情報は、オンライン補足表3に記載)。地域社会への参加度が高いほど、個人レベルおよび地域社会レベルの共変数を調整した後、虚弱発症リスクの低下と有意な関連を示した(モデル2:OR(95%CI)0.94(0.90~0.97)、p=0.001)。この関連は、個人の社会的関係(モデル3:OR=0.94(95% CI 0.91 to 0.98)、p=0.003)および健康行動(モデル4:OR=0.94(95% CI0.91 to 0.98)、p=0.003)を分析モデルに組み込んだ後も大きく変化したままとなった。修正フレイルティ基準(オンライン補足表4)、プレフレイルティとフレイルティ発症を複合アウトカムとして用いた感度分析(オンライン補足表5)でも、主要結果と同様の傾向が見られた。また、完全症例解析(オンライン補足表6)でも同様の結果が得られた。表4は層別解析の結果を示している。地域レベルの市民参加と虚弱の発症は、すべての層で逆相関を示し、つまり相互作用はなかった(年齢、p=0.344、性別、p=0.399、教育、p=0.740、相当収入、p=0.614)。

ディスカッション

本研究は、高齢者における地域社会資本とフレイル発症との前向きな関連性を検討した初めての研究である。特に、市民参加の高い地域に住むことは、3年以内のフレイル発症の抑制と関連していた。中国での先行研究では、近隣レベルの社会的結束と社会的参加はともに虚弱と関連しないことが明らかにされている。一方、日本では、全国規模の研究で、地域レベルの市民参加の高さと個人レベルの虚弱の可能性との間に逆相関があることが示唆された28。今回の結果はこの知見を支持し、地域レベルの市民参加と虚弱の縦断的な関連性を明らかにした。いくつかの縦断研究では、地域レベルの市民参加が虚弱に関連する健康アウトカム(例えば、口腔衛生やうつ)に保護効果を持つことが示唆されている37 38したがって、市民参加が豊かな地域に住むことは、虚弱を多面的に予防することができる。社会活動を促進する社会環境要因が健康的な加齢の鍵であることから、コミュニティレベルのソーシャルキャピタルを高めることは、虚弱の予防に不可欠であると考えられる。この効果量は大きくないが、社会環境要因による個人の健康効果と考えるのが妥当であろう。むしろ、社会環境要因は地域住民に広く影響を与える可能性があるため、社会資本は高齢者の虚弱を予防する公衆衛生上の重要な介入対象である可能性がある。

コミュニティレベルの市民参加と虚弱発症との関連は、個人の社会的関係や健康行動を分析モデルに含めても、ほとんど変化しなかった。コミュニティレベルのソーシャルキャピタルが虚弱予防に及ぼす文脈的効果は、個人の社会的関係や健康行動の促進によって媒介されると仮定したが、これらの媒介はほとんど観察されなかった。集団レベルのソーシャルキャピタルが健康に及ぼす文脈的効果には、社会伝染(健康情報や行動の普及)、非公式社会統制(不健康行動のゆるい管理)、集団的効力(健康関連施設やシステムの開発への集団動員)などのメカニズムが関与すると考えられている。 22 あるいは、ネットワークの性質という点では、コミュニティにおける豊かな市民参加は、多様な人々をゆるやかにつなぐ(ブリッジング)か、異なる社会階層の人々のつながりを促進する(リンキング)可能性がある16 21 一方、栄養状態、座りがちな行動、ポリファーマシーなどのいくつかの臨床およびライフスタイル要因39は、フレイルの危険因子と考えられているので、これらのパスウェイも関与しているかもしれない。したがって、地域レベルの社会資本とフレイルの関連性のメカニズムや性質について、さらなる研究が必要である。

年齢、性別、学歴、等身大所得の層別分析では、コミュニティレベルの市民参加と低虚弱の発症との関連は、すべての層で広範囲に類似し、同じ方向を示していた。本研究では、コミュニティレベルの豊かな市民参加は、個人の社会経済的地位にかかわらず、虚弱に対する保護効果を示した。したがって、コミュニティレベルの市民参加を促進することは、高齢者の健康格差に対処する鍵となり得る。一方、年齢による層別分析では、若年成人、高齢者ともに同じ方向の相関が見られたが、75歳以上ではその効果はやや小さく、社会環境要因の効果は年齢が上がるにつれて変化するのかもしれない。身体機能の低下は若年層よりも高齢層で顕著になる傾向があることから42、高齢者においては、地域レベルの市民参加では十分な効果が得られず、地域社会資本の育成と並行して個人的な介入が必要かもしれない。

本研究は、虚弱予防のための社会環境因子に関する適切な知見を提供したが、いくつかの限界があった。社会的望ましさバイアスは、社会資本の評価に人為的に影響を与える可能性があり、社会資本の過大評価を引き起こす可能性がある43。第二に、JAGESではKCLを若干修正したものを使用し、ベースライン調査とフォローアップ調査で若干異なるバージョンを使用したため、フレイルティの測定に誤差が生じた可能性がある。しかし、ベースライン時の頑健な参加者のみを追跡調査したため、虚弱の発生を調べることができた。また、感度分析では、主要な結果とほぼ同じエビデンスが示された。したがって、測定誤差の影響は小さいと思われる。第三に、虚弱の可逆性5を考慮すると、追跡期間中の虚弱状態の変化を説明することはできない。第4に、本調査は前向き縦断研究であるが、観察研究の性質上、測定されていない交絡因子のために因果関係を明らかにすることができない。しかし、我々は、個人およびコミュニティの主要な交絡因子を調整するよう努めた。最後に、我々のコミュニティ単位(学区)の地理的規模は、近隣の単位としてはやや大きいかもしれない。しかし、日本では、学区は高齢者が徒歩や自転車で移動しやすく、コミュニティ組織が活動を行う地域であるため、学区を用いることはコミュニティの特性を理解する上で有意義であると考える。

結論

このマルチレベル縦断研究では、地域社会への高い市民参加は、高齢者のフレイル発症の抑制と関連していることがわかった。地域社会での社会活動などの市民参加を促進することで、ソーシャルキャピタルを育成することは、高齢者の虚弱化を予防するのに役立つと考えられる。

著者の所属

 

 

未分類

Development of an instrument for community-level health related social capital among Japanese older people

日本の高齢者における地域レベルの健康関連ソーシャル・キャピタルのための手段の開発
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jea/27/5/27_27_221/_pdf/-char/ja

概要

我々は、日本の高齢者コミュニティ居住者のデータに基づいて、コミュニティレベルのソーシャルキャピタルを測定する手段を開発し、検証した:

方法:702のコミュニティ(学区)に属する123,760人の機能的に自立した高齢者を含む全国調査である日本老年学的評価研究の横断的データを使用した。調査項目の探索的因子分析および確証的因子分析を行い、地域社会資本を測定するための多次元尺度の項目を決定した。

内部整合性はクロンバッハのアルファで確認した。収束的構成妥当性は、尺度と健康アウトカムとの相関によって評価した: 53の候補変数から、ボランティアグループ、スポーツグループ、趣味の活動、勉強や文化のグループ、特定のスキルを教える活動への参加信頼互恵性の規範、自分のコミュニティへの愛着、感情的支援を受けた、感情的支援を提供、道具的支援を受けたという11のコミュニティレベルの変数が抽出された。因子分析により、これらの変数は、市民参加(固有値 ? 3.317, a ? 0.797)、社会的結束(固有値 ? 2.633, a ? 0.853)、相互性(固有値 ? 1.424, a ? 0.732) という三つの下位尺度に属することが決定された。確認的因子分析により、このモデルの適合性が示された。

多段階ポアソン回帰分析の結果、市民参加スコアは、個人の主観的健康度(Self-Rated Health:有病比[PR] 0.96; 95%信頼区間[CI], 0.94e0.98; Geriatric Depression Scale [GDS]: PR 0.95; 95% CI, 0.93e0.97)。互恵性スコアは、個人のGDSとも関連していた(PR 0.98;95%CI,0.96e1.00).社会的結束スコアは、個々の健康指標との一貫した関連はなかった。

結論 コミュニティレベルでのソーシャルキャピタルを測定するための我々の尺度は、高齢のコミュニティ居住者を対象とした今後の研究に役立つかもしれないc 2016 The Authors. 日本疫学会の委託を受けたElsevier B.V.による出版サービス。本論文は、CC BY-NC-NDライセンス(http://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/4.0/)に基づくオープンアクセス論文です。

はじめに

ソーシャルキャピタルの概念は、ネットワークベースのアプローチと社会的結合のアプローチという2つの異なるアプローチで用いられている9。コミュニティレベルのソーシャルキャピタルは、高齢者が健康や幸福を維持するために重要であり、高齢者はコミュニティで多くの時間を過ごす可能性が高い。日本は、急速な人口高齢化を経験する先進国の中で、世界をリードしている国である。現在、高齢者の割合は26.0%であり、2025年には30.3%に達すると予測されています。このような状況に対応するため、日本政府は、高齢者の健康のための新しい公衆衛生課題「高齢者のための統合コミュニティケア」を開始しました10。この課題は、コミュニティレベルでの社会資本の構築、地域の医療ガバナンスの改善、高齢者を支える地域資源/環境の充実を目的としています。そのため、コミュニティレベルでのソーシャルキャピタルの測定やモニタリングに対する関心は、中央政府や地方政府の間で高まっている。

現在までに、ソーシャルキャピタルを測定するための尺度がいくつか開発されており、その中には、職場、11学校、12,13、特別なケアを必要とする子どもの養育者14、臨床・翻訳科学の研修生に使用できる尺度がある15。しかし、私たちの知る限り、日本のような先進国の高齢者の研究に有用なコミュニティ・ソーシャル・キャピタル尺度は存在せず、その多くは少数のコミュニティまたは単一のコミュニティで開発されているため、既存のソーシャル・キャピタル尺度の一般化可能性は限定的であるかもしれない。また、認知的ソーシャルキャピタルや構造的ソーシャルキャピタルなど、コミュニティレベルのソーシャルキャピタルの多次元を捉えることができない2,16。

本論文では、地域居住高齢者を対象とした大規模な調査データを用いて、地域居住高齢者集団における地域社会資本を測定するための指標を開発し、検証を行った。コミュニティ・ソーシャル・キャピタルの定義は様々であるが、その中でも疫学・公衆衛生分野で影響力のある定義として、Coleman22による定義がある。パットナムの定義もよく知られている。「ネットワーク、規範、社会的信頼など、相互利益のための協調や協力を促進する社会組織の特徴」23。社会疫学では、河内とバークマンが公衆衛生の現場で役立つ、よりストレートな定義を紹介した: 社会疫学では、KawachiとBerkmanは、公衆衛生の場において有用な、より直接的な定義を導入した。「ネットワークやグループの一員であることの結果として、個人がアクセスする資源」17。

これらの定義を参考に、コミュニティ診断(コミュニティと住民個人の特性を評価すること)に使用することを想定し、コミュニティレベルの健康関連ソーシャルキャピタル尺度を開発しました。地域社会の特性が個人の健康に与える影響を評価することは、公衆衛生の研究や活動において重要な関心事である。

メソッド

データ

日本老年学的評価研究(JAGES)プロジェクトの2013waveの横断データを分析した。JAGESは、30自治体の65歳以上の身体的・認知的障害を持たない人(公的介護保険給付を受けていない状態と定義される)を調査した。調査対象は、無作為に抽出されたものではなく、日本の地域や人口規模など幅広い特徴を持つ自治体である。比較的小規模な13の自治体では、機能的に自立した高齢者全員に自記式質問票を郵送し、17の自治体では、住民票に基づき無作為に抽出した高齢者に質問票を郵送した(回答率71.1%)。回答者は、一部の自治体を除き、主に学区に基づく832のコミュニティに属する129,739人の住民である。回答者が50人未満のコミュニティは、サンプル数が少ないために正確な値が得られないことを避けるために除外されました。最終的に、702のコミュニティから123,760人のデータを得ることができた。コミュニティあたりの平均観察数は176(標準偏差[SD]、226)であった。

ソーシャルキャピタルをコミュニティレベルで評価するために、個々の回答を小さなエリア(学区)に集約した。ソーシャルキャピタルは、市町村、都道府県、国など様々なレベルの集計が可能であるが、本稿では以下の理由から学区をコミュニティの単位とした。第一に、多くの地域において、学区は高齢者が徒歩や自転車で容易に移動できる地理的規模であり、老人クラブやスポーツクラブなどの地域組織による多くの地域活動が各学区内で行われていることが挙げられる。第二に、学区は地域の公衆衛生活動を考える上で貴重な単位である。第三に、校区は、各コミュニティのサンプル数という点で、集計情報の精度を十分に維持できる最小のエリアサイズであることである。

ソーシャルキャピタル尺度の候補変数の選定

ソーシャルキャピタル尺度の同時検証は、健康指標である自己評価健康度(SRH)と抑うつ症状で評価した。これらは、他の医学的、行動学的、心理社会的要因に関係なく、死亡率の有効な予測因子である。25,26 SRHは、「現在の自分の健康状態について、優れている、良い、普通、悪いとどのように感じますか」という質問で測定した。うつ病の症状は、単純な2値(はい/いいえ)形式で、地域での自己投与用に開発された15項目の老年期うつ病尺度(GDS)を用いて評価された27,28。

統計解析

ソーシャルキャピタル尺度の変数の選択

まず、コミュニティレベルの特性を表す複数の指標からコミュニティのソーシャルキャピタル尺度を作成する必要があるため、選択した各変数をコミュニティ(学区)レベルに集約した。第二に、健康アウトカムに関連する変数を抽出するために、人口密度や高齢者比率をコントロールした上で、各候補変数とSRHおよびGDSの健康指標との偏相関を算出した(生態学的分析)。SRHまたはGDSと中程度または強い相関がある候補変数を抽出した(r > 0.150)。複数の変数が概念的に類似している場合は、健康指標と最も近い関係にある変数を採用した。第3に、探索的因子分析を行い、Cronbachのα検定で評価した内部整合性が最大となるように、共同性の低い変数を除外した。第四に、これらの因子分析にプロマックス回転を用いた最尤法を適用し、同定された因子間の相関を考慮した。コミュニティ・ソーシャル・キャピタル尺度を作成する際に、単一の指標ではなく、複数のコミュニティ指標を用いることで、作成した尺度の信頼性を高めることができる。次に、確認的因子分析を実施した。残留共分散行列を用いた分析によって、確証的因子分析モデルの適合度指標を改善することは試みなかった。

同時性検証の評価

コミュニティ・ソーシャル・キャピタルの文脈的効果をモデル化するために、個人の構成(すなわち、個人の社会人口学的背景とコミュニティ・ソーシャル・キャピタル尺度作成に用いた質問に対する回答)による健康結果の変動を説明するためにマルチレベル分析を使用した9。また、個人の特性によってコミュニティ・ソーシャル・キャピタルと個人の健康との関連性が異なる可能性について、クロスレベル相互作用項を適用してモデル化した。統計解析には、Stata 12.1(StataCorp, College Station, TX, USA)とMLwiN 2.32( Centre for Multilevel Modelling, Bristol University, Bristol, UK)を用いた。

倫理的配慮

JAGES参加者には、本研究への参加は任意であり、郵送による自記式質問票の記入と返送が、本研究への参加に同意したことになることを説明した。日本福祉大学倫理委員会から倫理的承認を得た(13-14)。

結果

相関分析の結果、53個の候補変数のうち、健康指標と強く、あるいは中程度の関連性を持つ14個を選択した(表1)。共同性を高めるために3つの変数を除外し、最終的に内部整合性(a ? 0.752)に基づき、11の変数を健康関連コミュニティ社会資本尺度に含めるために採用した(表2)。

探索的因子分析(表3)により、11変数からなる3因子(固有値:3.317、2.633、1.424)の累積寄与率は67.0%であった。第1因子は、ボランティアグループ、スポーツグループ、趣味の活動、学習・文化グループ、技術指導のための活動への参加と主に関連していた(a ? 0.797).この因子を総称して「市民参加」と名付けた。信頼、コミュニティ信頼愛着(a ?0.853)と強く関連する第2因子を「社会的結束」と名付けた。また、感情的支援の受領・提供、道具的支援の受領(a ?0.732)と強く関連する第3因子は「互恵性」と名付けられた。社会的結束力スコアは、互恵性スコアと有意な相関があった(r ? 0.436,p < 0.001)。確認的因子分析の結果、近似平均二乗誤差は0.089、比較適合指数は0.925、TuckereLewis指数は0.899、標準化平均平方根残差は0.058であり、適合指数の基準とほぼ同等であった。

江端追加: SC指標の提案最終版20171007より抜粋

表4は、多段階ポアソン回帰モデルの変数の記述統計である。個人レベルの市民参加は、回答者が月に1回以上参加した市民グループ(5つまで)の数を合計して算出した。個人レベルの社会的結束と互恵性は、「強く・中程度にそう思う」「誰でもそう思う」と答えた人を他のすべての回答者と二分している。個人の社会人口統計学的状態(すなわち、年齢、性別、配偶者の有無、学歴、世帯年収)をコントロールした後でも、すべてのコミュニティレベルのソーシャルキャピタルスコアは、抑うつ症状と有意な関連を示した(表5)。有病率(PR)は、市民参加のスコアが1SD増加するごとに0.94(95%信頼区間[CI]、0.92e0.95)であった。社会的結束と互恵性のPRはそれぞれ0.97(95%CI、0.95e0.99)、0.96(95%CI、0.95e0.98)であった。アウトカムを自己評価に変更した場合、社会関係資本スコアのPRはGDSスコアとの関連と同様であったが、社会的結合と互恵性については統計的有意性は僅かであった。

ソーシャルキャピタルを評価するための尺度に用いた質問に対する個人レベルの回答を追加調整しても、市民参加のPRに影響はなかった(SRHが悪い/公平のPR:0.96、95%CI:0.94e0.98、GDSのPR:0.95、95%CI:0.93e0.97、モデル2)。互恵性は個人のGDSとも関連していた(PR 0.98;95%CI,0.96e1.00).一方、同じ調整により、コミュニティレベルの社会的結束と個人の健康指標との間の関連は弱まった。非正規分布や欠損データを考慮し、カテゴリーデータとしてダミー変数を用いた指標法を適用しても、主要な結果や傾向は変わらなかった(表2参照)。また、各コミュニティレベルのソーシャルキャピタルスコアと個人の回答との相関係数は高くなかった(0.09e0.17)。

ディスカッション

市民参加、社会的結束、互恵性の下位次元からなる11項目の尺度を開発し、検証したところ、確認的因子分析により、これらの11項目の指標が信頼できる尺度を形成していることが示された。また、収束妥当性を支持するエビデンスとして、各指標は期待される方向で健康アウトカムと相関していることがわかった。また、さらなる研究が必要であるが、この尺度は日本と同じような背景を持つ他の国でも有用である可能性がある。

ソーシャルキャピタル理論では、市民参加、社会的結束、互恵性の3つの次元の区別が基本となっている3,16,17,29 因子分析では、これらの3つの要素を統計的に特定した。Islam らは、ソーシャルキャピタルの構造的次元は、社会組織の外見的観察可能な側面を含み、ネットワーク接続や市民参加などの行動的顕在化によって特徴づけられると述べている29 。また、信頼、互恵性の規範、コミュニティへの愛着など、主観的な態度を反映する要素をまとめて「社会的結束」と名付けたことも、理論的に合理的であった。また、社会資本尺度の「互恵性」は、コミュニティ内での個人のソーシャルサポートの交換を促進するコミュニティ・ソーシャルキャピタルの次元を捉えていると考えられる。また、「互恵性」と「社会的結束力」の間に強い相関が見られた結果も、理論的枠組みと整合的であった。また、コミュニティレベルのソーシャルキャピタルスコアと個人の回答との間には、個人指標で調整した後、信頼区間の著しい膨張や強い相関は認められなかった。これらの結果は、多重共線性の可能性は大きくないことを示唆している。

これは、研究者が「ソーシャル・キャピタル」の概念を運用・測定する方法に一貫性がなく、多くの場合、二次データセットから入手可能な代理変数に頼っているためである可能性がある。これまでの研究では、ソーシャルキャピタルの代理変数として、選挙における地域住民の投票率や地域の犯罪率などの指標を使用してきた。これらの変数は、ソーシャル・キャピタルの先行要因または結果であるとみなすことができるが、その中核的な概念を直接的に捉えるものではない。また、研究結果の違いは、文化、地域、分析単位、年齢層などの違いも関係しているかもしれない。

しかし、日本では、社会的結束や認知的ソーシャルキャピタルの中心概念である一般化された信頼は、結束力のある社会では低く、そのような社会での人間関係は「信頼」ではなく「保証」に基づいているためである30。しかし、これまでの研究は、様々な概念に基づく従来型の代替尺度を用いているため、比較が困難であった。共通の尺度を用いることで、研究者の「真の」関心事に関する研究間の差異についての議論に貢献することができる。

これは、本研究で用いた市民参加の指標が、社会的結束の指標よりも客観的であったためと考えられる。また、我々の分析では、コミュニティレベルの社会的結束力が健康指標に対して逆の予測値を示した。このような結果の理由を明らかにするために、さらなる研究を行う必要がある。Portesは、集団レベルの社会資本が持つ潜在的に有害な特性として、部外者の排除、集団メンバーへの過剰な要求、個人の自由への制限、下層化規範の4つを指摘している。また、日本の実証研究では、出身地が現在居住している地域と異なる住民において、より強い社会的結束が抑うつ症状と関連することが示された34。あるいは、地域レベルの社会的結束の予測値が弱いことは、他者への信頼度が低い人の不参加が考えられるため、測定バイアスを介して説明できるかもしれない。また、個人的な認識について質問する際の情報バイアスも、別の説明となるかもしれない。コミュニティ・グループにおける個人のメンバーシップに関する情報と比較して、信頼や互恵性に関する個人の認識は、様々な一時的な条件によってより影響されやすいと考えられる。また、健康な人ほど参加しやすいという逆因果があるのかもしれない。個人レベルのソーシャルキャピタルの認知は、コミュニティレベルのソーシャルキャピタルと比較して、個人の健康とより強く関連していたが35、これは予想外のことである。

長所と短所

本研究には、いくつかの重要かつ固有の強みがある。調査はもともとソーシャルキャピタルを測定するために設計されており、概念的に適切な様々な候補変数を使用することが可能であった。特に、参加者個人とコミュニティの数が多いことは重要な強みであり、我々の分析はコミュニティレベルの尺度を作成するのに十分な力を持つからである。また、高齢者に特化したソーシャルキャピタル尺度を作成したのは、この種のものとしては初めてである。とはいえ、本研究にはいくつかの重要な限界もあった。クロスセクションデザインは、逆因果を含む可能性があり、同時妥当性の評価結果にバイアスをかける可能性があった。さらに、さらなる検証を行うことが望ましいと思われる。例えば、基準妥当性は、より客観的に測定されたコミュニティレベルの変数、例えば、各組織への参加比率や投票率などを用いて評価することができるだろう。また、死亡率などのハードアウトカムを用いた検証研究も必要である。本調査の回答率は71.1%と比較的高かったが、選択バイアスを完全に排除することはできない。また、本調査のデータセットが全国を代表するサンプルではなく、高齢者を対象として作成されたものであるため、一般化可能性には限界があるかもしれません。若年層や別の調査方法で作成されたデータなど、別の文脈から得られたデータに我々のコミュニティ社会資本尺度を適用する場合には注意が必要である。しかし、サンプルに含まれる自治体の地理的・文化的なばらつきは大きく、また、自治体には大都市と農村が含まれています。また、コミュニティの単位として学区を用いたが、他の地域単位で定義されたコミュニティを評価する場合にも同様に有効であるかどうかはわからない。理想的には、どのような集計レベルでも適用可能なソーシャルキャピタル指標を作成することである。しかし、個人レベルのデータを用いた代替因子分析の結果、3つの因子にはそれぞれ同じ項目が含まれており、ソーシャルキャピタルのスコアが代替的な集計単位で一般化できる可能性があることが示唆された。

結論

我々は、市民参加、社会的結束、互恵性を評価する11項目からなる健康関連コミュニティ社会資本尺度を開発した。この尺度は、高齢者集団に由来するデータに基づいて計算できるように設計されている。この新しい標準的なソーシャル・キャピタル尺度は、公衆衛生や老年学的な問題、またコミュニティ・ソーシャル・キャピタルに関連する他の事柄に光を当てることができる: MS、NK、JA。調査を実施した: KK、JAGESグループ。データ分析: 原稿執筆への貢献:MS、SK、JA: 原稿執筆への貢献:MS、NK、JA、IK、KK、TO.著者全員が最終版の原稿を読み、承認した。

利益相反行為について

宣言したものはない。

謝辞

本研究は、日本学術振興会科研費(23243070、24390469、26285138、15H01972)、厚生労働科学研究費補助金(H24-Choju-Wakate-009、H28-ChojuIppan-002)、老化と健康に関する総合研究(H25-ChojuIppan-003)による助成を受けています。JAGES2013の調査データは、日本福祉大学幸福社会研究センターが研究プロジェクトの一つとして実施したもので、厚生労働科学研究費補助金・加齢医学総合研究事業(H26-Choju-Ippan-006, H25-Choju-Ippan-003, H25-Kenki-Wakate-015, H25-Irryo-Shitei-003, H24-Junkanki Ippan-007)により、支援を受けています; 米国Department of Health and HumanServices, National Institutes of Health, National Institute of Agingからの助成金(R01AG042463-01A1)です; 日本学術振興会科学研究費補助金(20319338, 22390400, 23243070, 23590786, 23790710, 24140701, 24390469, 24530698, 24653150, 24683018, 25253052, 25870881)、国立長寿医療センター(24-17、 24-23, J09KF00804)助成金。資金提供者は、研究デザイン、データ収集と分析、出版決定、原稿作成に関与していない。JAGESプロジェクト(2015)は、以下の各フィールドセンターにおけるコーディネートグループと共同研究者で構成されています: 近藤和彦(研究代表者、BZH12275@nifty.ne.jp)、河内一郎、会田淳一、芦田哲也、市田洋一、岡田栄一、大坂和也、尾島俊夫、亀田雄一、近藤直樹、齋藤知子、佐々木陽子、菖蒲川陽子、S.鄭、白井啓介、鈴木啓介、高木大輔、武田俊介、谷泰史、玉越明、辻大介、坪谷拓也、轟悠、中出雅彦、長峰義人、羽生田正樹、花里真、林哲也、引地裕、平井宏、Y.藤野、藤原、三澤、宮国、村田、柳、山本、横田、N.C.Cable. また、解析結果については、著者および共著者のほか、以下の研究者が参加したSCワーキンググループで再議論した: 日本大学: 日本大学:稲葉陽二、東北大学:松山祐輔 日本大学:稲葉洋二、東北大学:松山雄介、佐藤幸弘、上野道子、国立成育医療研究センター:藤原武夫、千葉大学:辻本淳、辻本淳、辻本淳子 藤原武夫、千葉大学: 宮国泰弘、花里正道、琉球大学: 琉球大学:白井こころ、東京大学:芦田豊雄 芦田豊雄、浜松大学:岡田栄作、新潟大学: 菖蒲川裕吾、神奈川歯科大学: 山本達夫氏。